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フリーランス総合診療医、船医になる③『船内での生活とお仕事🩺』

大変、ご無沙汰しております😳
気づいたら前回の更新から、だいぶ時間が空いてしまいました・・・

初めての船医のお仕事の話を書き上げる前に、次の船医のお仕事が決まり(笑)
慌てて時差投稿を書くことにいたします!🛳️


1.船内生活の1日の流れ


「船の中の生活ってどんなことするの?」「2ヶ月弱も船の上の生活なんて、想像できない!」
皆さんからよくいただくご質問にお答えします💡

朝は6:30頃に起床、7:00に朝食です。
食事は、船の先頭にある食堂でいただきます。
出航後初めての食事では、揺れる船内でお味噌汁を運ぶのが大変でした🥣(笑)
天候が悪い時には、食堂の窓から見える海面が、窓枠から出たり入ったり大きく上下し・・・🌀
危ないので食堂の椅子は全て、床に固定される仕組みになっています。
こんな日は、さすがにあまり食が進まない日もありました。
(この話だけで船医の仕事が無理だと思う人がいたらごめんなさい!でも続き読んでね)

勤務時間は8:30〜17:15ですが、基本的にはルーチーンワークはありません。
私が乗った船は、20−60歳の比較的若くて健康な船員さんばかりでしたので、
時々、健康相談を受けることはありましたが、幸いにして大きな怪我もなく、
ほとんど仕事らしい仕事はありませんでした🩺

勤務時間内も船内を自由に動いていいとのことで
私は主に操縦室に上がり、ほとんどの時間を船員さんたちとお話しして過ごしました🌺

船員さんたちは、一年の3分の2ほどの時間を海の上で過ごします。
主に甲板部・観測部・機関部があり、それぞれ3人✖️3チームで構成され、
4時間毎の交代勤務で24時間を回しています。(過酷だなぁ・・・)

普段、家と病院を行き来するだけの生活では
なかなか出会うことのない職種の方々と
仕事のこと、船生活のこと、海外の寄港地のでエピソード、陸で待つ家族のこと・・
本当にたくさんのお話をさせていただきました。
自分の知らない世界を知るって、面白い。視野が広がるのを感じました。

今まで見た夕焼けで一番綺麗な空


その他の時間は、デッキに出て刻々と色が変わる海を眺めたり、
クジラやイルカを見つけては興奮したり🐋、
たまには運動しなきゃと筋トレしてみたり、
友人に借りたDVDを部屋で見たり、本を読んだり
とても優雅な時間を過ごしていたと思います✨

昼食は11:00、夕食は16:00(!)、夜食は19:00(!?)・・・1日4食?!🍽️
そう、船員さんたちの4時間毎の勤務に合わせて船での食事はなんと1日4食
もちろん、自分の体調に応じてお断りしても大丈夫なのですが
貴重な船の食材を残してしまうのも申し訳なく・・
後半は結構、胃もたれを起こしていたのを覚えています(笑)
お食事は朝は和食、昼は洋食、夕は和食のことが多く
ちなみに夜食は焼きそば、たこ焼き、スイーツなどの屋台メニューでした🐙

夜間は船内の全てカーテンを閉じる決まり。(異常信号と間違われないように)
夜の海は、なんとも神秘的な世界。
海はもちろん真っ暗で、あるのは月の光だけ🌖

時々、夜中に観測作業が行われることもあります。
こっそりカーテンの隙間から海を見ると、何やらキラキラしたものが飛び回っている😳
よーく見ると、群れになったイカでした。あんなに綺麗に発光するんですねー。

海は、毎日違う表情を見せてくれる


2.星降る夜に

ある日の夜中。
許可をいただいて操縦室に上がると、そこは真っ暗闇。
照明を消し、船員さんたちの目とレーダーを頼りに船は進みます。
自分の目が暗闇になれるまで少し時間を要しましたが・・・外を見るとなんと!
そこには素晴らしい星空が広がっていました。

特に緯度3度まで南下した時には、南十字星も輝き・・
その美しさは格別で、これまでの人生を振り返りながら
言葉にならないほど感動したものです。🌠


3.船内の医療設備

さて、幸いにして緊急事態がなかったとはいえ、緊急への備えは必要。
船に乗ってすぐにチェックしたの医務室の設備です。
一言で言えば、何もない。笑

医薬品は最低限で、ほとんどは市販薬の類。
心電図と、AED、そして少しの縫合セットが備えてある程度でした。
点滴ができる備品も少しあったと思います。

船の上で、緊急事態が起きたら。
提携している陸地の病院と緊急電話が繋がるようになっていて、
患者搬送の際には海上保安庁に応援を要請します⛴️
以前に書いたように、船の上では電波状況が悪いので、
すぐにネットで検索したり、同僚の先生に連絡を取って相談する・・
ということは、できないのが現状
です。

離島医療の経験がある私にとって、船上医療は離島医療と同じ
医療資源の乏しい中で命を繋ぐために何をするか、何ができるか、
頭の中で何度もシミュレーションしたものです。
おそらく、実際に緊急事態が起きた時には、十分な道具がないので
現場にあるものでなんとかできないか、発想の転換が要求されるでしょう。

こんなことを書きながらも、実際には不安もあります。
でも、船にいる医療者は、私1人。やるしかないのです。🚑

言葉にならない美しさ


4.終わりに。そして次の航海へ!

そんな日々を過ごしながら、約2ヶ月の航海を終えてから2年弱。
この度、2025年2月に再び船医として航海に出ることが決まりました❕🌊

今回はコロナも明けて、海外へ寄港することも決まっており🏝️🇵🇼
今からとてもワクワクしています☺️

また皆さんにいろんな報告ができることを楽しみにしています🫧
離島医療や船医について、ご質問や感想などある方は
お気軽にコメントいただけると嬉しいです。


では、また次の記事で!(もしかしたら船医おまけ編があるかも?)
お読みいただきありがとうございます。

Reiko 🐋🌺

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