大きい犬


とりあえず思いついたことを言った

思いつくためにずっとネタを探してた

周りをずっと見てた

思いつくことに必死すぎて面白くなかったと思う

気持ち悪かったと思う

この前は道を歩いててでかい犬を連れてた人を見た時に時に「ねえみてめっちゃ大きい犬笑」って言った

しかもめっちゃって言ったのは話を盛り上がらせたかっただけで実際には言うほど大きくなかった

無意識にでかいって言わずに大きいって言えたことは良かったけどほんとだ、で終わってしまった

だろうね

うちもそうだねくらいしか言えないと思うし

でかい犬にそれ以上の面白みもないのにそんなことを言ってしまった

でも君に嫌われたくなかったから話を止めたくなかった

「ねえ」

「うん」

「しんどくない?気使いすぎてない?」

「え全然!」

びっくりしたしそう察されてるのが恥ずかしかった

けど本当に心からしんどくなかった

どんなに話せなくても君といられるだけで幸せだったからもうどうでもよかった

「無理しなくていいからね、楽にいこ」

「…うん!」

すごく嬉しかったし幸せだった

その言葉に甘えてずっとぼーっとして、君といるこの感覚を途中で君を見たり目を逸らしたりして過ごした、なんの焦燥感にも駆られずに好きな人とくっついてドキドキできる状況が幸せだった

そして時々、具体的に言えば10分に1回くらい、それ以外どうでも良かったからなんにも言わないで、溜めて溜めて心から思った愛してるってことを伝えた

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