Yahoo!ニュースに掲載された店主の魔法の一部始終
先日、神戸新聞様より取材を受けました。その記事が想像を超える大反響でして、Yahoo!ニュースってすごいんだなと驚いてます。取り上げてくださった神戸新聞様、ありがとうございました。
本日はそのときの話しをほんのちょっとだけ詳しく書きます。日付は3月10日の木曜日の出来事です。弊店のクレープを購入するために20分から30分ほど待つのが当たり前の立地で営業中のことでした。この日は珍しく空いてました。ほとんどのお客様が10分以内にクレープを受け取れたと思います。
私が他のお客様の対応中に今回のキーパーソンとなる小学6年生くらいのお兄ちゃんとその弟さんと妹さんが来店しました。お兄ちゃんは弟と妹を連れて、手には1000円札2枚を握りしめてるのが横目で確認出来ました。
お兄ちゃんがメニューを読み上げ、弟さんと妹さんに一所懸命伝えてます。「こっちはカスタードクリームが入ってるよ。〇〇(妹)はクリームが苦手だっけ」などなど。クレープのメニューを目の前にみんな楽しそうです。
弊店のメニューは350円から600円です。所持金2000円なら3本オーダーしてもお釣りがきます。「好きなのいいぞ」とお兄ちゃんが下二人に伝えると、「イチゴが食べたーい」と。イチゴは+300円です。450円のクレープに+300円すると750円となります。下二人はその価格帯を1本ずつ頼みました。合計1500円です。
お兄ちゃんは悩んで悩んでカスタードクリーム+チョコチップ+ダークチョコレートを注文です。こちら550円です。
どこかで50円の計算を間違えたのか、予算であろう手持ちの2000円をオーバーしてしまったのです。
私は電卓をパチパチと叩きながらクレープの値段を計算しました。
「450円のカスタードクリームに300円でイチゴとチョコのトッピング、750円が1本、
450円のシナモンシュガーに300円でイチゴをとチョコのトッピング、750円が1本、
カスタードダブルチョコ550円が1本、合計で2050円です」
「です!」と言って電卓から目を上げてお兄ちゃんのほうをみたときに私も思い出しました。もしかしたらこの3人の予算は2000円だと。
お兄ちゃん、「やっちゃったぜ☆」みたいな、あちゃーっていう苦笑い。下二人には好きなもの頼んで良いぞと言っちゃった手前、下二人のオーダーを変えることはきっと言い出しにくかったと思います。かといって自分もオーダーしちゃったし、目の前には自分より20も年上であろう坊主頭のおじさんがオーダーを取ってます。私ならテンパりますよ。
なのでお兄ちゃんの気持ちを汲み取ってすぐに50円は魔法で消しました。おじさんの汚いウインクと一緒に。3月4日に舞浜に行ってきたばかりなので私の体にも魔力が残っていたみたいです。HAHA!ありがとう、夢の国の住人たち。
それと同時に、下二人だけイチゴを食べて自分だけ果物抜きっていうのも味気ないじゃないですか(これは私の完全な偏見です)。彼は一所懸命「兄貴」を遂行したお兄ちゃんだよ。報われてもいいと思うんです。お兄ちゃんが報われる/報われないの決定権が自分にあったのです。私は無線で調理場のスタッフに「このカスタードダブルチョコにリンゴをいれてくれ」と頼みました。
調理場のスタッフから「好きかどうかもわからないリンゴを押し付けるんじゃねえ!」と指摘されましたので、お兄ちゃんに「バナナとリンゴどっちが好き?お兄ちゃん今日立派だったからサービスするよ」と伝え、お兄ちゃんがリンゴを選択したので自家製のリンゴのコンフィ(リンゴを甘く煮付けたもの)を1/3玉ほど乗せて提供しました。
お兄ちゃんは最後まで妹と手をつないでて、少なくとも私の目で確認できなくなるまで立派にお兄ちゃんを遂行していました。
こんな感じです。
以下、Yahoo!ニュースのコメント欄で見かけたコメントについて。
・「高い」
はいそのとおりでございます。自家製の生地を仕込み、自家製保存料着色料0のカスタードクリームを使い、ハーシーチョコレートの数倍高いチョコレートを使って、イチゴもこだわった品種の朝摘みしたもの限定を農家さんから直接仕入れたクレープを500円以下で購入できてガソリン代ガス代もかからない生活圏内の人からしたら弊店のクレープは高いです。そのとおりでございます。私もそこで500円以下でクレープが食べたいです。
・「店の宣伝」
こんなことが宣伝になるなら弊店の毎日の接客をもっと注目してほしいです。子どもたちが集まるような場所で子どもたちとトランプゲームをして子どもたちが勝てば好きなクレープを1本サービスしたりしています。今回が特別だと思ってたら大きな間違いです。弊店にとってはただの日常の接客の中の1ページです。なので今回の出来事がYahoo!ニュースに掲載されたとき、弊店の接客を知っているファンの方々が弊店スタッフ以上に大喜びしていました。SNSで多方面から祝福のDMが届いたり、ニュースをみてすぐに現地にかけつけてクレープを購入と一緒に「ニュース見たよ!」と声をかけてくれたり。
最後になりますが、このnoteの記事を有料で販売します。購入しなくても最後まで読めます。今ココが最後です。この記事の売上は子ども食堂を開くときに使わせていただきます。また日常でこのようなことが起きたときの補填に使わせていただきます。貴重なお時間を割き、最後までご高覧いただきまして有難うございました。
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