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考えすぎのこども

引率の大人に連れられて、
小学生のこどもたちが公園にやってきた。

「じゃぁ、これから自由時間よ。
砂場もあるし、滑り台もあるし、
自由に遊んでね」


「わーい!」
「遊ぼう!」

と、こどもたちは駆け出して行った。


1人だけ男の子が残った。
その子は質問をした。


「すみません。何時までですか?」


「えっ、あぁ、30分ぐらいかな、
時間になったら呼ぶから大丈夫よ」


「何で遊べばいいですか?」


「なに言ってるの。好きに遊びなさいよ。
自由時間なんだから自由に」


「そうなんですけど。。。
これをやっちゃいけない、とかありますか?」


「そりゃ、ケンカとか、危ない事は
しないで欲しいけど。
それは当たり前の事でしょ」


「例えば、『滑り台は1人ずつ』とか、
そういう決まりはありますか?」


「そこまで考えてなかったな。
でも、危なかったらその時に言うから
まずは好きに遊んだらいいよ」


「先に決めておいてもらわないと
ちょっと・・・」


「そんなに難しく考えないで、
好きに遊んだらいいんだよ」


「う~ん。
じゃぁ、そもそも質問なんですが、
『遊ぶ』ってなんなんですか?

砂場とかジャングルジムとか、
いちおう見よう見まねでやっても、
ちゃんと遊べてるかどうか分かりません」


「遊ぶって言うのは好きなことを
することじゃないの。
楽しかったらそれでいいのよ」

「楽しまないといけないんですよね。
楽しまないと。
ああ、楽しめるかな。あああ、、、」


「・・・・」


『考えすぎのこども』
<おしまい>

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