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旅に出ていました

不登校になってから5か月。退職を決めてからまだ1か月半。
ほんの半年にも満たない前は、まだ、自分が退職するなんて夢にも思わず、ただ頑張って学校へ行こうとしていた。

退職なんてしたら、生きていけない。他にどうやってお金を稼げばいいのかも分からないし、せっかくここまでやってきたのに辞めるなんて考えられない。そう思って、ただひたすら、つらくても我慢して、ボロボロになりながら頑張っていた。

でも、私は退職を決めた。決めたからには、生きていく糧を探さなければいけない。生きているだけでさまざまなお金はかかってくるし、貯金もない。そんな中、なぜか分からないけど、旅に出た。

オンラインサロンで知り合った仲間の一人が桜前線と共に北上しながら、「踊る読書会キャラバン」という面白そうな謎のイベントを開催し、各地の仲間たちによる様々な企画が次々と立ち上がり、楽しそうに盛り上がっているのを見ているうちに、ワクワクが抑え切れなくなり、気が付いたら東京・八ヶ岳・宮城のイベントに申し込んでいた。

もちろんお金はない。今までの私だったら「お金がないから」「休みが取れないから」など、なんだかんだと理由をつけて、諦めていただろう。なのに今回は、「どうやったら行けるか?」を考えていた。そして、いかに安く済ませるか知恵を絞り、最低限の費用で思いっきり楽しんで来る!あとは何とかなるだろう。と、腹をくくった。

結果、これまでオンラインでしか会えなかった全国の仲間とリアルで会うことができ、わくわくしながら楽しんで、たくさんの人たちから「応援」と「知恵」と「これから自分はどうやって生きるのか?という問いに対するヒント」をもらえることになった。

たくさんの奇跡的な出会いやシンクロに恵まれた。

八ヶ岳では宮崎駿監督作品「千と千尋の神隠し」のモデルになったと言われるトンネルをくぐった。宮城でのイベントでは偶然にもこの映画の主題歌の「いつも何度でも」を歌うことが決まっていた。とても不思議なシンクロだったが、これは必然だったのかもしれない。
この映画にも龍神が出てきたが、今回の旅でも龍神画家のライブペインティングに参加したり、龍神が祀ってある神社やパワースポットにお参りすることになった。

旅の終わりには、主催者側のパフォーマンスメンバーの一人として、ピアノ、太鼓に合わせて歌い、みんなで踊り、そして、「踊る読書会キャラバン」の主人公でありプロの社交ダンサー「くっきー」さんのアンコールに応えてMoon Riverを歌い、歌に合わせてダイナミックな踊りを披露してもらうという感動のフィナーレを迎えた。

なぜこんなにも突き動かされるように旅に出ているのか、自分でも分からなかったが、旅が終わったときにその訳が分かった。
私は今まで自分で自分を縛ってきた鎖をほどき、本当の意味で自由になり、自分の本当の心の声を聴きたかったのではないだろうか。

「ねばならない」や「してはいけない」の世界から「したい」の世界へ行くために・・・。

旅の終わりにはっきりと聞こえた自分の声は「シンガーとして生きていきたい!」だった。誰になんと言われようと・・・。

特にアートの領域では、私たちは「それでは食べていけない」と言われがち。そうやって自分にも言い聞かせながら、ライフワークは趣味の範囲にとどめて、ライスワークに命の時間を使ってしまう。私も「ジャズシンガーになりたい」と思ってから25年間、そうやって生きてきた。
でも、もう、これ以上自分に嘘はつけない。とにかく今は、自分の本当の心の声に耳を澄ませ、応援してくれるたくさんの仲間たちの言葉を信じて、生きていきたいと思う。

これまでの人生の旅が終わりを迎え、今、ようやく、新しい人生の旅のスタート地点に立った。まるで、一度死んで、生まれ変わったかのように。「いつも何度でも」の歌詞そのもののように・・・。


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