いまいち萌えない娘騒動:応募について




http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1101/14/news049.html

 仕事内容についての問い合わせや「郵送は無理なので今日中に会社に履歴書を持って行けば受け取ってもらえるのか?」「求職中の息子を応募させたいのだが今日はどうしても連絡がつかない」「九州から引っ越せば雇ってもらえるか?」などなど、普通のアルバイト募集ではありえない問い合わせの数々です。

 締切のその日までに届いた履歴書は90枚ぐらいだったでしょうか。約1年の期限付きの2名採用のアルバイトに対して、です。普通なら倍率は3倍ぐらいです。チラシに書かれたキャッチコピーの文字通りキャッチーさがウケたのかもしれませんが、不況の中で「ヲタクを必要としている仕事がある」ということが、これほどの反響を呼んだのだと思います。

 例のチラシをプリントアウトして「自分なりの3つの答え」を書いて履歴書に添付している人もたくさんおられました。みなさんが書かれていた答えはネット掲示板に書かれていたものとほぼ同じだったと記憶しています。もちろん、チラシには入社試験的な意味は全く無かったので正解は用意していません。今だから書ける個人的な感想ですが、もう少しヲタクならではの深読みをする人がおられたら面白いのに、と思っていました。例えば「相手に萌えなく見せる能力が発動しているから」とか「血のつながった(つながっていない)妹だから」とかですね。萌えの論議についてはまた機会があれば…。

 たくさんの履歴書を前に、私と同じく当事業の担当である生田と二人で2、3日悩みました。関連する職歴のある人、高学歴の人、サブカルのプロを養成する専門学校を卒業されている人、趣味としてサブカルに精通している人、私や生田よりも年上の人などなど。履歴書からは、この仕事を得たい!という気迫がヒシヒシと伝わってきました。採用されれば人生の何かが変わるかもしれない、そう思われて応募して来られた方も多かったと思います。自分のやりたいことが出来ず、くすぶっている人がこれだけいる…。後に、私たちがいま萌えで奇跡に近いことに向かってしまうのも、ここで振り分けてしまったみなさんの〝情念〟のようなものをどうにか少しでも供養したいと思ったからです。

 とにかく、厳選して約20人を面接させていただくことになりました。いずれもある部分に関しては職歴なり特技なり知識なりをお持ちの方です。ご自身の作品を添付していただいた方は優先的になりました。最終的に採用となった朝霧もオリジナルキャラクターのイラストを履歴書に添付していました。

 もし、これから就職活動をする人にアドバイスさせていただくとすれば「現場の担当者に、この人と一緒に仕事をすればこんなことが出来る?あんなこともできる!と思わせると強い」と思います。

 面接本番までの控室で待っていただく際に、人事の担当者が例のチラシを渡して「ここでの面接の内容は他言しないでくださいネ」とお願いしたのだと思います。面接させていただいたみなさんには、話のツカミとして「この騒動をご存知ですか?どう思いました?」というところから入りました。堅苦しく動機を聞くよりは、ネットでの情報収集力や話題に対する理解力が見えた方が良いと思いましたし。

 朝霧がツイートしているように、騒動の前に新聞に載せた求人を見て履歴書を郵送してきているので、例の設問と採用は全く関係ありません。この後しばらくは採用者=正解した人、という世間のイメージが強くありましたので、それに対してきっぱりと「関係ない」と言うことができました。

続く・・・?


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