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昭和の名曲にみるシンセ・電子楽器の名機たち(その1

ヒューマン・リーグ「愛の残り火」

1981年、全英・全米ヒットチャート1位になり日本でもヒットした《ヒューマン・リーグ「愛の残り火(Don't You Want Me)」》この曲は「シンセポップ」のルーツといえる曲の一つでありますが、この頃の私はシンセとエレクトーンの違いもよく分からなかった時代で、斬新なサウンドの曲と認識したもののあまり気にする事なく聴いていたものですが、後にこの楽曲に驚くべき「新兵器」が使われた事に驚きました。

世界初PCM音源ドラムマシン「Linn LM-1」

その「新兵器」とはドラムマシン「Linn LM-1」兼ねてよりリズムマシンや電子ドラムを使用した楽曲はあったものの非常にチープなサウンドともあり完全なドラムの代替にはならずカルト的な存在で世界的なヒットチャートとはあまり無縁の存在でした。
しかし、デジタル技術の進歩により実際のドラムを叩いた音をサンプリング取り込み正にホンモノのサウンドを音源にしたのが「LM-1」なのです。
当時のメモリの制約もありか細いサウンドでありますが、実際「愛の残り火」のドラムが機械だなんて当時どれだけの方が認知しただろうか?後に知り衝撃を受けたものです。

日本製ポリシンセ「Roland Jupiter-4」

当時、最先端だった和音演奏(ポリフォニック)が可能な日本製のシンセ「Roland Jupiter-4」が使用されています。「Jupiter-4」は高機能で4和音演奏のみならず、4音を一斉に鳴らすユニゾンモード(スーパーSAW)機能、当時珍しかった鍵盤を押さえるだけでピコピコと連打演奏する「アルペジエーター」機能があり「愛の残り火」でも活用したと思われ※、いうなれば日本製のシンセが世界のヒットチャートで大活躍した先駆けの楽曲といって過言ではないかと思います。

※各パートに使用したモデルの詳細は不明でありますが、楽曲収録アルバムに使用したモデルの情報を元に考察しています。

まとめ

世界初のPCM音源ドラムマシン「Linn LM-1」や、日本製ポリシンセ「Roland Jupiter-4」を使用した名曲は他にもたくさんあり、その愛された名機は各社よりソフト化されています。私も「Jupiter-4」を再現したソフト「Mercury-4」を所有し「Linn LM-1」実機からサンプルデータを吸い上げたサンプル素材を「AKAI MPC」ソフトに取り込み頻繁に使用しています。その「Mercury-4」は比較的安価で年に数回セールも行うので興味ございましたらデモ版もございますので是非チェックしてみてください。^^

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