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マンスリー契約での電子契約のやり方


今回はマンスリーマンションの契約での電子契約のやり方を解説します。
2018年頃からマンスリーマンションの契約を定期借家契約から一時使用賃貸借に切り替えて、電子契約を進める流れが一気に加速しました。
一時使用賃貸借契約に切り替えると「契約期間は1年未満でないといけない?」「住居扱いにならないから消費税が必要?」などのお問い合わせをいただきました。そのあたりも含めて解説します。



電子契約のメリット


マンスリーマンションの契約は毎月~3カ月程度で発生し、管理戸数に対して契約数が多くなるのが特徴で、電子契約による業務効率化は非常に有効です。電子契約のメリットを簡単に挙げてみます。

  • 【期間短縮】郵送では最低2~3日は所要しますが、電子契約であれば当日中に契約を締結することも可能です。

  • 【省力化】郵送では印刷・封入・宛名書きで最低15分は所要しますが、電子契約であれば数分で送信することも可能です。

  • 【低コスト】郵送ではレターパックライトがよく用いられますが、往復740円かかります。利用件数次第ですが、電子契約の利用コストはその費用でカバーできるケースが多いです。


定期借家契約か一時使用賃貸借契約か?

2022年5月の改正借地借家法が施行され、定期借家契約の電子契約も認められるようになりました。私自身は法務省と経済産業省の認可のもとで、定期借家契約における電子契約活用の安全性を検証し、法改正の検討にあたり実証結果を提出させていただきました。

(出典)経済産業省 ニュースリリース

マンスリーマンションには一時使用賃貸借の方が最適

定期借家契約で電子契約は行えるようになりましたが、定期借家契約の事前説明書の交付や事前説明が必要となりますが、マンスリーマンションの事業者の中にはそれらを運用していないケースも散見されます。
ちなみに事前説明等を行っていない場合、定期借家契約ではなく「普通借」になり、かつ1年未満の契約は借地借家法により「期間の定めのない」契約になります。(借地借家法29条)
定期借家契約で期間を定めているはずが、期間の定めのない普通借になるのでは本末転倒であり、一時使用賃貸借契約の方が相対的に適合していると言えます。

これを機会に定期借家契約の業務を点検してみては?

一時使用賃貸借契約への誤解


①契約期間は1年未満でないといけない?

一時使用賃貸借契約は選挙事務所のような1年未満の賃貸や、建て替えの際の仮住まいなどでも利用されますが、例えば建て替えの建築期間が13カ月で、マンスリーマンションに13カ月滞在しても、それは一時使用賃貸借契約の範囲になります。法定では期間ではなく一時的な居住であったかどうかで借地借家法が適用されるか判断されると言われております。

②1年以上滞在すると借地借家法が適用される?

賃貸借契約は最短1年ですが、上述のように13カ月以上の一時使用賃貸借契約はあり得ますので、"1年以上滞在=借地借家法が適用(普通借)"の扱いとはなりません。では、マンスリーマンションの契約期間を2年にした場合はどうか?この場合は前述の通り入居者の事情で判断が分かれます。そのため、マンスリー事業者としては1部屋あたりの最長契約期間を1年未満し、当初から1年以上の長期滞在の場合はオンラインで事前説明を実施のうえ、定期借家契約を電子契約で締結することをお勧めします。

一時使用賃貸借契約書の条文の実例

③一時使用賃貸借契約にすると消費税がかかる?

一時使用賃貸借は住居と認められず、消費税が課税されるとの誤解があります。国税庁に確認したところ課税対象の判断は「旅館業法が適用されるかどうか」である旨の回答を得ました。契約の種類では変わりません。
ちなみに旅館業法が適用されるのは、1ヶ月未満の宿泊や、マンスリー事業者に布団などの衛生管理責任がある場合、マンスリー事業者が食事の提供を行う場合です。


事例紹介


グローバル住研株式会社

おそらく日本で最初に、一時使用賃貸借契約による電子契約を活用されたマンスリー事業者様です。2017年より弊社サービスを活用していただいております。

レントライフ株式会社

マンスリー契約での電子契約の活用を業界内で広められたマンスリー事業者様です。こちらの事業者様のやり方を見て、電子契約の活用に至った事業者様が多数いらっしゃいます。

まとめ


  1. 定期借家契約でも一時使用賃貸借契約での電子契約の利用は可能。

  2. 定期借家契約は事前説明を正しく実施しないと期間の定めがない普通借になるリスクがあり、一時使用賃貸借契約の方が運用が容易。

  3. 1年以上の長期契約の場合は定期借家契約を締結することが望ましい。(オンラインでの交付と説明、および電子契約は可能。)

  4. 一時使用賃貸借を利用することが理由で消費税の課税対象にはならない。課税対象かは旅館業法が適用されるかで決まる。

最適な電子契約サービス


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