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『匿名企画! #環月紅人を倒せ杯 【お題:応援したくなるヒロイン】』の全感想及び投票記事

 表題の通りです。最近は何かしら毎週企画されてますね。

あいさつ

 智子です。今週は何かと詰まっていて、余り浮上出来ていないのですが。じっとりとTwitterを眺めて、倒れる日々を送っていました。

 何かしら面白そうな企画を見つけたので、確認してみます。


企画について

環月紅人が『応援したくなるヒロイン』なら自信があるって言うから、いっちょみんなでぶっ◯そうぜ

企画概要

 いや。しょっぱなから物騒ですね。やはり、何かしらの蛮族の集まりのような猛々しい叫びが聞こえます。

作品レギュレーション:『応援したくなるヒロイン』をテーマに1500文字〜3000文字(空白・改行・ルビを含まない)の二話、三話と物語の継続が見込める書き出し小説。

企画概要

 ああ。短編じゃあないんですね。書き出し祭りに近いレギュレーションのようです。であれば、書き方も自然と定まってきそうですね。

 ファースト10ですよ。

主人公   :その作品の主人公はだれであるのか?
主人公の能力:主人公はどのような能力や特性をもって、課題に対応するのか?
世界観   :その作品のジャンルやムードを確定できる情報はあったか?
異変・事件 :物語が動き出すためのトラブルは確認できたか?
問題・課題 :異変や事件をきっかけとし、物語全体のテーマや。主人公が乗り越えるべき課題などは示されているか?
決意・覚悟 :上記の異変や事件に対して、主人公が決意や覚悟等を示せたか?
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):世界観とも類似する要素であるが。作品をどのように楽しむのか? それを読者に提示できたか?

主人公   :
主人公の能力:
世界観   :
異変・事件 :
問題・課題 :
決意・覚悟 :
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):

 これで読んでみましょうか。

 応援したくなるヒロイン。という要素から考えるに、ファースト10はかなり重要になるだろうと思っています。レギュレーションを見るに『必ずしも主人公である必要はない』とのこともあるので、注意しながらチェックしてみます。

 私の中で「応援したくなるヒロイン」というイメージの中で「ドアマット形式」のヒロインが集まって、苦難を乗り越えていく。作品が集まるのだろうか。と予想しています。

 皆さんの「応援したくなるヒロイン」というのを探っていきます。

感想

 順繰りに感想を残していきます。

01:わがまま令嬢は花火大会を開催したい。

主人公   :わがまま令嬢 伊藤吉江(いとうよしえ)
主人公の能力:親の権力を電話一本で活用しまくる
世界観   :現代を舞台にしたコミカルな世界観。
異変・事件 :花火大会に行きたいあまり花火大会があると嘘をついてしまう。
問題・課題 :意中の相手を射止めるという外的な問題と。彼女自身の力ではなく、親の権力や財力をもとに好き勝手する。といったお嬢様のスタイルへの言及とかも期待できる内的な課題が併存した作品。
決意・覚悟 :権力や財力でも手に入れられない想い人の心を射止める。
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):主人公の親の権力を前借りする形で、花火大会を強行したり、模試をストップさせたり。といった。彼女の出自ゆえに出てくるパワフルな権力乱用を繰り返していくことを示しています。

 面白かったです。

 2978文字ですか。書き出し祭りだったらまだ1000文字の余裕を残すなかで、この情報量です。

 すごく良い書き出しでした。主人公がどんな力を持っていて、どんな課題を有しているのか。

 おそらく彼女はその恵まれた環境や財力を存分に活用して、意中の人を射止めんと振る舞うことでしょう。

 作品をどのように楽しむのか。という点でわかりやすい一作でした。

 こういった風に「主人公の成長や課題」を予感させてくれるセットアップの作品は好きです。

 彼女はいわゆる「生まれも育ちも恵まれたお嬢様」ですね。
 しかしながら、目的を達成するために金を掴ませたり、無理難題を周囲に要求するなど。精神的な課題も見受けられます。

 こういった形で「キャラクターの特性と物語上の課題が組み合わさった作品」はストーリーとして期待してしまいます。

 感想は以上です。

02:お母さん、ちょっと相談なんだけど

主人公   :松田エレオノーラ
主人公の能力:爬虫類系有機人類
世界観   :SF的です。だけど、SF舞台とした青春ものです。
異変・事件 :穂村 流河というヒーローからの接触。
問題・課題 :恋心の話題か。恋を自覚できるお年頃。
決意・覚悟 :不明(いや、恋のために何かしら決意をするのはわかるんですが。お母さんに早く相談しちゃいなさい)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):恋に自覚のある「マイノリティな少女」に絡み倒す「ファンタジックな考えでいっぱいのヒーロー」という二人のカップリングを楽しむ作品です。

 応援したくなる。というレギュレーションを満たそうとしたときに、ヒロインの方がアグレッシブにならざるを得ないセットアップを感じました。

 女性向け作品とかであれば「スパダリ」にめちゃんこ色んなものを「与えられる」要素を満載にしていくんですが。

 ヒーローね。ファンタジックな妄想で頭いっぱいの子ですよ……

 それがヒロインが陥っていた孤独感を埋めていき、好意の発芽となるんですね。

 いや、これは智子だけかなぁ。この作品を読んでいて「共感性羞恥」にめちゃんこ襲われていた「元男の子」達はいないんですか?

