LET IT BEを好きになれるかもしれない。
LET IT BEとl've Got A Feeling
操作される違和感と操作したい実感
星野源さんのアメーバ
頭蓋骨の治療
スノーピークCEOの仮説
没頭と効率
ビートルズの名曲にLET IT BE という曲がある。僕はこのアルバムレコードを持っていて時々、書斎で流して聞いている。
レコ屋でこのアルバムを買おうと決めたのは、B面に収録されているl've Got A Feeling.という曲がビートルズの曲の中で一番好きだからだ。
対してLET IT BEはメロディは好きだけど歌詞は正直あんまり好きではない。
l've Got A Feelingの歌詞は感情が共鳴する事の喜びみたいなことが書かれていると自分は認識している。ジョンとポールが交互に歌ってるのも凄く良い。
本題はLET IT BE。ビートルズが解散するきっかけの曲っぽく思ってしまう。(もちろん絶対諸説ある)タイトルを和訳するならば「あるがままに」とか「身を委ねなさい」とかだと思う。
壁にぶつかった時に、マリア様がくれた言葉として書かれている。
LET IT BEはビートルズの最後のアルバム。確かそれぞれメンバーのしたい事が分かれ始めていた時に世に出た曲で、
自分の「したい事、やりたい事に従って生きなさい。」という言葉が転じて「LET IT BE」になったとかなってないとか(きっとこれも諸説ある笑)
そして、LET IT BEが出た後に事実、ビートルズは解散している。
だからなのか、LET IT BEの歌詞は独立や脱退、解散、分かれ、旅立ち、新たな始まりの予感とかその辺りの言葉と親和性が高いと思っている。
自分のしたい事に従って生きるとか、心の声にあるがままに従って委ねる行為はあくまで個人の領域の話で、
目の前の困難が、他者との関わりの領域で、それを維持したい、共闘したい、深めたい、、、けど出来ないというものだった時、あまりに親和性が低い。
だから今の僕にはいまいち曲に入り込めない。
前回noteを書いた時はそのジレンマに対して理性で対応出来ないし感情も出し難いことに対しての嘆きを綴ったが
感情をヘタクソでもこっそりアウトプットする事や休日に(都合のいい)自然に触れ合うことによって、楽になった体験が出来た。
そこで学んだのが、僕は他人の為に時間を使う事が続くと心が沈んでいく。結果的に意にそぐわない展開を迎える事が多い。仕事柄なのか性格からなのか仕事は自分が他人に時間を提供しているという意識が強い。
一応念のため注釈すると患者に時間を割いてもらって病院に来てもらってお金を貰い、それでご飯を食べているいるわけだから、こっちは時間を提供してもらっている立場である。でもこれは理性の話。今は感情の話。
話を戻して、、他人に時間を使い続けると感情が不満を漏らし出す。「もっと俺を労われ」と。その声を無視して4日以上働くとたちまち理性と取っ組み合いの喧嘩をしだす。
特に他人に自分の行動を操作せんとする外力を受けると感情様はかなりフラストレーションを溜めていくご様子。これは、写鏡の法則。自分が他人を操作したいと実感しているからだ。その主導権の取り合いが起きてもフラストレーションは溜まっていく。
写鏡の法則なのだから自分を変えるべきとか、4日が早いとか遅いとかはまた理性の話。今は感情の話。(いい加減煩いぞ?笑)
だからこそ感情と理性が喧嘩しないよう、理性で感情を宥めるのではなく、効率性や合理性には一見欠いているように見えるが休みをしっかり取り感情様にご機嫌になってもらうしかない。こと僕個人は。
では仕事中、終始フラストレーションを溜めているかというとそうでもない。頭蓋骨の治療をする時だけは何故か凄い没頭しやすい。
毎回ではないが数十回かに一回、頭脳は使わず、手の感覚のみに全振りして患者と自分の界が曖昧になっていく感覚になる。その時は一瞬でいて永遠でもある。もしかすると魂が自意識から乖離し、なんなら死後に一番近い状態ってこれか?とも思う。
あの感覚は治療をする側なのに何故か自分が気持ちよくなる。ちなみに治療を受ける側も気持ちいいと仰ってくれる人は多い。
いつかの星野源さんのラジオでは会場のお客さんと自分の境界が曖昧になって時間の概念すらなくなった空間を「アメーバ」と表現していたが、僕のアメーバは頭蓋治療中なのかもしれない。
気持ちよさを実感するのは治療中(没頭中)ではなく我に帰った治療後だ。きっと僕の感情様は頭脳を休ませてそこそこ前に出たい気質なのだろう。
医学的っぽく言うと大脳新皮質を抑制させて大脳辺縁系を表出させる事が心の健康を保つ秘訣になっているのではないかと睨んでいる。
仮に都合の良い自然であっても、本能的に逞しく生きる動物的で欲望的行動を是とする大脳辺縁系にはその環境の方がアメーバになりやすいのではないかと推測している。
もちろん都合の悪い自然の方がより大脳辺縁系だけでなく本能までもを引き出す力があるのだとは思うが。
キャンプギアのブランド「snowpeak」、そのCEOでもある山井梨沙さんがこう仰っていた。
文明の進歩によって仕事上、デジタルの効率性重視のもの、無駄なく最短でそこのゴールに突き進む手段が殆どになり、無駄な時間がなくなり余白がなくなる事で結果、人間性が失われている。
遠回りをして無駄を楽しむ事で、その経験を糧に人間性の回復を図れるのではないかという仮説の元、活動している。
最近では一番しっくりきた言葉だった。
加速する新自由主義的価値観に操作されていくことに対して僕の大脳新皮質はシステムの効率化を進めて対応していた。
効率化を図り時間を作れば、新たな仕事を詰め込まれていく。すると些細なエラー一つで回復を待たずして数珠繋ぎでエラーが連続していった。
例えるならばまるで効率を重視し綿密に組まれたダイヤグラムに一つの電車が遅れて他の線にも影響が出る様そのもののようだった。
結果破綻し今回のメンタルの不調を招いた。
今こそ、ここで立ち止まり敢えて遠回りをして無駄を楽しむ。効率化に傾倒し過ぎない。大脳辺縁系を引き出し自然とアメーバする大切さはいつも心のに留めておくと今後役に立つかもしれない。
ワンオペで子育てしてたら、そんな時間ないよ。そんなに甘くないよ。と子育てのフィールドで戦う諸先輩方からそんな声が聞こえそうだし、事実、感情を引き出して自然とアメーバする事に没頭する時間を定期的に作る努力は、もちろん相方と共同で実施していくわけなので、時間の使い方として合理的ではないのかもしれない。
だけれども、効率性に傾倒し過ぎてエラーに対応する時間を作れない、その結果メンタルの不調を来すくらいなら他人の手を借りてでも遠回りする時間を積極的に確保していくスタンスは出来ればとりたい。相方にもとってもらいたい。そのための工夫は僕の大脳新皮質さんにも頑張って頂きたい。
そう思って、あと数年?他者との関わりの中で遠回りをしたらLET IT BEの歌詞の感じ方も少しは変わるかもしれないと思っている。
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