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「いまの私と散歩する。」第1回を終えて

「いまの私と散歩する。」主催の染谷拓郎です。

6月16日の日曜日は、前日の雨が嘘のように快晴。散歩日和と言うには少し暑いこの日、トーク×散歩、その後おやつの時間を通して"いまこのとき"を楽しむ全5回のイベントシリーズ「いまの私と散歩する。」の第一回目を開催しました。

ゲストの豊嶋秀樹さんを迎えて開催し、イベント参加者は19名でした。来てくださったみなさま、本当にありがとうございました。

このイベントは、文字通り"いまの私"と"散歩する"ことを目指したイベントです。

はじめた動機としては、

・ブツギリ時間の毎日のなかで、ゆったりと思考したり話したりする時間をつくりたい。

・トークイベントは「話を聞いてすぐ終わり」となってしまい、自分に染み込まないので、散歩を挟むことでより密度の高い形式にしたい。

・散歩の舞台は本の街、神保町。思考を深めた、"いまの私"だからこそ見つかる本があるかもしれない。(それは"昨日の私"なら選ばなかった本だ。)

さらに個人的な理由としては、

・(主催の僕が)小さい子供がいて夜のイベントは参加しづらいので、日曜の午後というゆったりした時間に集まる場を作りたい。(きっと同じ思いの人は多いはず。)

・誰かに依頼されたことではなく、自分から発信する場を持ちたい。

という経緯で始めました。

第一回目のゲストは豊嶋秀樹さん。
ひとことでは形容できない経歴と働き方。軸がしっかりとしていて、話していて安心感のある、素敵な方です。(*なぜ豊嶋さんをゲストに迎えたかはこの記事に詳しく書きました。)

イベントは、豊嶋さんのトークとワークショップ、そのあと散歩を挟み、みなさん戻ってきてからおやつタイム、という流れで開催しました。

豊嶋さんのお話し

豊嶋さんのお話しとワークショップは、「先入観を取り払うこと」「誰かと比べないこと」を軸とし、”いまそこにあるもの、いる人と何が出来るか”を考える、という内容でした。

詳しく何をお話しされたかは、一言一句レポートはできないので、あくまで僕の感じた印象として。

いまの世の中は、消費が扇動され、もっといい暮らし、いいものを、という風潮があります。それが、モノからコト、トキ・ヒトに変わろうが一緒。誰かが誰かにもっとお金を出させようとする限り、消費と欲求のサイクルから逃げることはできません。

自分の「できること」「好きなこと」「やってみたいこと」。これらを、背伸びをせずに捉えることで、そのサイクルから適切な距離を取ってみる。

このことを考えていたら、ふと、前に読んだある本のことを思い出しました。脚本家の山田太一さんが編纂した「生きるかなしみ」という本のまえがき”断念するということ”には、こんな一文があります。

大切なのは可能性に次々と挑戦することではなく、心の持ちようなのではあるまいか?可能性があってもあるところで断念して心の平安を手にすることではないだろうか?

この一文に触れたとき、なぜだか安心したことを思い出します。消費と欲求のサイクルから適切な距離を取るため、自分に目をやり、そして他人とちゃんと向き合うためのスタンスを、豊嶋さんのお話しとワークショップを通じて感じることができました。

印象的だったお話しがひとつ。僕からの質問で、「"いまそこにあるもの・ひと"でプロジェクトを組むとは言え、本当にやりたいことはどうやってはじめるのか?」という問いに対して、「本当にやりたいことは、ひとりで勝手に始める。その道中で誰かがジョインするかもしれないし、しないかもしれない。それはあまり問題ではない」とお答えされたこと。

それを聞いて、僕は心からホッとしました。なぜなら、誰もが、"ひとり"だし、"ひとり"じゃないと何も始まらないと思っているから。僕は安心して、これからも"ひとり"から始めようと思ったのでした。

おやつのこと

今回、おやつは2種類用意しました。ひとつは、つくばにあるカフェ「シンゴスターリビング」のラベンダーとポピーシードのクッキー、ルルメリーのガトーショコラ。飲み物は、コーヒーのホット、アイス、紅茶、ハーブコーディアルを用意しました。

せっかくなので、ストーリーのあるおやつを用意したのだけれど、提供の段取りで手間取ってしまい、詳しく説明できなかったのが残念。次回は、しっかりと。

イベントを通じて思ったこと

まずは、主催者である僕が堂々としていないといけないこと。ホストがおずおずとしていると、来ている人は不安になってしまいます。

イベントがうまく進行できるかどうか、途中で散歩を挟むことなど初めてのことが多く、イベントの冒頭、少し緊張して主旨をしっかり伝えきれなかったように思います。とにかく主旨を伝え、堂々と進行する。それが次回への課題です。

さらに課題と言えば、告知のこと。もっと知ってもらい、たくさんの人に来てもらうにはどうしたらよいのか。貴重な日曜日の午後を預けてもらうためには、もっと綿密な準備や、メッセージを伝える必要があります。今回は、主にSNSの告知がほぼすべて。でも、僕の知り合いや職場の同僚を除き、僕もはじめましての方が何名も来てくださっていたので、イベント自体の魅力はきっとあるんだと思いました。これを、最大化して伝えるための手段を次回は実行したいです。

うれしかったことはふたつありました。

ひとつは、おやつの時間のあと、イベントの時間は終了しているのだけど、みんなそのまま会場に残ってくれていたこと。初めての方同士が会話したり、にこやかに談笑する声が聞こえたことはとてもうれしかった。

もうひとつは、みなさん、自主的に行動されていたこと。イベント終了後、椅子やテーブルの原状復帰を、誰が言い出すこともなく全員でさっと動いてすぐに完了しました。これには、本当に感動しました。おい、みんなすごいぜ!と。”いまここにいるひと・時間”が共有できたように感じました。

これからのこと

「いまの私と散歩する」は、ふだんの生活の中だとなかなか意識しない、”いま、自分は何を考えているんだろう。何がうれしいと思うんだろう”ということを、ゲストの方のお話を通じて、そして散歩やおやつで振り返りながら、感じ・考えるイベントです。

もしかするとそれは、満月の光のようなものかもしれません。普通の夜なら、自分を照らすほどの明かりはあまり感じません。手をかざしても良く見えない。でも、満月の光は違う。手をかざすと影が出来るくらい、くっきりと見えることがあります。

今回、豊嶋さんのお話しは、そんな満月の光のように感じました。お話しを聞いて、"で、君はどうするの?"と照らされたような。

あ、いま気付きました。たとえ、いくら満月が明るいとしても、街の雑踏の中にいると、周りがギラギラと明るすぎて、自分を見ることはないかもしれません。

つまり、満月の光を感じるためには、周りに何もないところに行かなければいけない。

ああ、そうか、そうなんだ。「いまの私と散歩する」は、光を感じやすくするための場所なのかもしれません。

このイベントは、全5回で終わりにしようと思っています。1回だと何も分からないし、ずっと続けていくのも飽きてしまいます。5回、という区切りをつくり、その中で全力を尽くして場を設けます。

次回は、12月頃を予定しています。寒いなか街を散歩して、帰ってくるとホットチョコレートがある、なんていいじゃないですか。

第1回目からもうすぐ1カ月、ようやく振り返りができました。ぜひ、また「いまの私と散歩する」でお会いしましょう。

「いまの私と散歩する」主催 染谷拓郎

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