 いろんな思い出が去来して、読むのが歯がゆかったです。

 ドラクエの魔法で、合体魔法の名前を叫びながら魔法を打ち合う掃除時間を過ごしていました。

 ロトの紋章の賢王ポロンのせいです。

 感想は以上です。

03:唐揚げは美味しい

主人公   :あたし(華子)
主人公の能力:暴力的な食欲(現代舞台なので主人公の特性ですね)
世界観   :現代もののラブロマンス(勘違いもの)
異変・事件 :彼氏の雄太の気持ちを振り向かせる(勘違い)
問題・課題 :勘違いによるすれ違い。
決意・覚悟 :主人公のダイエットへの奮闘。
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):ラブロマンスの作り方として。お互いにすれ違いをさせる。というのは常套手段であり、その流れに則った作品です。

 ラブロマンスの作品として。基本的なアプローチの作品です。今回の場合は「ヒーローの気持ちがよそに向いている」という勘違いから、ヒロインが、明後日の方向を向いた努力を始める。といった書き出しです。

 定石としては、このあと、様子がおかしくなったヒロインとヒーローが対話を繰り返し、ヒロインの不安を取り除く。というところまでがストーリーラインとして期待できるでしょう。

 1660文字かぁ。この文字数でセットアップってやっぱできるんですね。

 ちょいと気になるのは一人称視点でありながら、一瞬三人称視点として描写するシーンが序盤にあった部分は引っかかりました。

 誰もが幸せになれるお昼休みの時間。
 広げたお弁当に入っていた、九個めの唐揚げを美味しそうに飲み込むと、ちょっとふくよかな女子高生は幸せそうに頬に手を当ててから、肩をすぼめる。

本文より

 短い文字数で表現しようというとき、視点の制限がネックになるときがあります。多分、この表現もそのうちの一つだったんでしょうね。

 感想は以上です。

04:狛犬JKは縁をつなぐ

主人公   :私(名前は不明)
主人公の能力:不明(いや、根性はあると思います)
世界観   :現代ファンタジー。おそらく女性向け作品としてのキャラクターの設置がある。
異変・事件 :血縁関係にない祖母の死から、住まいを失う等の放逐からの「物語に受動的に巻き込まれる」形での狛犬との衝突事故。
問題・課題 :不明(狛犬としての印がなにかしらの物語のキータームになりそうです)
決意・覚悟 :不明(受動的な物語なので、次話、3話といった形で展開されると期待しています)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):あまり、悲観的ではないドアマット形式。アグレッシブな女子高生を主人公に据えた「もふもふ」を魅力の要素として添加しています。もふもふあやかしものですね。

 セットアップにつながるシーンでとどまりました。今後、この作品が「どのような課題に立ち向かっていくのか」という部分までは見えてこない情報量でした。

 当初智子が予想していた。「ドアマット形式」の作品がくるんじゃないか。と予想していたので。読後感としては。「やっぱりドアマットでくるよな!」という納得感がありました。

 難しいですね。受動的な「巻き込まれ形式」の物語の場合って、どうしても文字数がかさむ(主人公の生い立ち)ので、文字数制限のあるレギュレーションのなかでは苦労するかもしれませんね。

 感想は以上です。

05:聖女の双子のじゃないほう〜幼なじみを幸せにしたい少年聖騎士のライバルは幼なじみの双子の聖女〜

主人公   :ローノ(男爵家の息子、三男)
主人公の能力:聖騎士の力
世界観   :ゲームライクなファンタジー世界。現代のエンタメファンタジーとしては珍しくない、スタンダードな世界観です。男性向けのエンタメコンテンツ等においては「一定の年齢で加護等(何かしらの秀でた能力など)を超常的な存在から与えられる」というのは結構馴染みのあるものでしょう。
異変・事件 :アイナの断髪
問題・課題 :断髪をきっかけとしている。物語のテーマとしては「怪力の加護を得たヒロイン」の回復を基軸としている。女神との対話を後々に用意しているとのことなので、加護等の「仕組み」にまで言及刷るのかもしれない。
決意・覚悟 :主人公のローノはアイナに好意を寄せていることを示した。報奨を得て、アイナを妻とする。という動機も示す。
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):ゲームライクファンタジーを舞台装置とした、エンタメのファンタジーのラブロマンス。属性は幼なじみの少年少女。

 3000文字弱でここまでかけるもんなんですね。本家の書き出し祭りでもファースト10が埋まらない作品が見受けられたりするんですが(ちなみに智子は埋まらないで出したりします)。必ずしも項目を埋めることが面白さにつながるとは限らないです。

 エンタメコンテンツの部分でみると、項目が埋まった作品の方が「キャラクター達が何をして、何を楽しむ作品であるのか」が明確な方が印象は良かったりします。

 この作品はその点が明確です。明確ですが。いくらか「世界観を知らねば」飲み込みづらい部分も結構ありました。

 だけど、こういった作品というのは「明確にターゲットが決まっている」場合はさほど気にしなくても良いのだとは思います。

 内的な課題はどこに設置されるんでしょうか。

 この物語の本質的な成長要素って「アイナ」の心持ち次第だとは思うんですよね。

 今まで、遜色なく一緒に過ごしていた「ラニ」との関係性や周囲からの視線に対して、アイナという少女がどう向き合うか。というところが本質的なストーリーラインになるので。その向き合いや対峙に「ローノ」という少年がどう絡むのか。は具体的には見えてこなかったです。

 セットアップを優先する。さらにはヒーロー視点というのもあって、そこに言及していくのは難しい語り手だったと思います。

 ラニの視点も気になりますよね。旅に出る。という決断に対して、幼なじみの主人公達がついていく。という流れもかなり端折っています。おそらくこのシーンを活用することで、アイナの葛藤や、旅立ちへの決意まで触れることはできたんでしょうが。

 それをすると「三人の能力」が開示されない。という尺の都合があります。レギュレーションや、ファースト10による優先される描写の選択の結果でしょう。

 痛し痒しですね。

「エンタメコンテンツ」としてのセットアップや、主人公の目的など開示することによって「意図的に」リーダビリティを確保しようとした秀作だと思います。

 タイトルによるログラインと読後感が一致しているので、届くべき読者に届いた一作であろうかと思います。

 感想は以上です。

06:ストレリチアの勇者 ―今度は私がそばにいるから―

主人公   :私(ニーナ)
主人公の能力:時間遡行の奇跡(テオの日記を読んだことがある。というので、ループものとしての期待感もある。ヒロインの具体的な力は不明)
世界観   :勇者等の話題があるので、ゲームライクファンタジーの世界観。ガラスのコップ等の一通りの文明水準があるので、なろうファンタジーライクな世界観でもあることは推察できる。
異変・事件 :傷ついたテオの登場(主人公が決意する。変化する兆しのエピソードとしてはテオの帰郷ですよね)
問題・課題 :テオが旅の中で、得たであろう精神的な傷との対峙
決意・覚悟 :彼と同じ勇者として、旅路につきそう。
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):ループものとしてのジャンルを本文で示しました。彼が傷つく前にそれらを彼女が排除する。という言外に示された目的が明らかです。

