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男女共同参画週間について考えた!ーー「だれもがどれも選べる社会に」って?

毎年6月23日から29日は、男女共同参画週間です。今年のキャッチフレーズは「だれもがどれも選べる社会に」でした。

男女共同参画週間のキャッチフレーズは、例年公募で選ばれています。今年は「男女ともに自らの個性と能力を最大限に発揮できる社会を実現していくためのキャッチフレーズ」が公募のテーマ。応募総数2,348点 から選ばれたのが、「だれもがどれも選べる社会に」でした。

キャッチコピーを眺めていると、いろんな問いが生まれてきました。

  • 「だれもがどれも選べる社会」って、どんな社会?

  • 今、私たちは選べてる?

  • 本当に選べるのかな?そこで、スクエア+の編集委員2名と事務局でミニ座談会を実施することに。一緒に考えませんか?


そもそも「男女共同参画週間」って?

座談会の前に、そもそも「男女共同参画週間」とはなんでしょうか?

これは内閣府男女共同参画推進本部が実施するもので、「趣旨」によると、「男女が、互いにその人権を尊重しつつ喜びも責任も分かち合い、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会の形成に向け、男女共同参画社会基本法の目的及び基本理念に関する国民の理解を深めるため、『男女共同参画週間』を設ける」とのこと。
 
この期間中、男女共同参画社会の実現をめざして、さまざまなイベントが全国各地で催されています。
 
清瀬市では、男女共同参画週間記念講座として、6月15日に映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」の上映会が行われました。当日の様子はこちらの記事でご紹介しています!


座談会「だれもがどれも選べる社会」


では、「だれもがどれも選べる社会」とはどんな社会なのでしょうか?このキャッチフレーズを題材に、編集委員と事務局であれこれ話してみました。
              登場人物:T(20代)K(40代)M(60代)
 
――「だれもがどれも選べる社会に」というキャッチフレーズについて考えてみたいのですが、はじめに、自分自身では「選べている」と思いますか?

M:私の頃は四年制大学に行ける女性は少なくて、行けただけでもありがたいことでした。子どもを産んで管理職も経験して、仕事は楽しかったけれど、これが本当に自分でやりたい仕事だったのか疑問が出てきて。結局、50代の初めに大学院に入り早期退職しました。私は妥協しながら、選んできたのかなと思っています。

T:私は選べなかったことも多いと思っています。奨学金を借りて大学に行きましたが、「やむを得なかった」という気持ちがやっぱり大きいですね。
 
K:私もあきらめたことがたくさんあります。置かれた環境によって選べたり選べなかったりするので、「誰もがどれも選べる社会」とはなかなか遠い存在だなと思ってしまいました。
 
――働き方と子どもを育てること
M:私の場合は、実家の近くに引っ越して手伝ってもらったのですが、確かにそれは誰にでもある選択肢ではないし。

K:仕事に関してだと、時短という働き方を私が自分で選んだのか、選ばざるを得なかったのかは、微妙なところです。一方、男性も働き方を変えづらいことが多いのではないでしょうか。もっと育児に時間を割きたいと思っても、長時間労働が前提になっていたり…。

M:(男性の)働き方改革は重要なポイントですよね。

T:私は今の生活で、子どもを産んで育てられるか実感が持てないんです。朝8時に出て夜8時に帰る生活で、育児なんてできるのかな、という不安が。選ぶ/選ばない以前に、選択肢がわからないです。 

――選択肢がない時はどうすればよいのか

K:選択肢がない場合も。どうすればいいのでしょう。

M:自分たちで作ったり、自分で情報を探したり、でしょうか。

K:作る、探すといった動きで道が見えてくることもあるかもしれませんね。選択肢を持てないことを個人の責任にしてはキツイので、いろんなリソース(資源)が社会にもっと増えたり、制度が変わったりするといいなと思います。
 
M:それから、子どもを持たないことも、選択肢の一つですよね。
 
――性別にかかわらず誰もが生きやすい社会になるために、どういうことが変わるといいとよいでしょうか

T:私は社会に出てからジェンダーのギャップに戸惑いました。自営業で忙しかった母と祖母の元で育った私と、専業主婦のお母さんの元で育った私の彼の感覚は違うのかなと思うことがあります。制度の変化も大事ですが、一人ひとりの認識を改めることも欠かせません。

K:女性を含め、より多様な人が組織の意思決定に参画できるようになるとよいのではないでしょうか。

T:職場については、女性だけ・男性だけではなく、偏りがないといいなと思います。

M:清瀬市は、女性の議員も自治会長も多く、全国的にみるとそれは珍しいです。なぜ多いのか、興味があります。また「女の子は理系が苦手」のような刷り込みが、今でもあるのでしょうか。キャッチフレーズをきっかけにいろんな論点が出たと思います。これからも話していきましょう。
 

座談会を終えて


「麦畑をかけぬけて」という書籍があります。「聞き書き 清瀬の女たち」という副題がついたこの本は、戦前から戦中、戦後すぐの清瀬での暮らしについて、女性たちの話を記録したものです。これを読むと、「選べなかった」エピソードがたくさんあることに気づきます。多くの方の尽力で、当時と比べれば選べるようになった今。それでもなお、日本社会のジェンダーギャップは大きいままです。性別にとらわれず、すべての人が自分らしい生き方を選べるようになるため、社会はまだまだ変わっていく余地があるはず。これから始まるこのスクエア+でも、様々な話題を取り上げて掘り下げていきたいと思います。
 

終わりに


今年の男女共同参画週間のキャッチコピーは、清瀬市男女平等推進条例第3条に掲げられた5つの基本理念のうち、(1)(2)と重なる内容といえます。

清瀬市男女平等推進条例 第3条 (基本理念)
(1)すべての人が個人として人権を尊重され、性別を理由として直接又は間接に差別的取扱いを受けることなく、一人ひとりの個性と能力を十分発揮できる機会が確保されること。
(2)女性と男性が、性別による固定的な役割分担にとらわれることなく、自己の意思と責任による多様な生き方の選択が尊重されること。

清瀬市男女平等推進条例


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