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昭和の名曲にみるシンセ・電子楽器の名機たち(その7

ニュー・オーダー「ブルーマンデー」

70年代にシンセをはじめとした電子/電気楽器が活用されるようになり“より使いやすいもの”“より革新的なもの”を求め各メーカーが競い合っていましたが、80年代に入ると山口百恵ちゃんのCM《デジタルはカシオ!》とあるように「デジタル」がキーワードとなり代表的な1つが「サンプリング」であります。このサンプリングの登場で音楽業界は大きく変わったと言っても過言ではなく、もともとポストパンクバンドだった「ニュー・オーダー」も例外ではなく、彼らのヒット曲「ブルーマンデー」に使われた2つの当時最先端の電子楽器に注目したいと思います。

PCM音源ドラムマシン「Oberheim DMX」

1980年に実際のドラム音をサンプリングし音源にした世界初となる「Linn LM-1」は音楽業界に衝撃を与えましたが先駆けともあり欠点もありました。当時はメモリの制約がありロングトーンの「シンバル」の収録がなく、音色の変更ができないものでしたが「DMX」は後発の強みを活かしメモリロム4つを使い「シンバル」を搭載させ、別売りのサウンドライブラリーも充実させ、より《本物のドラムの代替》となるものを作り上げました。しかしニュー・オーダーは“ドドドドッ!”と高速連打演奏をさせ機械ならではのサウンドとして強調しました。

サンプラーの代名詞となる「E-mu Emulator」

「E-mu」社はもともとシンセメーカーでその優れた技術を活かしシンセの部品を各メーカーに提供していました。しかし同様にシンセ部品を提供する競合他社が現れ起死回生を狙い当時まだ一般的に商品化されていなかった※サンプラーの開発を行い第一号となったのが「Emulator」なのです。世の中に存在する音を全て“楽器”にできる魔法の装置は多くのアーティストに注目されましたが、ニュー・オーダーは楽器音のみならず「爆発音」「ジェット機」などの効果音をふんだんに使い楽曲の雰囲気を盛り上げるために活用したのです。
※1979年にサンプリング演奏ができるミュージックワークステーション「Fairlight CMI」が誕生してましたが高額だったため半ば業務用で販路が限られてました。(この詳細は近いうちにw)

まとめ

80年代を象徴するキーワードとなる「デジタル」その技術発展で登場した「サンプリング」この技術革新で従来シンセメーカーでなかった企業が沢山参入し、一方、そのデジタルの波に乗り遅れ閉鎖となったメーカーもあったのも事実で正に80年代はデジタル楽器の戦国時代となりました。同じく音楽業界も新しい技術を取り入れたアーティストにあふれ80年代MTV黄金期となりましたがこれもひとえに各メーカーの企業努力のたまものだったと言えます。(´ω`)

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