 レギュレーションでみたときに「応援したくなるヒロイン」という要素を考えたら、綺麗に満たした作品ですよね。

 女性を主役とおいた作品は。基本的に「冒険のスタイル」によって、読者層がぱつっと変わってしまうところはあってですね。明確な打倒するべき目標等がある場合は、ヒロイックな冒険につながるものだったりします。

 この作品は「傷ついた男性を癒やす物語」としてのそれであるので、言っちゃえば「男性向け作品」としてのカタルシスや需要があるものです。

 結構大胆な組み合わせであるなぁ。と思いながら、面白く読んでいました。

 しかしながら、タイトルでジャンルや能力の方向性が見えてこなかったので、ループものを好む読者層には届かなかったかもしれませんね。

 面白かったです。

 感想は以上です。

07:わたし、きれい?

主人公   :俺
主人公の能力:ぺらっぺらなそれっぽい言葉とプロデュース力としてのおせっかい焼き。
世界観   :現代もの。エンタメ作品としての世界観です。
異変・事件 :お姉さんになる幼い女の子との出会い
問題・課題 :不明
決意・覚悟 :不明
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):幼い女の子の「これからあたしはお姉さんになる」という期待感や背伸びする気持ちと。それを受け止める周囲の描写の物語です。日常ものに派生するんでしょうかね。


 作品としても、オチがついてる感じもあって「果たして本当にどのように続きが期待できるか?」という部分でみると、続編を期待できる作品のようには思えませんでした。

 やはり「応援したくなるヒロイン」という「レギュレーション」から見たときに「応援したくなる」要素は間違いないのですが。

「どんなふうに応援したいのか?」

「ヒロインにどんな課題が迫っているのか?」

 という部分ではいささか情報が不足している感がありました。

作品レギュレーション:『応援したくなるヒロイン』をテーマに1500文字〜3000文字(空白・改行・ルビを含まない)の二話、三話と物語の継続が見込める書き出し小説。

企画概要より

 レギュレーションでは「物語の継続が見込める」という文言もあるので。この作品のように「たたまれた」場合に、このレギュレーションがネックになってくると思います。

 読み物としては安定感のある筆致であるし、視点や視座も十分な作品だと思いました。

 続くとしたら、どんなふうになるんでしょうね。がらっと視点変えて、幼女の視点から「お姉さんになるには!?」という、奮闘の短編になるのかもしれませんね。

 感想は以上です。

08:やみぷり!~テクノブレイクして悪役令嬢に転生した俺が、推しの正ヒロインを破滅させないために頑張る話~


主人公   :アスセナ(宝羽弘一)
主人公の能力:作中作転生であるので「先のストーリーを知っている」という能力。
世界観   :悪役令嬢のファンタジー世界に転生
異変・事件 :テクノブレイク……智子も気をつけようと衿を正す思いです。
問題・課題 :作中作の展開を回避しようと願う。内的な課題等は主人公にはなくて、ナルキスやリリアの関係性等にフォーカスできそうですね。
決意・覚悟 :推しのヒロインが闇落ちしないようにする。
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):複数の要素やジャンルが絡んだ作品です。悪役令嬢ものであること。転生ものであること。TSものであること。更にはヒロインの初恋の相手としてアスセナが登場しているので「百合」属性のあるカップリングをエンタメコンテンツとしてのアピールもあります。内心は男なので、百合と称するのは厳密には違うのかもですが。見た目が女性同士なので、視覚的には百合です。そんな属性モリモリの中、決められたルートを制御していく話です。

 上でも書いたんですが。属性てんこ盛りじゃないですか。定食屋にふらっと入ったらデカ盛りきたぞ。みたいなインパクトがありました。

 応援したくなるヒロインであるか。というと、智子的にはまだストライクというわけにはならないですが。他の作品にもあったように「不憫なキャラクター」というのは、やはりこのレギュレーションでは出てくるだろうと予想していました。

 この作品もその一つです。印象ぶかかったのは「ナルキス」に対しての態度も「全方向のキャラクターを幸福に導こうとしている」という方向性が見えたのも良かったです。

 タイトルでログラインがわかるので、ターゲットも明確です。ちゃんとこういう明確な作品は匿名企画で強いと思っています。

 感想は以上です。

09:弟子になりたいと願う子へ

 ああ。この作品はファースト10で捉えるのが難しい作品かもしれません。

主人公   :キュリエ
主人公の能力:人間とは思えない力や能力の持ち主である
世界観   :ファンタジー世界観
異変・事件 :不明
問題・課題 :不明
決意・覚悟 :弟子入りするため
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):キュリエの視点だけでは完成しない。師匠であるディートリスも含めて、彼女の設定が補完できる。

主人公   :ディートリス
主人公の能力:世界最高の魔法使い
世界観   :ファンタジー世界観
異変・事件 :キュリエがディートリスを認識する。
問題・課題 :キュリエという規格外の人物を矯正し、導く
決意・覚悟 :力を導くものとして、メンターとしての振る舞い
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):規格外のキュリエの指導者、制御するものとしてディートリスが存在する。彼女の高い能力とそれに驚くといった師弟ものに近い楽しみ方が期待されます。

 ヒロインの設定自体を「抜き」で描写しています。彼女がどうして魔法使いに弟子入りしたいのか。など、物語の根幹となる「動機」の部分をすっ飛ばして、到達点だけを示す序盤のシーンがあります。

