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田中ヤコブ氏の音楽が好きだ

長い髪ともじゃもじゃのヒゲが印象的な田中ヤコブ氏。

初めて彼を認識したのは、never young beachの配信「The Pentagon Session @ Setagaya Studio」だ。
不可思議な映像作品にピッタリの、ミステリアスなその風貌が印象に残っている。

きっと独特の世界観を持っていて気難しいロックをやってるんだろうな、と人を見た目で判断しがちな私はそう思っていた。

ふわふわした眠たい頭で車を走らせた土曜日の朝、田中ヤコブ氏の音楽に出会った。思い込みの膜を突き破って、彼の音楽が私を揺さぶった。

田中ヤコブ『おさきにどうぞ』
https://music.apple.com/jp/album/the-fog/1529844871?i=1529845089

懐かしくて、切なくて、あたたかい歌が響く。

その歌詞は優しく、だめな自分も許されるようだ。まるで、こちらも上手くいかないけれど大丈夫だよ、一緒だよ。とそんな風に柔らかな光で包んでくれるようだった。

それからしばらくこのアルバムばかり聴いている。

彼の歌声は、楽器みたいに美しいメロディーを紡ぐ。

良い曲ばかりのこのアルバムの中でも『THE FOG』『膿んだ星のうた』『ミミコ、味になる』の3曲が特に好きだ。

思い通りには生きられない自分もしょうがないかと思える『THE FOG』、時々ふと感じる息がつまる感覚をそっと包みこむ『膿んだ星のうた』、明日はもしかしたら大丈夫かもしれないと思える『ミミコ、味になる』。

私は彼のことを何も知らないので、彼の意図するところとは全く違うかもしれない。どんなジャンルかもよくわからない。

だけど、いま彼の音楽を知った喜びをここに記録したいと思う。

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