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ゴッホ

暑い夏が僕をずっと襲う。こんなにも日本の夏が暑いとは思ってもいなかった。カナダから帰ってきて色々落ち着いてきた気がする。まず家族。これは個人差あると思うが、僕に関していうと一年に一回ぐらいのペースで会うのが1番いい。毎日会うのは多分しんどい。子供からしても親のありがたみは離れているから実感するものであって、やはり毎日一緒にいるとうぜえなぁみたいな思春期的な感情に苛まれることに男なら誰しもがなると思う。親のことが嫌いとか喧嘩したとかではなく、ただただ日本に帰ってきてから感じたことである。友達は変わったのか変わっていないのかわからない。みんな総じて忙しそう。同い年は受験生だし受験諦めたやつはバイトしてるし、その狭間の僕はなんとも難しい立ち位置にいて1人孤独を感じる夜もある。多分夜だからそう感じるんだと思っていたが割と昼にそんなふうな気持ちになるから重症だ。それか単純に生活習慣が狂って体が昼と夜の区別がつかなくなってるだけかもしれない。それだったら好都合だ。

時間と体力だけは有り余っている2024夏受験生の鎧を着ているためそこまで派手に何かをすることができておらず、古本屋で110円になっている本を適当に物色し、18℃に設定しないと涼しくならないエアコンのある自分の部屋で読書をしている。柄にもなく安かったいつの誰が書いたのかわからない啓発本らしきものを読んだ。全く読み進めていても面白味はなく、人生を指示されている感が半端なくあるが、それも仕方ないと思いながら読破した。
その中にゴッホについて記されていた。なんでもゴッホは没後評価された人間であって生きている間は誰にも相手にされていなかったんだとか。啓発本アンチの僕はそのバイアスがかかっているので、内心どうでも良かったが、本の中で死んだ後に評価されるのではなく、生きている時に評価される人間になろう!的な話があった。(そのなり方のhow toはどうでも良かったのと覚えていないので割愛)確かに死んだ後に評価されても何も残らない。まぁ僕からしたら死んだ後に評価される人生でも万々歳だと思う。この本の中にある評価される相手は世間であって、大半の人間は生きてる時もそして死んだ後も世間からなんて評価されずに死んでいく。僕もこのままだとその1人になる。確かに世間に相手にされればあの時僕に悪口を散々言ってくれたあいつも手のひら返してくる。しかし世間から悪い評価をされれば、今度は悪口言ったあいつではなく、不特定多数の世間が僕に手のひら返してくる。難しいなぁ生きるって。こんな感情になったのは紛れもない啓発本のせいなので、明日からは大好きな師匠みうらじゅんでも読んで楽しい感情になれればいいな。


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