 そんな彼女を指導し、面倒を見ているディートリスの設定が後半に示されています。

 この部分を読んだとしても「キュリエ」の設定自体は外面的に補完されるだけであり、今後の展開のなかでキュリエの心情や、動機の発足等が明かされることを期待できる描き方でした。

 面白いセットアップでした。

 メンターヒーローの話題好きなんですよね。個人的な嗜好のラインだけですが。傾斜配点があります。だって、メンターヒーロー好きなんだもの。

 選ぶのに困りそうです。

 感想は以上です。


10:ドジっ娘白桃さんは何かを伝えたい


主人公   :僕(佐野くん)
主人公の能力:鈍感系主人公
世界観   :ラブコメとしてのムード
異変・事件 :不明(ラブロマンスなので、すれ違った時点では発生しようがない)
問題・課題 :不明
決意・覚悟 :不明
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):僕の視点だけでは、情報を「類推」する形の要素になる。ヒロインがドジっ娘であるというところから「ドジ故にラブロマンス空間が展開しない」という「障壁」を作り続けることで「すれ違い」を期待させる構成。

 学生のラブコメとしての提案です。「僕」の視点ではありますが、私達読者は「ははあん。白桃さんは、佐野くんにほの字なんだなぁ」と察しがつきますが。「僕」がそれに簡単に気付いてしまうと、ラブロマンスのじれったい空間がRTAの速度でぶち壊されるので、白桃さんのドジっ娘属性で全力で引きのばす。といった、神様の運命(ラブロマンス空間の作者の意図)を感じています。

 告白が通ってしまったとき。僕はどう答えるんでしょうね。ラブロマンスの障壁となりうるような、課題が佐野くんに仕込まれていそうな気がします。

 ちなみに智子が女性に「ちょっと時間作ってくれる?」なんて言われようものなら、婚姻届を持参してその場に向かう位には夢に溢れた少年でしたから。こういった「鈍感」な主人公が、作劇上の都合そうなっていることは理解しているんですが。あまり馴染まないタイプの読者だったりします。

 あんな美人に呼び止められたら! ドキがムネムネですよ!

 感想は以上です。

11:この身長差と恋心は、追い越させないっ


主人公   :私(ふーちゃん)
主人公の能力:身の丈6尺(180センチ)を超える抜群の上背
世界観   :現代もの
異変・事件 :私から告白をする
問題・課題 :意中の相手から「身長を抜く、抜かない」による条件付け
決意・覚悟 :タイトル回収。身長を追い越させない。
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):ラブロマンスって「告白して、お互いが付き合うよ」というところまでを楽しむものだったりするんですが。さくっと告白して、特殊な状況下に場を追い込むことで、展開をさせていくこともありますよね。今作はその方向性の作品であって、身長を抜かせないことで、私の目的が達成できる。ということなので、案外もりもりと男の子が身長を伸ばして、ハラハラドキしちゃう女の子の話とかも予想しました。

 面白いセットアップでした。

 ボディポジティブという考え方があるんですが。似たようなテーマを取り扱った作品が他にもありました。『02:お母さん、ちょっと相談なんだけど』と『03:唐揚げは美味しい』の二作品でしょうか。

 実は「応援したくなるヒロイン」というレギュレーションの中で考えたときに、ルッキズムとか。パートナーとの釣り合いとか。そういった部分の葛藤を「一体感」として作品に盛り込むものがあるだろう。とも予想していました。

 この作品も「ボディポジティブ」の概念に類する作品ではあるんですが、さらにもう一捻りいれてきた感があります。

 宮坂くん。君は身長が伸びるんだろうけど、やっぱり彼女を手放したくなく成っちゃうんだよ。わかってるよ。悔しいからこんなこと言っちゃったんでしょ。ああ、存分にすれ違いなさい。

 それがラブロマンスであります。

 感想は以上です。

12:江戸っ子異端児の俺、舶来落語天女にブッ刺されました(はぁと)

主人公   :俺(矢原木弥太郎)
主人公の能力:落語に詳しい高校生
世界観   :現代もの
異変・事件 :落語好きのヒロインに目をつけられる
問題・課題 :厭世的であるヒーローとアグレッシブなヒロインの交流等、対立が予想されます。
決意・覚悟 :不明(まだ、物語の全体像が見えてこない。匂わせ程度でしょうか)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):主人公の設定やヒロインの設定に抜きがあるので。物語の進行とともに、お互いのバックボーンが開示され、価値観のすり合わせが起きるなど。ヒューマンドラマに寄せた作品になりそうです。

 応援したくなるヒロイン。という像を考えたときに「設定に抜き」を持たせて、読者に興味を持たせる演出が効果的であるかどうか。というのは、色々と意見が分かれそうです。

 さらには、主人公が抱えるであろう「内的な課題」に関する匂わせなども、エンタメコンテンツとの相性が悪そうに思えます。

 物語の構成として「対立」を予想できるセットアップは期待感がありますよね。

 落語ものかぁ。徂徠豆腐が好きです。

 感想は以上です。

13:異世界転移〈偶像英雄〉PASTEL RAINDOW GIRLS〜グループが解散確定した7人のアイドルと108人のファンたち〜

主人公   :桜木火音
主人公の能力:アイドルにまつわる諸々のスキル
世界観   :異世界転移、召喚の世界観。スキル等が存在するのでゲームライクな世界観であることを期待できる。しかし、全体的な世界観の描写がないので「いわゆるナーロッパ的」かどうかはまだ判断できない情報量。
異変・事件 :異世界に転移する。
問題・課題 :不明(物語上示される課題は未知数)
決意・覚悟 :不明
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):多分ですが。アイドルとしての活動や能力によるものを期待できるセットアップだったと思います。だけど、具体的に「これから何をするのか。なにを求められるのか。どのような活躍を期待されているのか?」までは見えてこなかったです。推測はできるんですがね。

