掌編いろは/れ「列」

 ピチピチパパチと夜空がやけににぎやかだと思ったら、星たちが整列していた。
 手前の白い星に尋ねると、これから遠足に行くのだという。
 弾ける音は、星が期待に胸を躍らせて点滅している音だった。
 中にははしゃぎすぎて列から飛びだし、流れ星となって寄り道する星もいた。
 そのたびに巨大惑星が星の襟足をひっぱって列に戻していた。
 先導の月がピリリと笛を鳴らし、星たちは出発した。