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オーストラリア日本語教師奮戦記134再び「クオッカ」

イマニュエルカレッジ日本語教師2年目。Year 11 日本語クラス。大学受験学年1年目の生徒たちは大学入試の語学科目を日本語で受ける。イマニュエルカレッジで日本語の勉強を始めてから、前任の先生の指導を含めて今年で4年目になる。ひらがな、カタカナはもちろん漢字の読み書きもかなりのレベルのものをマスターしている。ただ、少し込み入ったことになると、特に話したり、文章を作ったりするときに苦労するようだ。

今年から授業の初めの10分間、自分たちの身の回りのことを題材にして質疑応答をすることにした。テキスト授業開始前の予備練習として大いに役立つことを期待していた。私の方から話題を振ることもあれば、生徒の方から問いかけてくることもある。その中で出てくる難しい言い回しや単語の確認などが、生徒たちの日本学習の進み行きにプラス効果をもたらすことを期待していた。話題は3週間連続で「コアラ」。そしてその後2週間は「カンガルー」。先週は「ウォンバット」。今週は「クオッカ」。カンガルーが話題になったとき、ワラビーの仲間の中に「クオッカ」の名前が出たのを覚えているが、それが再び話題になるということは、何か理由があるのだろうと思っていた。生徒たちからどんな話が聞けるのか楽しみにしていた。

生徒たち:S 私:K
S: ARAISENSEI KONOMAE KANGARUUNOKOTOO HANASHIMASHITANE
(アライ先生 この前 カンガルーのことを 話しましたね)
K: HAI SOODESHITANE NAZEDESUKA
(はい そうでしたね なぜですか)
S: KUOKKANOKOTO OBOTEIMASUKA
(クオッカのことを 覚えていますか)
K: IIE YOKU OBOETEIMASEN
(いいえ よく 覚えていません)
S: KUOKKAWA SEKAIDE ICHIBAN SHIAWASEDESU
(クオッカは 世界で 一番 幸せです)
K: SEKAIICHI SHIAWASEDESUKA DOOIUKOTODESUKA
(世界一 幸せですか どういうことですか)
S: HAI KUOKKAWA WARAUKAOGA TOTEMO KAWAIIDESU
(はい クオッカは 笑う顔が とても かわいいです)
K: WARAUDOOBUTUGA IRUNODESUKA
(笑う動物が いるのですか)
S: HONTOONI WARAUWA WAKARIMASEN DEMO KUOKKANOKAOWA ITUMO WARETTEIRU MIEMASU
(本当に 笑うは わかりません でも クオッカの顔は いつも 笑っている 見えます)
K: WARATTEIRUYOUNI MIERUNODESUNE
(笑っているように 見えるのですね)
S: HAI TOTEMOKAWAII NINKIMONODESU
(はい とてもかわいい 人気者です)
K: SOODESUKA MITEMITAIDESUNE DOKODE MIRAREMASUKA
(そうですか 見てみたいですね どこで 見られますか)
S: HAI NISHIOOSUTORARIADESU
(はい 西オーストラリアです)
K: PAASUGAARU TOKORODESUKA
(パースがある ところですか)
S: HAI SOODESU PAASUNOCHIKAKUDESU ROTTONESUTOSHIMA NIIMASU
(はい そうです パースの近くです ロットネスト島 にいます)
K: SHIMADESUKA DONOYOONISHITE SHIMAEIKIMASUKA
(島ですか どのようにして 島へ行きますか)
S: FERIIKA HIKOOKIDE IKIMASU 
(フェリーか 飛行機で 行きます)
K: KUOKKANO SHASHINO MOTTEIMASUKA
(クオッカの 写真を 持っていますか)
S: IIE IMAWA MOTTEIMASEN TOSHOSHITUNI ITTEKUDASAI SHASHINGA MIRAREMASUYO
(いいえ 今は 持っていません 図書室に 行ってください 写真が 見られますよ)
K: SOODESUKA KYOONO RANCHIYASUMINI ITTEMIMASU
(そうですか 今日の ランチ休みに 行ってみます)
S: HAI TOTEMOKAWAIINODE ODOROKUTO OMOIMASUYO
(はい とてもかわいいので おどろくと 思いますよ)

クオッカは主にロットネスト島という、西オーストラリア州パース付近の島に生息している。パース中心部から西側およそ20kmのところに浮かぶロットネスト島。パースからロットネスト島へは、フェリーまたは小型飛行機で行くことができる。白い砂浜のビーチ、ピンク湖などの絶景ポイント、歴史を感じる沈没船など、見どころも満載。

クォッカの住む島として、政府による手厚い自然環境保護が行われており、一般車両の乗り入れは禁止されている。島内での交通は主に巡回バスや自転車などになる。オランダの探検家Willem De Vlaminghがロットネスト島に上陸した際、クォッカのことをネズミだと勘違いし、ネズミを意味する「ロット」と巣を意味する「ネスト」を合わせ命名されたという。

ロットネスト島には約1万匹のクォッカが生息していると推定され、クォッカを見つけること自体は難しくない。低木が集まる集落周辺に集まっていることが多い。新鮮な水無しで1ヶ月まで生きていられるという。いつもニコニコしているようなキュートな笑顔。見る人が思わず微笑んでしまうようなかわいい表情をしているので、「世界一幸せな動物」と呼ばれている。人懐っこく、近づいても逃げない愛らしさだ。

正式名称をクォッカワラビー。カンガルーやコアラと同じく有袋類。草食動物で、様々な種類の植物を食べる。手で食べ物を持って食べるので、食事の瞬間もキュートな笑顔がみられる。人間の食べ物はクォッカの健康状態に悪影響を及ぼす。特に、塩分の多い食べ物は脱水症状を引き起こす恐れがあるので、クォッカに餌を与えることは固く禁じられている。

ロットネスト島には約1万匹のクォッカが生息していると推定され、クォッカを見つけること自体は難しくない。低木が集まる集落周辺に集まっていることが多い。新鮮な水無しで1ヶ月まで生きていられるという。

人間に対する警戒心があまりなく、野生のクォッカでも怖がらずに近づいてくる。あまりの可愛さに思わず撫でたり、抱っこしたりしたくなるがクォッカを触ることは法律で禁止されていて、罰金を課される場合もある。好奇心旺盛なクォッカをおびき寄せようとして餌をあげることもしてはならない。

つぶらなウルウルとした瞳、口角がキュッと上がってまるで笑っているように見える、ネズミのようでちょっとピカチュウに似た可愛らしい小動物。真偽のほどはわからあないが、あの人気者「ピカチュウ」のモデルとも言われている。





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