アラート

まぁ、しかし、塵のような、こういう出来事(鳴り響くだけのアラート)が人々の経験に記憶され蓄積されていくと、ボディブローの如く、まともに思考するスタミナを削って、とにかく「敵国」をこの世から消し去りたい、というふうに個々の人々の欲望は収斂されていくのだろう。国防という題目に都合良く隠れつつ、あくまで一人ひとり自分の心地良さを最優先した極私な動機でもって、それを阻害するものが世界から消滅することを本気で熱望し始める。戦争は実質的にそうやって個々の願望、大願が集まって始められるのだろう。

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