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美術展プロデュース

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海外・国内美術展プロデュースの経験、進行中案件、ウラ話など
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#印象派

アメリカ印象派展開催中“隠れ睡蓮“を探せ!

東京・上野の東京都美術館で絶賛開催中の「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」。 おかげさまで連日たくさんのお客様にご来場頂いています。本展プロデュースに関わる者として、心より感謝申し上げます!本日は本展のメインビジュアルの一つ、モネの《睡蓮》の、ちょっとツウなお話第2弾(第1弾は、文末をご参照ください) ▶「《睡蓮》を観るとその日の天気がわかる」多作家で数多くの睡蓮を描いたモネですが、本作では、タイトルの睡蓮は画面の左隅に描かれています。画面中央はぽっかり空いて

アメリカ印象派展 “アメリカのモネ”と呼ばれた画家

東京・上野の東京都美術館で開催中の展覧会「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」。おかげさまで連日大勢のお客様にご来場いただいています!  きょうはメインを張っている画家のひとり、“アメリカのモネ”と呼ばれたチャイルド・ハッサムのお話。 ▶”アメリカのモネ“ チャイルド・ハッサム モネの《睡蓮》(1908年)と並んで展覧会のメインビジュアルとなっているチャイルド・ハッサムの《花摘み、フランス式庭園にて》(1888年)。筆のタッチが似ていることから、ポスターを見て

アメリカ印象派展 開幕です!

▶︎ベタな印象派の展覧会ではありません!「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」本日、東京都美術館で開幕しました!初日からたくさんのお客様にご来場いただき、心から感謝いたします! 一般的に印象派といえばフランス印象派。その誕生から150年という記念の年に、印象派がもたらした、まさに「革命」と言うべき変革とアメリカを始めとする印象派の世界的な広がりを紹介する企画です。 ▶︎初めて出会う画家の作品に癒される ご来場いただいたお客様から「とにかく明るく、美しい!」「

アメリカ印象派展まもなく開幕!

いよいよ1月27日(土)に開幕の展覧会「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」。フランスのイメージが強い印象派ですが、フランスから世界に広がり、アメリカでは「アメリカ印象派」と呼ばれる作品が生まれました。本展はこれまで日本では紹介されることが少なかった知られざる「アメリカ印象派」の魅力をたっぷりお届けする展覧会。開幕に向けていよいよ準備も追い込み中!今日は輸送と展示のお話です。 ▶アメリカから作品到着!本展にはフランス、アメリカをはじめとする印象派の作品およそ70

アメリカ印象派展開幕まで1か月!そもそもアメリカ印象派って?

来年(2024年)1月から開催されるアメリカ印象派の展覧会「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」。印象派の展覧会は数あれど、これまであまり紹介されてこなかった「アメリカ印象派」にスポットを当てます。でも、そもそもアメリカ印象派って?フランス印象派と何が違うの? ▶フランス印象派の誕生 印象派は19世紀後半フランスで生まれ、それまでの美術のメインストリームだった”秩序”を重んじる「アカデミーの美術」に反発、美術界に変革を起こしました。その革新性は、両者を表すキー

アメリカ印象派展制作中!⑤世界で初めて美術館が購入したモネの〈睡蓮〉

来年(2024年)1月から開催されるアメリカ印象派の展覧会「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」。ポスタービジュアルの一つ、クロード・モネの《睡蓮》は、ウスター美術館が世界で初めて美術館として購入した〈睡蓮〉です。この作品には画家の“チャレンジ”、そして美術館にとっても “チャレンジ”がありました。 ▶モネのチャレンジモネは1883年、43歳の時にパリ近郊のジヴェルニーに居を構え、以降1926年に86歳で没するまで、人生の半分をこの地で過ごし制作を続けます。

アメリカ印象派展制作中!③ウスターこだわりウラ話

来年(2024年)アメリカ・ウスター美術館所蔵のアメリカ印象派の展覧会「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」が開催されます。今回は隠れ家的美術館、ウスター美術館のプライドとこだわりをご紹介! ▶アメリカの大美術館は大富豪からの寄贈作品がベース アメリカの大きな美術館に特徴的なのが、裕福な個人コレクターからの寄贈品がベースにあるということです。1870年に開館したニューヨークのメトロポリタン美術館はアメリカを代表する資産家、ロックフェラー一族を始めとする名だ

アメリカ印象派展制作中!④美額の美学

来年(2024年)アメリカ・ウスター美術館所蔵のアメリカ印象派の展覧会「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」が開催されます。今回は閑話休題。額縁のお話。 ▶フェルメール《レースを編む女》の額は元は鏡のフレーム 絵画を囲む額縁は作品と密接な関係を持っていて、時代や地域によって様式やデザインが異なります。15世紀後期から16世紀にかけては建築装飾の一部としてデザインされ、17世紀オランダでは簡素な黒檀貼り仕上げ、フランスの「ルイ様式」にはバロックとロココ様式があり

アメリカ印象派展制作中!②ウスター美術館は3時間で見られる美術の百科全書

来年(2024年)アメリカ・ウスター美術館所蔵のアメリカ印象派の展覧会「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」が開催されます。ボストンから1時間、知る人ぞ知る隠れ家的美術館、ウスター美術館の魅力をご紹介します! ▶ウスター美術館は お手頃”美術の百科全書” 3時間で5000年の美術史を総ざらい! よく、ニューヨークのメトロポリタン美術館を指して「古今東西の人類史が詰め込まれた百科全書」という表現が使われますが、ウスター美術館(Worcester Art Muse

アメリカ印象派展制作中!①2024年1月開幕!

▶ウスターってどこ? アメリカ・マサチューセッツ州ウスター・・・と言ってもピンとくる人は少ないかもしれません。スペルも Worcester、なかなか読めません。。。ボストンから車で西へ70km。人口21万人(2023年現在)の中規模都市で、マサチューセッツ州ではボストンに次ぐ第2の都市です。 街の名前の由来はイギリスのウスターシャー州・ウスター。そう、食卓でお馴染みのウスターソース発祥の地です。 ウスターは1776年7月、マサチューセッツ州内で初めて(ボストンより早く)