掌編いろは/え「円」

その円陣は約束のかたちだよ。
いつでもどこでも円陣を描けば、かならず来てやろう。
ただしわたしの身体が通るくらいの円陣でね。

三日月はそう言い残して、闇に隠れてしまった。
ぼくはいつまでも三日月が消えた闇を見つめていた。