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昭和シンセオタクが選ぶ無料ビンテージシンセ・エミュ(その7)

80年代初を支えた名機の一つ「Roland Juno-60」

80年代のシンセサイザーを主体としたジャンル「シンセポップ」その数々のヒット曲を支えてきた名機といえば「YAMAHA DX7」に次いで「Roland Juno-60(106)」ではないでしょうか?ライバル機「KORG PolySix」と比較すると透き通った音色が特徴で海外では人気あったようです。a-ha「テイク・オン・ミー」冒頭のリフは「Juno-60」をメインに使ったらしく、その印象的なサウンドの秘密はエフェクターの名機「Roland SDD-320」を彷彿する独自の「コーラス」にあります。

名機「Juno-60」の無料エミュ「TAL-U-No-62」

そんな「シンセポップ」の名機「Juno-60」ですがいくつか欠点があります。MIDI未搭載で対応させる場合は専用の変換機が別途必要で「Jupiter」シリーズにあるユニゾンモードがありません。それらを解決したのが数年後登場した兄弟機「Juno-106」になります。サウンドは両者ならべて聴き比べると若干異なるもののテイストは引き継いでいます。そんな名機「Juno-60(106)」を再現したソフトは沢山あり、その中で「TAL-U-No-LX」の機能削減した無料エミュ「TAL-U-No-62」をご紹介します。

「TAL-U-No-62」の総合評価

無料エミュ「TAL-U-No-62」は実機にもあるアルぺジエーターがなく、有料版にある実機以上の追加機能が省かれた非常にシンプルな構成。ベロシティ対応ですがEG制御のみとざっくりしたもの。しかも、矩形波とノコギリ波のボタンを同時押すと実機と異なり何故か?ノコギリ波が1オクターブ上で発声する謎仕様。しかし魔法のスイッチ式のコーラスも健在でしっかり「Juno-60」を彷彿する透き通ったサウンドです。何より操作性が実機同様に明解で素早く音色がつくれるのはかなり重宝します。

パルス波とSAW波を同時押しすると何故か?SAWが1オクターブ上で鳴る謎仕様は要注意。
「U-No-62」のSAW波形をオシロスコープでみると終端に程よい鋭さがある事がわかります。

「TAL-U-No-62」のダウンロード

https://tal-software.com/products/tal-u-no-62

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