 異世界転移に関わる作品というので、転移前の状況やフラストレーションにかかるものと有機的なつながりをもたせた作品であることは明白です。

 一人だけ、アイドルという目標への高い意識があるのが主人公であり、周囲が主人公ほどの熱意を持っていないことに落胆をしている。というのが序盤に描かれました。

 このシーンを提示したということであれば、今後の展開についても「周囲との温度差」をテーマとした、衝突やストレスにヒロインが向き合い続ける。ということを予想できる、十分なセットアップだったと思います。

 智子はアイドルになろうとしたことはありませんが。集団で向かう目標との温度差について、落胆するという気持ちは十分わかります。

 あれこたえるんですもんね。この最初に示したムードを最後まで貫き通してくれるのならば、強い興味を持てる作品でした。

 アイドルの後ろのスキルが空白なのは興味深いですよね。今後の彼女の選択がスキルを確定させるということなのかもしれません。

 感想は以上です。

14:女嫌いの宰相さまから無茶難題を要求されました ~新人文官ですが、一ヶ月後にはクビ!?~

主人公   :マリアン
主人公の能力:不明(能力の発揮までは本文では示されませんでした)
世界観   :異世界を舞台としたお仕事もの? でしょうか。男女雇用機会均等。など、現実社会においても「女性の社会進出」が声高に叫ばれて久しい現代です。その現代の価値観を流用する形で「社会的に望まれる女性の新しい活躍」として、ファンタジー世界にもそれらを舞台装置とした作品が存在します。そのジャンルの一つかと思われます。
異変・事件 :宰相補佐官の辞令書
問題・課題 :宰相から与えられる「最初の試練」など。まだ、語られていない領域で大きな課題等が存在するのではないか。主人公を積極的に登用した理由もそこにあるとか?
決意・覚悟 :課題に対して前向きに対処する
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):女性向け作品。有能な女性官吏としてのサクセスストーリーを期待する要素があります。あわせて、ヒロインを取り巻くヒーロー達との関係など、サブテーマ的にラブロマンス等の期待感も寄せることができそうです。


 今では暇人となって、ぺろんぺろん暮らしている智子ですが。
 かつての智子は忙しく、昼も夜もなく、条例の作成案や、予算案の作成、決算資料の準備、答弁資料の準備や、議員達の突然の質問に答えるために議会答弁をイヤホンで視聴しながら、市民の窓口を対応するなど。今思えば「よく働いていたな」というくらいに働いていた智子です。

 そんな智子からすると、ファンタジー世界での文官や官吏のお仕事ものというのは、胸が痛くなるようなテーマです。

 法案についてもそうなんですが。法案って色々あるんでしょうが。なんのために法律を作るのか。という部分でして。

 必要に迫られて。なのか。なにかの変化を促すため。なのか。

 その部分のディテールも細かく描くことで、より「お仕事もの」としての精度や、読者への訴求力が高まったようには思います。

「そのための最初の試験を行う。ちょうど一ヶ月後に御前会議が開かれる。その際に確実に通る法案を一つ作成せよ」

本文より

 ここが結構ふわっとしてて「なにか問題があるから法律の作成をするのではないの?」という部分がひっかかるところではあります。

 むしろ、その「法案の作成」に関して、各種有力者達とのコネクションであったり、必要とされている政策へのヒアリング能力であったり、そういった全体的な「マネジメント兼プロデューサー」としての能力を見ようとしているのか。

 まだよく見えてこない段階ではあるので。「ヒロインがどのような理不尽に立たされているのか。逼迫感や切実さ」が見えてこない感はあると思いました。

 文官の物語かぁ。政治的な構造的な利潤とか、既得権益を切り崩したりとか、貴族たちに嫌われる法案を作り込んでみたりとか。それで実家と対立するとか。

 なんか、いろいろ広がりが期待できる作品なので、個人的には好きなジャンルです。ジャンルとしての方向性や強みがもっと全面に出ていれば、印象が大きく変わった作品かもしれません。

 ラブロマンス要素強めとして、組んだ作品なんでしょうね。

 感想は以上です。

15:花の香りのその人は〜怪異調査対策室清掃係業務レポート〜

主人公   :那子
主人公の能力:鋭い嗅覚(超常的な穢の話題)による死の予期。ちょっと乱暴なイケメンヒーローの干渉により、視認も可能となる。
世界観   :現代ファンタジー。怪異等の話題。
異変・事件 :彼女の能力に言及される(壁ドン!)シーン。
問題・課題 :不明(怪異調査対策室清掃係の存在意義とかにふれると作品の大テーマにタッチすると思います)
決意・覚悟 :不明
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):ダイジェストみたいな作品ですよね。主人公の能力。能力による孤立。能力故に「怪異調査対策室」に見出される。といった形の「ヒロイック」でありながらも、受動的なスタイルによる物語です。最後の転調してからムードの変化も、作品のイメージにつながったと思います。

 主人公のバックボーンに絡む話題から、能力の描写等はオカルトの側面から強い圧のある描写を繰り返していました。しかし、彼女が能力を見出されてから、新しい環境に取り込まれているシーンがダイジェストで説明されますが。なかなか「楽しげ」な叫びが聞こえています。

 作品の中で「緩急」を持たせていること。ムードが二つあること。など「作品の説明書」とでもいうように、丁寧にまとまった書き出しでした。

 書き出しとしてみると、この方法は結構高い効果があるんじゃないかな。とうなりながら読んでいました。

 というのも。物語の構成自体が「ヒロイック」な要素があります。そして、ヒロインを取り巻くイケメンヒーロー(ちょっと乱暴な感じ。だめよみんな。ああいうのはイケメンだから許されるの。襟を正しなさい)の設置といったように。キャラクターの設置自体は、女性向け作品としてのそれなんですが。物語の立たせ方(何かしらの実質的に害を成す存在。能力を通して討伐するなど)が、男性向け作品としてのヒロイック・ファンタジーに近い要素があります。

 さらには「応援したくなるヒロイン」というレギュレーションから考えたときに、彼女が抱えているであろう「能力故の孤立感」などを前半に示したことも、その要素を強くしたと思います。

