声が通らない

先日初めて一緒に食事に行く友人らに「はむちゃんの声は通らないだろうって話になって、静かめな店を予約したよ」と言われました。私の声が通らないことが周知の事実であることと店選びの条件の一つになっていることにめっぽう落ち込んだ。情けなくて。
当方声質が終わっているうえに滑舌も悪く、喋り方がフニャフニャしているため、大人数での飲み会では発言を完全に諦めている。4月に参加した会社の飲み会では、新卒の私が何かボソボソと歯切れが悪いことを言うたびに全員に耳を澄まされるのが申し訳なくて、聞き役に徹してオーバーリアクションを3時間続けていたら顎関節症になった。会社の飲み会なんて二度と行くもんか。
私の声は居酒屋で発生する箸を落とす音、サラダを取り分ける音、最悪なコール、労災労災、何名様ですか、「知ってる?レモンって逆にして絞るんだよ」だとか、怒号であるとか、すべての音の周波数の平均と完全に一致しており、テーブルの向かいの人まですら声が届かない。
声が通らない原因の一つが、姿勢の悪さにあるらしい。生まれてきてからずっと周りの女の子より身長が高く、自然と背中を丸めている時間が長かった猫背かつストレートネックの私は喉や肺が締まり、発声に向かない身体らしい。どうしてこうも、姿勢が悪い人に対する健康被害が多すぎるんだ。声まで?
見栄えが悪いからと高校生の頃、親に猫背矯正バンドを買い与えられたが、初号機と、ナンバーガールの田渕ひさ子がかっこいいせいで猫背を治す気にならずここまで生きてきてしまった。今はもう精神的な問題で姿勢が悪い。私がシャキッとして毎日を送ってるわけがない。関係ないけど押切蓮介の描く人ってみんな微妙に猫背でなんか好きですね。

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