昭和の名曲にみるシンセ・電子楽器の名機たち(その2
TOTO「アフリカ」
日本は70年代後半から「産業ロック」「商業ロック」の人気があり、その代表格といえる米国のロックバンド「TOTO」おもしろい事に私が中1の時は彼らの存在を知らず、近くの高校の文化祭へ遊びに行った時、生徒のバンド演奏で彼らの楽曲の演奏を目のあたりにし感銘し「TOTO」のファンばかりか自分も楽器演奏に興味が沸いたきっかけとなった思入れ深いバンドなのです。そんな彼らの代表曲の一つ「アフリカ」実はこの曲の誕生には2つのシンセの存在があったのです。
国産最高峰ポリシンセ「YAMAHA CS-80」
日本が誇る楽器メーカー「ヤマハ」エレクトーンの開発に力を入れており他社との差別化のため世界初の和音演奏ができるシンセ機能を搭載した「GX-1」を世に出しました。そのシンセ機能の部分を取り出したモデルが「CS-80」そのお値段128万円で、おそらく現在の金額価値の2~2.5倍はあった事でしょう。その新型のシンセに飛びつくアーティストは少なくなく「TOTO」も例外ではなかったのです。その豊かなサウンドは聴く者を魅了し「アフリカ」の冒頭のリフは必然と生み出されたわけです。
デジタルFM音源シンセ「YAMAHA GS-1」
「アフリカ」にはカリンバなどの民族楽器風の音色も印象的ですがこれらも当時最新鋭のシンセで演奏されています。それは後に世界的に一世を風靡したデジタルシンセ「DX7」の《お父さん》といえる「GS-1」そのお値段なんと!260万円と正に「CS-80」2台分と驚く価格ですが、従来のアナログ方式では難しかった音色を出せるのは当時このモデルぐらいしかなかったのです。広大な台地を連想させる「CS-80」のサウンドと「GS-1」のアフリカで暮らす先住民が奏でてそうなパーカッシブサウンドで正に「アフリカ」の情景を見事に演出しています。
まとめ
日本の老舗楽器メーカー「ヤマハ」ともあり「CS-80」「GS-1(FM音源)」サウンドを愛した世界的アーティストは少なくなく他にもたくさん名曲がありますが、個人的に「アフリカ」はベストソングと思います。「GS-1」はその個性的なサウンドを「DX7」へ引き継ぎ世界的にヒットしますが「CS-80」は無二で愛しいサウンドであります。「CS-80」を再現したソフトが「Arturia」「Cherry Audio」などから出てますが、ちょっとマイナーな「ME80」($40)の評価も良いようですのでご参考ください。^^
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