 智子が全感想をしている理由っていうのは。

「みんなはどれに投票したくなるだろうか? それを分析できれば、智子の糧になるんじゃないか?」

 という、非常に下卑た発想であるので、この作品の票の行方が気になります。

16:怒涛のくのウィッチ

こいつは。ファースト10を二つ整理した方がいいかもしれませんね。

主人公   :オレ
主人公の能力:魔法生物(魔法少女モノとしての主人公を誘導し、戦いに導くあのキャラクターですよね?)として、しのぶの戦いをサポートする。
世界観   :現代ファンタジー。くノ一など忍術もあるっぽい。
異変・事件 :不明(彼は成長する要素のあるキャラクターではない。むしろ、導くメンターとしての存在だ)
問題・課題 :不明
決意・覚悟 :不明
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):復讐に燃えるヒロインが、前向きに魔法少女生活を実践していく。くノ一という「忍者」としての属性と「魔法少女」という属性の2つをかけ合わせた作品です。

主人公   :しのぶ
主人公の能力:魔法少女(修行中)と忍者としての抜群の運動神経によって、敵対者をパワーで殴り飛ばす!
世界観   :現代ファンタジー
異変・事件 :紅蓮のマジオール(姉)の死。
問題・課題 :世界にちょこちょこ現れる敵対者(ゴブリン等)の排除。
決意・覚悟 :魔法少女になる。
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):同上

 勢いがある作品ですね。この企画のレギュレーションにあたり「非業のヒロイン」像は出てくるだろう。とも思っていたんですが。そのタイプの作品です。

 魔法少女と忍者。

 盲点でしたが。その組み合わせは考えたことがなかったです。

 書き出しというセットアップで考えるときに、色々と情報が不足している感は拭えないんですが。これも「読者の知性」に委ねた書き方だとは思います。

 そもそも、しのぶを含めた。彼女たちが「どうして魔法少女」やってるんですか?
 とかいう。疑問は湧きます。だけど、もうそういうもんなんですよ。おそらくですね。書き手の方が私達に見せたかったのは「魔法少女とくのいち。くのウィッチ」絶対面白そうだろう!?

 といった、ワクワク感が伝わる作品でした。面白そうです。

 物語上の目的が明確なのも、細かいディテールをふっ飛ばして、物語の方向性をがちっと示してくれたように思いました。

 タイトルの話題もあるし、ヒロインの前向きさ。ヒロインのバックボーン等も含めて、レギュレーションに寄せてきたな。と感じる作品でした。

 感想は以上です。

17:王立ギルド受付嬢のシラモチさん


主人公   :カガミ=シラモチ
主人公の能力:王立ギルドの受付。裏方仕事の方。
世界観   :なろうファンタジー。ギルドや冒険者等の「読者たちの間で共有できる世界観や設定」を土台にしたファンタジー。人の恋路を眺めるラブロマンス。いや、これなんてジャンルで言うんでしょうねぇ。
異変・事件 :不明(推すきっかけになったイベントはあるでしょうが。本文では割愛されています)
問題・課題 :リカという恋するヒロインの好意にきづかない、ヒーロースザクの存在。
決意・覚悟 :リカとスザクのカップリング成就のために努力する
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):いやもう、明白ですよ。推しを推す。誰かを応援することを楽しむ形式の作品です。いやぁ。ええ。新ジャンルじゃない? 誰か有識者を求めています。

 この構成みたことあるぞ……

 恋するヒロイン。ないし、これから恋するであろう人たちを壁から眺めるという奴ですよ。

 さてはこの方式で、味をしめた人たちがいらっしゃるぞ。ちなみにこの作品をお書きになった二人は今回も参加しているようです。壁作家と認定します。

 ともあれ。

 読み物としても非常に配慮に満ちた作品です。めっちゃ面白かったです。なによりも「現地民」視点である部分から、冒険者たちのバックボーンが見えてくるような語りも楽しかったです。

 こういうのは「技巧」としてのそれであるので、あんまりそういった部分を気にしないタイプの読者ですが。上手に書かれているので触れています。

『ショーン=ジョマンガ』の存在が、次の舞台や物語上の誘導がされていて、次話がある。とわかれば、迷いなく続きを読むタイプの作品でした。

 感想は以上です。

18:自称『ヒロイン』な隣の席の廣田さん


主人公   :僕
主人公の能力:モブ
世界観   :現代もの。もしくは「現代を舞台とした作中作」の話。この作品の一番の弱点は「世界観が確定していない」ことだと思います。
異変・事件 :不明(まだ物語の異変は始まっていない)
問題・課題 :不明(モブとしての領分でしょう)
決意・覚悟 :不明
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):描写の注目の要素自体は「男性向け」作品としてのものはあります。作品のジャンルが2つに分かれます。ヒロインの狂言である場合。ヒロインがどうしてそのような狂言を放っているのか。どのような課題を持っているのか。それに対して「モブ」がどのように介入するのか。といった部分で、文芸枠のヒューマンドラマにもなり得る作品です。そして、ヒロインが放言している内容は全て真実であり、その問題自体に「モブ」として介入することを期待する作品です。この2つに分岐できてしまう状況は、読者の獲得に不穏さを残したと思います。


 怪作。すごい作品ですね。一つの企画として作品が並んでいるのを考えたときに。頭一つ飛び抜けた作品であろうかと思います。

 だけど、票は集まらないと予想しています。

 ターゲットが不明であるし、今後のジャンルに対しての「約束」等が見えてこないというのはネックだと思います。
 おそらく、この書きぶりは、持ち得ている作家性の一つだと思うので。このスタイルは崩さずに書き続けて欲しい。と思いました。

