見出し画像

コラボワールド「キミニアイタイ」制作秘話~イナバside~

こんにちは、こんばんは!イナバです。
メタバースプラットフォーム「cluster」でワールドやアイテムを制作しております。

今回はclusterお題企画「四畳半のメタバース」で制作したワールド「キミニアイタイ」のギミックについてお話します。

今回のワールドはREALITYクラスター部でおなじみのりのたんとコラボして作りました!

▼コラボワールドはこちら

りのたんもコラボワールドの制作秘話ついて記事にされているので、是非ご覧ください!



ワールドギミックについて

四畳半のメタバースは限られた空間の中でワールド作るお題企画。
今回で3回目となる名物企画です。

縦に長いワールドの特徴をいかして、プレイヤーの重力を反転させて上昇させながらワールドを体験するギミックを採用しました。その方法について記録しておこうと思います。

訪問者にメッセージを表示する

まずワールドを訪れると、プレイヤーの名前を読み取ってメッセージを表示させるアイテムがあります。

これはプレイヤーを中央の光の柱(四畳半空間)に案内するとともに、上空の月のモチーフを見せることで縦に長いワールドであることをアピールする役割を果たしています。

入室すると自動でメッセージが表示される

こちらのアイテムはvinsさんの記事を参考にしました。

メッセージが長いので、うまくワールドに収まるように改行を入れています。メッセージ欄に[\n]を入れると、その位置で改行してくれます。

\nの位置で改行が入ります。

重力反転+ポストプロセスON

ギミック紹介

今回のワールドのメインギミックです。中央の光の柱(四畳半空間)のエリアに入るとポストプロセスのブルームがONになりワールドの光の反射が増してキラキラするとともに、重力が反転して体が宙に浮いていきます。これらはclusterscriptのベータ機能を使用しています。

中央の光の柱に入ると・・・
光の輝きが増して、体が宙に浮き始めます

script紹介

clsterのベータ機能を使用し、Overlap Detector ShapeCubeに触れたプレイヤーの重力とポストプロセスを変更します。
初めてベータ機能を触る方、ポストプロセスについては以下の記事も参考にしてください。

透明の床のアイテムにOverlap Detector ShapeCubeを付けたアイテムを用意します。

Overlap Detector ShapeCubeのエリア内に入ったプレイヤーにscriptで処理をほどこす

注)ワールドクラフトの初期設定の光の強さは「無」とします。

光の強さは「無」に設定

以下のscriptで、触れた瞬間に重力を反転させ、ポストプロセス(発光)をONにするアイテムが作れます。


$.onUpdate(deltaTime => {
    // 初期化
    if (!$.state.initialized) {
        $.state.initialized = true;
        $.state.overlapPlayers = [];
    }


    // 前のフレームで接触していたプレイヤーIDの一覧
    let previousOverlapPlayers = $.state.overlapPlayers;


    // このフレームで接触しているプレイヤーIDの一覧
    let currentOverlapPlayers = [];


    // 接触しているオブジェクトをすべて取得
    let overlaps = $.getOverlaps();


    overlaps.forEach(overlap => {
        // 接触しているオブジェクトがプレイヤーであるかどうかを確認
        let playerHandle = overlap.object.playerHandle;
        if (playerHandle == null) return;


        // 現在接触しているプレイヤーの一覧に追加
        currentOverlapPlayers.push(playerHandle.id);


        // 前のフレームで接触していたプレイヤーは除外
        if (previousOverlapPlayers.includes(playerHandle.id)) return;


        //ポスプロセスのbloomの設定項目
        const effects = new PostProcessEffects();
    
        effects.bloom.active = true;
        effects.bloom.threshold.setValue(0.5);
        effects.bloom.intensity.setValue(2.0);
  
        playerHandle.setPostProcessEffects(effects);
        
        //プレイヤーの重力を変更する
        playerHandle.setGravity(0.1);

      $.state.Open = true;
  
 
    });


    $.state.overlapPlayers = currentOverlapPlayers;
});

setGravity()の中の数字が重力の向きと強さを表しています。地球の重力加速度が-9.81なので、プラスの数字にすることで重力が反転します!

物理の勉強がこんなところに役立つとはね。

スタート地点に戻る+ポストプロセスOFF

ギミック紹介

このままだと上空の遥か彼方まで飛んで行ってしまうので、物語の終盤に初期位置にワープし、ポストプロセス・反転重量をOFFにするアイテムを設置しています。

上空のゲートに触れると元に戻る

script紹介

前述と同じように、透明な床にOverlap Detector ShapeCubeを付けたアイテムを用意して、以下のscriptを設定します。


$.onUpdate(deltaTime => {
    // 初期化
    if (!$.state.initialized) {
        $.state.initialized = true;
        $.state.overlapPlayers = [];
    }


    // 前のフレームで接触していたプレイヤーIDの一覧
    let previousOverlapPlayers = $.state.overlapPlayers;



    // このフレームで接触しているプレイヤーIDの一覧
    let currentOverlapPlayers = [];


    // 接触しているオブジェクトをすべて取得
    let overlaps = $.getOverlaps();


    overlaps.forEach(overlap => {
        // 接触しているオブジェクトがプレイヤーであるかどうかを確認
        let playerHandle = overlap.object.playerHandle;
        if (playerHandle == null) return;


        // 現在接触しているプレイヤーの一覧に追加
        currentOverlapPlayers.push(playerHandle.id);


        // 前のフレームで接触していたプレイヤーは除外
        // playerHandle.addVelocityの実行には頻度制限があるためその対策、また接触し続けた場合に加速し続けてしまうことを防止
        if (previousOverlapPlayers.includes(playerHandle.id)) return;


        // プレイヤーを初期位置までとばす
        playerHandle.respawn();

        // プレイヤーをの重力を元に戻す
        playerHandle.setGravity(-9.81);

        // プレイヤーをポストプロセスをオフにする
        playerHandle.setPostProcessEffects(null);

    });


    $.state.overlapPlayers = currentOverlapPlayers;
});

さいごに

今回使用したscriptはいずれもclusterの公式記事やユーザーの方の公開情報をもとに、組み合わせたり、改変したりして用意しています。
この記事もclusterユーザーの皆様の創作活動のお役に立てれば幸いです。

お試しあれ!!

いいなと思ったら応援しよう!