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昭和の名曲にみるシンセ・電子楽器の名機たち(その3

バグルス「ラジオ・スターの悲劇」

1981年に開局した米国の音楽チャンネル「MTV」で最初に放送されたMVがThe Buggles「ラジオ・スターの悲劇(Video Killed the Radio Star)」正に曲の内容と番組趣旨をあわせたニクイ演出です。さて、この曲は元々トーマス・ドルビーも参加してたグループ「ブルース・ウーリー&ザ・カメラ・クラブ」につくられた曲で、後にセルフカバーしたのはよほどお気に入りだったのか?そのかいもあり1979年に全英1位、米国はじめ日本でもヒットした名曲なのですが、今ではあまり耳にする機会がなくなった2つの電子/電気楽器のサウンドがとても印象的です。

ARP「Solina String Ensemble」

70年代中ごろから和音演奏が可能なシンセサイザーが登場しましたが希少で高額でした。オランダのオルガンメーカー「Eminent BV」社が今までにないサウンドのオルガンを開発し、そのサウンドは「Solina String Ensemble」キーボードへ発展しました。そこに米国のシンセメーカー「ARP」がOEM発売したところ瞬く間に大ヒットし、様々なアーティストに愛され、各社が模倣品を続々出したほど。「ラジオスターの悲劇」もこの「Solina」だからこそどこか哀愁漂いもの悲しく曲を演出していると思います。

YAMAHA「CP-70B/80」

ピアノの代替として活躍した《エレクトリックピアノ》通称「エレピ」特に有名なのが「Rhodes」金属のトーンバーを叩いて発声させる方式は画期的で奇麗な音色ではありますが本物のピアノの迫力には及ばない現状でした。そこで「ヤマハ」がピアノの弦をエレキギターのように電気的にピックアップする方式の「CP-70B(CP-80)」を開発しました。ピアノ本来のテイストを持ちつつコーラスなどのエフェクターとの相性が良く、アコースティックピアノとも「Rhodes」とも異なる美しいサウンドです。

まとめ

技術の進歩で新しい楽器が登場し、数年後また新しいものがでて、そして古いものは徐々に消えていくと歴史は繰り返しますが。「Solina」タイプのストリングキーボードも「CP-70B/80」や「Rhodes」などのエレピも80年代中ごろデジタルシンセやサンプラーの登場で姿を消しました。まるで「ラジオ・スターの悲劇」の原題《Video Killed the Radio Star》に通じるものがありますね。(´ω`)

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