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〈GEA〉隊員名簿-諜報部隊 "Mitsuki・Irving・Aalto"

【名前】Mitsuki・Irving・Aalto(ミツキ・アーヴィング・アールト)

漢字表記:御月

【年齢】24

【容姿】身長170cm.雲が薄らとかかった空のような淡い水色の長髪を、低い位置で一つに結んでいる。服装は基本的に軽装で、胸元を隠すスポーツブラのようなものと、ショートパンツの上から、大きめの紫のコートを羽織っている。それでも丈は短いので、足元は寒そうである。
右足に小さな武器などのホルダーがある。街中もその格好で歩くことが多いので直に提げている訳ではなく、それにつけたバッグの中のポケットにそれぞれナイフやらを忍ばせているということらしい。
右目と左目で青と紫のオッドアイ。生まれつき。

【性格】正義感に満ち溢れ勧善懲悪の理念の元に動くが、勝手な行動は一切せず、仕事も卒なく機械的にこなすワーカホリック気味人間。GEAに所属する理由も正義に基づき動くこの組織を深く尊敬する為であり、加えてRCへの憎悪などは人一倍。情けを掛ける暇もなく、目に入ったものは1から10まで根絶やしにする所存である。
普段からあまり表情筋が仕事をしないことで組織内では有名だが、感情は割と豊かなので内心では焦るなり怒るなり色々と忙しなくしている。

【ギフテッド】氷雪
水の状態変化における固体の状態にある物質……所謂氷の生成・操作が可能。また、その中には無論雪も霙も含まれる。
元から存在している水を氷にすることや、水や蒸気を操ることはできず、あくまで自身から生成した固体の、状態を変えぬままでの操作が可能である、という力。
生成した固体は炎や日光による熱には耐性がなく、一般の氷など同様熱されれば溶ける。が、元来が“固体のみを生み出し操れる”能力使用者により生み出された“固体”である為、その元々の概念から逸脱した状態での存在は不可能。固体のみを生み出せるのに、何故生み出されたものが液体になっているのか。結果のみで考えれば、彼女は溶かしさえすれば液体まで生み出せることになり、それでは本来の能力から外れてしまう。
よって、生成した氷は溶けた瞬間に消えてなくなり、水にはならない。
デメリット:熱への耐性の著しい低下
気温、炎、直射日光、あらゆるものから得る熱が、身体に毒となる。人肌ですら長時間は火傷の元になる上、興奮による一か所への熱の集中や風邪による発熱も日焼けのような症状を起こす要因となり得る。

【経歴】北欧のある国に出生、父にその北国の住民を、母に日本人を持ち、寒空の下出生。以降、母や父の腕に抱かれる度に肌を火傷していたことから、ギフテッドのデメリットが判明。以降、父とも母とも触れ合えぬまま10まで育つ。
11になる前夜、顔を無残にも傷だらけにして父が帰宅。曰く、母がある悪の組織とやらに捕まったのだと。返してくれと抗戦したものの、敵わなかったのだと。比較的犯罪者の多く治安の悪い地区で育ったこともあり、あっさりとそれを信じた彼女は、母が居なくなったことを悲しみ、14になって父と共に日本へ渡るまで疑うこともなかった。
国を渡り、日本の空港へ降りた際。父が荷物検査から中々帰って来ず、話を聞けば、父には容疑が掛けられているのだと。あの日連れ去られたという、母の殺人の。発覚したのは、荷物の中から母の遺骨の一部が見つかったことがきっかけだったのだという。父曰く捨て場所に困り、日本でどうにかならないかとダメ元で持ってきたのだという。
父は、大人しく警官へ連行。
その影響で身寄りがなくなった為、彼女は施設へ二年間、預けられることとなった。あの日、父の顔についていた傷は、確か爪でひっかかれたような形状であった。今考えてみれば恐らくあれは、父の抗戦の痕でなく、母の、抵抗の痕。
何故、気付けもしなかったのだろうか。まして裏切り者に手を取られ、母の母国に移り住むなど。

かあさま。私はこんな、かあさまの返り血も平気で拭うような男に、生を授けられたのですね。
このかあさまの愛を一身に受けることすらもできない力の代償も、やけに左右の対称な色白い顔も可愛げのない身体付きも、この男に似てしまったのですね。
何をすれば、愛した一人に恵まれなかったかあさまは、報われるのですか。
それがわかるまでは、どうか私が悪党の返り血を浴びて生きることは、お許し下さい。

施設を出た直後、そのままGEAへの入隊試験を受け、高成績で機動隊へ配属。以来、八年間という僅かな年月と若い年齢には見合わない功績を納め、日本の治安維持に貢献し続ける。
現在はとあるRCの組織に潜入中。今回、この潜入の任務を任されたことは、正直悪の活動の片棒をかつぐことと同義である為不服でしかないが、これも将来の和平の為……と、今は割り切って組織の用心棒に徹している。

【SV】

「機動隊第六分隊第一班、ミツキ・アーヴィング・アールト。これより、新班員である君の教育及び監督責任者としての戦闘指導を行う。指示に背くことはないように」

「君如きにできることがあるなどと、慢心しないほうがいい。……キツイ言い方に聞こえるだろう。私に教わることを、ひいてはこの組織をやめたくもなるだろう。ああ、大いに良い。敵はいつ、どこで、なにをするかも分からない。今ここで、全てを教わる相手を選り好みしない我慢強さくらいは、無論必須だ」

「……?そういえば、今日の気温はいつもよりも低いのだったか。いい、室内で暖を取ってこい。今日の訓練はここまでとする。……私は夏場に動けなかった分を取り戻しておかねばならない」

「虧月だ。……これ以上のことは話さない。必要のない事項だ」

「……まどか。こちらへおいで、振り返らずに。後ろの者には……私から、話がある」

「夜が、好きか。まどか。……確かに、月明かりの照らす花はまた一興だ。だが……私は、そこらの野にあるような花をただ眺める、昼下がりも好きだ。君のようにどこまでも可憐でなくても、素朴な花も、陽だまりにあるだけで愛くるしく感じる」

「っま、まどか。あまり、そう距離を詰めては……っ、あ、危ないだろう。先の戦闘で、足元が荒れている。……少し、目を瞑っていてくれ。私が運ぼう」

「目を瞑っていてと言ったろう、まどか。……私の肌が焼けただれるのは、きみのせいではないんだ。頼むから……あまり悲しそうな顔をしないでくれ、私のためになど」

『とおさま、かあさまはどちらへ?……まあ、なんてことでしょう……わたくしの、かあさまが……ああ、会えないだなんて。悲しいです、不安です、折角かあさまの好きなお花を摘んであったのですよ?とおさま……ああっ、とおさま、待ってください!かあさまがいなくなったというのに、もうねてしまうのですか?かあさまが……恋しくないのですか?』

【備考】現在潜入中の組織では、虧月〈きげつ〉という名でボスの娘〈子星まどか〉の護衛をしている。また、その任務のうちに、親から愛を向けられず、道具のように扱われてすらいるのにも関わらず、可憐にあり続ける彼女に、敵ながらも計り知れない感情を抱いてしまっている。それはきょうだいを慈しむ慈愛であり、また恋慕にも等しい……のやもしれない。

機動部隊でなく諜報部隊に配属されたのは、彼女の機械的に物事をこなせる正確さが理由。能力も戦闘に優れており、潜入時にも殺し屋・蝙蝠的立ち位置として経歴を偽りやすいといった点も要因としてある。