 エンタメとして寄せるならば、どちらのルートかに確定させる異変や事件まで放り込むのが良かったかもしれません。文芸枠として出すなら、この塩梅で成功かもしれません。

 続き読んでみたいですね。

 感想は以上です。 

19:助っ人ハーフ美少女クレアはどうしても忍びたい


主人公   :僕(望月颯太)
主人公の能力:雑務を極限に集中して人の数倍の早さ・正確さでこなす事ができる(これが今後の鍵になるんでしょうかね)。「目標に向かって情熱を持ち直向ひたむきに進む人が大好物」という嗜好。
世界観   :現代もの(ファンタジーではない)。男性向けラブコメ作品としてのムードでした。
異変・事件 :ヒロイン、三雲クレアが忍者を志していることを知る。
問題・課題 :不明(忍者を志すうえでの障壁はまだ見えてこない。そもそも忍者になるとは、何を持って忍者となるのか)
決意・覚悟 :三雲クレアが忍者となるために強力をすることを決意する(彼女とお近づきになるという下心もある)。
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):男性向けラブコメ作品としての提案です。忍者になる。現代ファンタジーで「忍者」です。とかいうエンタメはあるかと思うんですが。ファンタジー要素を抜いて「忍者になりたい」と目指すヒロイン像です。忍者ロードの爆走に伴い、二人の距離感が縮まるなどラブコメとしての展開が期待されると思っています。

 忍者ですか。外国では忍者は大人気って伺ったことはありますが。ヒロインもそういった影響をうけた方なんでしょうね。

「実は智子も忍者ですからね」

 飲み屋で知り合った外国人にそのように申し上げると、たいていは喜んでくれます。あれは喜んだ振りをしてくれる。というリップサービスだったかもしれませんね。

 疑問としては。「三雲クレア」はどうして、そんな山中で偶然にも「僕」と会ってしまったのか。

 実はこのイベントも何かしら、ありそうですがね。気になるなら続きを読みんしゃい。ということでしょう。

 感想は以上です。

投票に関して

 毎度のことですが。投票の前に。「上位」になるであろう作品を予想していきます。

 とは言っても。今回の企画も予想が難しいですね。

 参加者が19人ということは。作者による票は19人分は確定です。

♢参加者の方は、必ず投票にご参加ください。
匿名投票ですが、主催との対決という形式を取るため、自作品への投票は推奨致しません。
投票した作品を公開するかどうかは読者様方のご判断にお任せします。

投票について

 推奨されない。とまであれば。おそらくレギュレーションに従い、自作への投票を控える方が多いでしょう。となれば、自作と「似たような傾向」の作品があれば。その作品で票が流れあうんじゃないかな。

 こういうので、すごく大事なことは。

「作者じゃない。読み手の方の投票がどれくらいあるか」という部分です。

 一般の読者のアンテナを拾い上げていきたいので、企画の参加者や興味のある方には積極的に拡散をお願いしたいところです。

 しかしながら、タグの名前が  #環月紅人を倒せ杯  となります。タグがあれば、検索は容易なんですが。皆さんが「タグなし」の検索避けでどのようにつぶやいているのか。それが観測し辛い企画名であることは、いくらか拡散性に陰りがあるように思います。

 智子がなにか企画をするっていうことは考えてはいないんですが。皆さんがいろんな作品をご用意するなかで「作品の略称」まで用意する。といった、戦略の重要性がわかった気がします。

 PV数や閲覧数も確認しながら、予想を立ててみます。

集計期間

2024年6月1日12:29 から
2024年6月19日19:04 まで

「タイトル」順

 前半が多いのは、位置取りとしてのバフもあるかとは思います。いいね数とPV数が桁が違いますよね。うーん。どう見るべきか。

 いきなり身も蓋もない話をすると。
01:わがまま令嬢は花火大会を開催したい。』と『02:お母さん、ちょっと相談なんだけど』は完成度が段違いなので、最初の二作を読んで「ああ、投票先決まった」となった人もいてもおかしくない一番槍でした。だから、この歪なPV数になってんじゃないかなぁ。なんて思っています。

 注意したいところは「PV数」だけが評価軸にはなりえない。というのがあります。注目したいのはPV数といいね数の相関が大事なんじゃないか。と思っています。

 いいね数をPV数で割る。ことによって、読者が反応した割合を数値化しました。


 それで並べてみますね。

「いいね数/PV数」順

 なるほど。こんな感じなんですね。

女性向け作品

 注目したい作品があります。

 『04:狛犬JKは縁をつなぐ』です。

 ドアマット形式の結構ハードな設定と、もふもふ等のあやかし等を織り交ぜた形で「女性向け作品」としての形式や、アプローチの舞台設定でした。こういった匿名企画のときには、女性向け作品はけっこう強いイメージがあるんですが。この割合をみるに。「女性読者の反応が集まっている」とも思いました。

 そもそも。女性向け作品としての傾向がある作品は、智子の判断軸では四作( 04:狛犬JKは縁をつなぐ 

   14:女嫌いの宰相さまから無茶難題を要求されました ~新人文官ですが、一ヶ月後にはクビ!?~ 

   15:花の香りのその人は〜怪異調査対策室清掃係業務レポート〜 

   17:王立ギルド受付嬢のシラモチさん )程度であったので、この四作が女性向け読者の票が集まりあうんじゃないでしょうかね。

 いやあ。『11:この身長差と恋心は、追い越させないっ』も女性向けに該当しそうではあるんですが。どうだろう。男性キャラクターの描き方や動機づけが女性向けっぽくはあるし、アグレッシブさも……いや、ターゲットは女性読者かも。この作品も色つけときますか。

 いろいろ考えても仕方ないので、ここらへんで。

男性向け作品

 投票が割れるかもしれない。という男性向け作品としてタイトルを青で色付けてみました。

 エンタメコンテンツって、男性向け。女性向け。両性向けの三種類があると思っていて、こういった匿名企画であるときに。上位にひょっとのぼってくるのは「両性向け」のコンテンツです。だって、男性も女性もどっちからの得票も見込めるからです。

 これらの部分から、勘案するに。

 決めました。

順位の予想

1位予想:『01:わがまま令嬢は花火大会を開催したい。


 位置取りのバフもあるんですが。学生のラブロマンス空間というのを基調にしつつ、わがまま令嬢のエンタメ性が爆発しています。おそらくですが、彼女の恋は「うまくいかない」というのを多くの読者が感じ取っています。その「予想」させてくれるセットアップや舞台装置は、エンタメ作品として仕上がっていました。おそらくですが。作品が一番目に並んでなかったとしても、どこにいても1位票をもぎ取ってこれたんじゃないかな。とは思います。

