黄金の国イーラ 所感

ゼノブレイド2のDLCであり前日譚にあたる話。本編を先にプレイしている結末がわかっているだけに進めていくとだんだん辛くなる人もいるかもしれない。

本編ではまだまだ少年の主人公が挫折を味わいながら仲間とともに成長していく王道のボーイミーツガールとなっているが、このDLCでは主人公達は大人であり、大人たちが国を守るためにどのような選択をして、本編での敵がどうして敵になってしまったかが語られている。

全体的な感想を言うならば正直DLCにしておくには惜しいぐらいの完成度を誇っている。システム、BGM、マップすべてがほぼ新規で高水準に仕上がっている。実際このDLCのストーリーが単品でパッケージ版で売られている。本編をプレイする前にこっちを先にやってみるのもまた違った味わいがあっていいと思う。

ゲーム性は前作ゼノブレイドのようにリアルタイムで進むJRPG。プレイヤーは「ドライバー」「ブレイド」というバディを組んでいる。通常攻撃で溜まる「アーツ」というコマンドを駆使して複数のコンボを行い、アーツを何度も使用することで使える必殺技締めることでハイスピードな戦闘を行う。正直説明するのが少々難しいシステムなのが、理解すると直感的な選択が出来るようになり、これが最高に楽しい。連携次第ではある程度格上の敵にもスリリングな戦いをすることができる非常にいいシステムだと思う。

グラフィックスは普通のswitchのゲームといった感じだが、ゲーム自体がアニメ調なので、ちょうどいいと感じた。見える範囲全て行けるといわれているゼノブレイドシリーズだが、しっかりと奥のほうもくっきりと描写されている。ただswitchを携帯モードにすると、マップを端から端まで描写するので、画質が著しく落ちるのは欠点といえるかもしれない。

サウンドはゲームを一番盛り上げているといっても過言ではない。ゼノブレイドシリーズは仲間同士の掛け合いが良い意味でうるさいので、戦闘がめちゃくちゃ盛り上がる。今作も例外ではなく、仲間同士が大声で連携しながら戦闘を行うのは最初はフフッとなるが慣れてくるとあのうるささがないと物足りなくなってしまうほどだ。またBGMは通常戦闘曲が新規のものとなっているのだが、これが個人的には本編を合わせても1番ぐらいに好きだ。最初は緊迫感のある入りから、中盤になると大きな盛り上がりを見せる。正直戦闘曲を聴くためにマップにいるモンスターに喧嘩を売ったことも少なくない。

周回要素ももちろんある。例えば一周目では倒せなかったような高レベルの2つ名モンスターを倒したり、逃したサブクエストをクリアしたりと、1周では遊びきれないボリュームがある。

しかしゼノブレイドシリーズにおいて最も欠かせない要素は壮大なストーリーだろう。ゼノブレイド2の世界観は雲海を泳ぐ超巨大生物「アルス」の上で人や植物、魔物などが暮らすという、聞くだけでワクワクするような王道ファンタジーで、ドライバー、ブレイドのバディが冒険していく物語。それだけでも十分なのにもかかわらず、その世界観を覆すような大どんでん返しのストーリーの続きが気になりすぎて辞め時を見失うのはしょっちゅうだ。ムービーもまるで映画やアニメの戦闘シーンのように目まぐるしく動くカメラワークやキャラクターには目を奪われる。戦闘以外にも仲間たちの葛藤が描かれたりして非常に魅力的だ。今作は前日譚なので結末はわかっていたにも関わらずうるっと来てしまった。

本編→前日譚と来たので、もう一度本編やってきます。

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