波動
気づけば4月。
とある経営者のインタビューで、失敗をしているということは挑戦をしているということ、という言葉が今の自分に響きました。
失敗だらけの人生です。
まず普通高校に入ったことが分岐点だったように思います。
美術部だった中学時代、ファッションが大好きだったあの頃。私は美術系の高校に行きたいと思っていました。そして文化服装学院かバンタンに通いたい、と思っていました。
しかしそれは許されませんでした。
勉強することしか許されなかったあの頃。全てを北⚪︎鮮のように管理、監視され、自由に使えるお金はもちろん与えられない。良い成績を出すことだけが唯一の抜け道でした。そうやってこつこつ貯めた数百円を握りしめてCUTiEやZipperを買って夢見ていました。
そうやってしている中、雑誌のモデルをしているUkiちゃん(SHAKALABBITS)を見つけます。
なんて可愛いんだろう!!!
魅力的なんだろう!
そこから音楽を聴くようになりました。
コツコツ貯めた数百円で数千円のアルバムを買いました。そして、自分もバンドをしてみたい、したい!そう思うようになりました。
しかし⚪︎朝鮮国家の我が家。
勿論許されません。楽器なんて買ってもらえるわけがない。
そんな中、地元で評判の良い某高校に受かったら軽音部に入ることを認めるという条件が与えられました。
初めて認められた、私のしたいこと。
とにかく高校に入れば良い、そしたら自分の好きなことができる!そんな思いで、やっと与えられた自由と自分の人生を求めて、勉強に励みます。その高校に受かれば、お小遣いという毎月金銭が与えられる制度も発足するという条件でした。
結果、無事に私は自由を得ることができます。
しかし、入学してからが楽しくも戸惑いの日々でした。
みんな、将来は教員だったり公務員だったり医療関係だったり、ちゃんとした夢が決まっていてそれを叶えるためには大学に行く必要がある→だからその高校に進学してきた、という子たちばかりなのです。
大学に行くなんてさらさら考えていなかった私。
衝撃を受けます。なんでそんなに先生になりたいのか(中学が田舎のマンモス校だったためガラの悪い生徒も多く、当時の自分からしたらどう見ても大変そうで…教員になりたい人が存在するということが衝撃だったのです)、なんで皆そんなに大学の名前を知っているのか…私の知ってる進学先といえば先ほど挙げた文化服装学院、バンタン、大妻女子大学。(全て雑誌の読者モデルの通っていたところです)
たったの三つ、大学という括りで見たら一つだけです。
そんな私に担任の女教師は手を焼き、ヒステリーを起こします。「なんでうちの高校入ったん?」と聞かれる始末です。
そんなの軽音部に入れて、お小遣いも貰えるから。それ以上でもそれ以下でもありません。笑
今思えばその高校は公務員や教員、医療従事者、有名企業の社員のご子息が多く、私のような母子家庭(北朝⚪︎国家)の人間は他にいませんでした。裕福な、そして自主性を尊重して大切に育てられてきた子たちばかりでした。明らかに毛色が、見てきたものが、環境が、違いました。
15でやっと自主性を尊重されるという経験をした私。雁字搦めにされていたところからやっと得ることが出来た自由。もちろん勉強なんてしません、するわけがない。虐げられてきた人生を取り戻すかのように、軽音部に全てを注いでいました。
不良ではないけど問題児でしかありません。
そこからなんやかんやで大学に進学します。
これもまた、今思えば失敗です。
30ちょっとまで生きてきた今気づいたことは、自分は明らかに会社員などの勤め人は向いておらず、専門職(手仕事)が適職だということ。
なんやかんやで社会に適合しようと努力するも、その度に見事に自爆或いは空中分解をぶちかまします。
結果、人生を振り返ってみて、やっぱり私は素直に美術系高校に行っておけばここまで回り道をすることはなかったのだと思うのです。
失敗だらけです。
でも、一人だけ毛並みの違う私を冷ややかな目で見ることなく、適度な距離感で受け入れてくれた高校時代のクラスメイトには感謝しているし学ぶことも多かった。
大学時代に図書館にこもって本を読み漁っていた時間。決して実学にはならないけど、人生というスパンの上では大きな糧に。
何より、今の自分の人間関係。
皆、良い人たちばかりです。寛容で刺激を与えてくれる、心やさしくも面白い人々。尊敬できる人ばかり。
側から見ればまどろっこしい、回り道ばかりしている人生ですが、この財産、宝物ともいえる人間関係はこの回り道をしたからこそ得られたのです。
改めて自分に聞き返します。
君の人生は失敗ばかりだね?
そう見えても仕方ない、その通りだとも思う。
でも、間違いではない。
それだけ知れたことがあったのだから。
これからも、不器用なり、要領が悪いなりに。
今できることをしていくのみです。
失敗は成功のもと、と胸を張って言えるように。
失敗を失敗で終わらせない生き方をしていきます。
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