 この作品のテイストとして考えたら、男性向けにも女性向けにもどちらの視座にたっても、楽しめる。エンタメ作品として高い水準にあると思いました。

2位予想:『06:ストレリチアの勇者 ―今度は私がそばにいるから―

 視点が女性キャラクター視点であることから、女性向け作品というふうに視られる向きがあろうかと思います。思いますが、本質的には男性向け作品にもなり得る作品構成であるため。どちらの読者の票も獲得できる作品だと思います。ネックなのはPV数が伸び悩んでいることです。今後の作品を進めていくうえで「能力」を示せるようなタイトルのプッシュが薄いことは、ターゲットへの訴求にいくらかかげりが生じていると思います。この作品は「時間を巻き戻すタイプ」の作品であるため、それらの強みをタイトルで示せたなら、多くの票が期待できそうです。

3位予想:『02:お母さん、ちょっと相談なんだけど

 位置取りのバフも結構恩恵がある作品だとは思います。元男の子の智子からすると、共感性羞恥に襲われますし、身悶えするような作品ではあります。ヒロインが「見た目」の問題から、マイノリティとしてのストレスを吹き飛ばすヒーロー像は、フィクションとはいえ、応援したくなる要素のキャラクターだと思いました。

智子の投票

 どうしましょうかね。どういった評価軸でみますか。

 続きが期待できるもの。物語的な部分であったり、抱えている課題についての葛藤が予想できる「ドラマ」性を重視したいですね。書き出し祭りの投票でもそこは十分な魅力として捉えている向きがあります。

1位票:『01:わがまま令嬢は花火大会を開催したい。

 ここは外せないですね。べらぼうに面白かったです。外的な課題と内的な課題に期待される両輪ががっしりしています。私達が応援したくなるキャラクターというのは。

「目的を達成する」

 ということだけじゃないんです。目的を達成するなかで、様々な葛藤や成長要素を期待できる「ドラマ性」に投票したくなると思っています。

 彼女の魅力は彼女の欠点にもなる。そういった二面性を序盤からスパンとしめした強い作品だと思いました。

2位票:『13:異世界転移〈偶像英雄〉PASTEL RAINDOW GIRLS〜グループが解散確定した7人のアイドルと108人のファンたち〜

 情報量としてみると。少々不足の感はあります。それは登場人物が多く、メインとなるキャラクター達との葛藤等もテーマになるからでしょう。一人だけ熱意が違う。向かう方向に違いがある。そういった部分で、物語のテーマを据えて、書いてくれる。というアピールのように捉えた作品です。
 内的な課題の方向性も見えてるので、似たような性質の作品はありましたが。その中でもピックアップできたのが。この作品でした。

投票候補

 おしくも。なくなく投票から外した作品の名前を上げていきます。

05:聖女の双子のじゃないほう〜幼なじみを幸せにしたい少年聖騎士のライバルは幼なじみの双子の聖女〜

 いやあ。ヒロイン視点が読みたかったなあ。おそらく、そこがあれば。智子好みの精神的な課題との兼ね合いができた作品になったとおもいます。おもいますが、それをすると「エンタメターゲットが求めるスピード感」に沿わなくなるので、仕方なかったと思います。設定や、セットアップ自体にドラマを期待できる作品でした。

12:江戸っ子異端児の俺、舶来落語天女にブッ刺されました(はぁと)

 智子は落語好きなんで、興味はありました。感想でも述べたところですが。キャラクターの設定に抜きを作ることで、読者への興味を高めようとした演出の作品であろうかと思いました。個人的には好きな演出でもあるので、興味深かったのですが。「限られた文字数で作品の魅力を余すところなく伝える」という演出でみたときには、まだ情報量が不足しているように感じたため。他の作品に投票を優先しました。
 思い切って、ざくっと。設定に踏み込んで書いてもよかったんじゃないかな。とは思います。

14:女嫌いの宰相さまから無茶難題を要求されました ~新人文官ですが、一ヶ月後にはクビ!?~

 設定自体は好ましいものでした。官吏や文官に関するこまごまとしたお仕事ものは智子の経歴やキャリア的にも、強い一体感とともに読み進めたい作品でした。おそらく、二話、三話と続けて読むことで作品の世界観や、バックボーン。テーマが開示されていくものであろうかと期待しています。一話ではまだ、その魅力全体が見えてこなかったため。他の作品を優先しました。

17:王立ギルド受付嬢のシラモチさん

 めちゃんこ面白かったです。続きも読みたくなります。しかし、智子が求めているのは「ドラマ」であって「メロドラマ」ではないのです。それらの成就の際に、観測者自身にもドラマや葛藤があってほしい。あと、ぽっちゃりした女性大好き。投票したかったよ。ええ。だけど。二票しかないんだ。諦めたし。

18:自称『ヒロイン』な隣の席の廣田さん

 感想でも散々述べました。ジャンルが分かれてしまう。ジャンルが確定されたら、投票の優先度がぐんっと上がったと思います。どっちなんだろうな。文芸だったら文芸で、ヒロインの狂言に迫る等もめっちゃ面白そうな作品です。ヒロインの言葉通りの世界観だったとしても、それはそれで楽しめる要素です。どっちになるのかわからない。この曖昧さが、投票をいくらか逃すのではないか。と予想しています。


投票先保存

 皆さん投票しましたか? 智子は投票します。

あい、投票しました!

さいごに

 私事で、色々と立て込んでいたので。触れることができるか怪しい企画でしたが。なんとか、触ってみることができました。

 応援したくなるヒロイン。智子の場合は「キャラクター」ではなくて「物語に伴うキャラクターの葛藤や成長」を期待できる作品に収束しました。

 皆さんはどんなヒロインを応援したくなりましたか? 好きな作品について、ほうぼうつぶやいてみてください。



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