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西尾市方式PFI反対市民集会報告

H29.4.29(土)
西尾市方式PFI反対市民集会報告
場所 西尾市文化会館 小ホール

「西尾市方式PFIの問題点」(要約・一部補記)

 PFIとは何か。それは「公共施設再配置」の手法です。目的は「公共施設再配置」であり、PFI自体が目的ではありません。
 公共施設再配置とは何か。それは、公共施設を効率的・効果的に配置することを目的とした西尾市の政策です。今後、全国的に人口が減り、税収が減ることが予想されています。また、人口が減ることで、今までに必要であった施設が不要になることが考えられます。

 特に西尾市では、合併によって類似・重複施設ができました。施設全体を見直し、必要な施設の取捨選択を行っていくことが「公共施設再配置」です。

 西尾市の公共施設再配置の基本方針は次の3つです。
 1.原則、新たな公共施設は建設しない
 2.優先度の低い施設は、すべて統廃合を検討
 3.市民と共に公共施設再配置を推進
 つまり、「市民と一緒になって公共施設を減らしていくこと」です。

 公共施設再配置をすすめる理由は、市の財政が厳しいからです。市の財政は、平成23年度の合併から5年間は特別措置により地方交付税の上乗せがありましたが、今後5年間で徐々に減らされ、最終的には上乗せ分はゼロになります。その結果、将来的には年間約20億円の収入減となります。

 このままでは、学校や保育園など、市にとって欠かせない現状の公共施設の維持すら困難であるからこそ、今のうちから公共施設の見直しを図り、削減・統合をしていくことが公共施設再配置のテーマです。

 公共施設を見直し、統廃合をしながら必要な施設を残していくことは、やらなければならないと考えています。公共施設再配置に反対ではありません。

 しかし、西尾市が「西尾市方式PFI」という方法を用いたことで、市民にとって非常に不利益な契約が結ばれました。だから、反対しているのです。

 西尾市は、公共施設再配置を行うため、平成28年5月に株式会社エリアプラン西尾と契約を締結しました。契約するまで、どのような施設が建設されるのか市民に明らかにされず、市民が西尾市に情報公開請求をしても、用語の定義や趣旨といった個人情報と関係ない部分まで黒塗りの資料しか提供されませんでし た。

 契約した後にようやく、契約内容、計画内容、施設の詳細が少しずつ明らかになり、非常に問題のある内容であることが分かってきました。

 吉良支所と温水プールについて触れます。

 吉良支所は、「新規建て替え」です。旧吉良町役場は古く、合併前から耐震に問題があるということで合併後は使用せず、同じ敷地内の隣にある建物を現在は吉良支所として使用しています。
新規建て替えということは、耐震上問題があるのでしょうか。
 現在の「吉良支所」は1996年の建設であり、平成24年度の耐震調査では問題がありません。今後も引き続き十分に使用できます。

 公共施設再配置計画では、方針として「施設の削減」とともに「施設の長寿命化」もあります。長寿命化すれば、十分支所としての機能も果たせます。

 まだ使える吉良支所を壊して、どのようなものを建設するのでしょうか。
 吉良支所で公開されている図面によると、「吉良支所(3分の1)」+「フィットネスクラブ・銭湯(3分の2)」です。

 吉良支所の敷地には、支所、旧役場、まだ使える吉良町公民館があります。これらをまとめて解体します。ところが、吉良町公民館よりも耐震調査で健全度の低い一色町公民館は、解体せず改修し、新しい一色支所として使用します。市は何を優先しているのでしょう。

 吉良支所は「公共施設」としてフィットネスクラブと銭湯を合わせて建設します。フィットネスクラブや銭湯は、もともと市の発注要件にはなく、業者からの提案によるものです。公共サービスではなく契約業者の収益事業であり、建設費8億円は全額市が払います。フィットネスクラブの利用料は、1回1,000円とのことです。

 続いて、寺津温水プールの建設は、寺津小中学校のプールを統合し、室内温水プールを建設するというものです。
 わざわざ室内温水プールにするのは、老朽化が激しい一色B&Gプールを壊し、代わりに一般市民が利用することと、民間業者がスイミングスクールを行うためです。スイミングスクールも、公共サービスではなく契約業者の収益事業であり、建設費5.5億円は全額市が払います。

 屋外プールの例では、中学校のプールでおよそ2億円と言われます。つまり、温水プールの機能を3.5億円かけて追加することになります。

 また、合わせて近隣7校の小中学校のプ―ルは廃止の方針です。授業にはバスで通うという話が出ています。事前に学校から保護者に説明はなく、議会でも問題提起がされていますが、市から具体的な対策説明はありません。

 しかも市は、今後プールが老朽化した学校については、順次同じように民間スイミングスクールの活用を検討していくとしています。

 フィットネスクラブ・銭湯付き吉良支所と寺津温水プールに共通することは、事業による収益が期待できるなら業者が自前で建設すればよく、公金(税金)で建設する必要があるのかということです。

 市が行った世論調査では、住民からのスポーツ施設に対するニーズは15.4%であり、高くありません。医療、防災、福祉、教育、子育て、公園の施設の順で、スポーツ施設より上位にあります。

 住民の利用が予定どおりにいかず、民間の収益事業がうまくいかない場合は、3年経てば撤退できる契約になっています。建設費のリスクは市が負っています。後始末には税金が使われることになります。

 下記に再掲しますが、西尾市が結んだ公共施設再配置の契約は、基本方針とは異なるものです。

 (再掲)西尾市の公共施設再配置の基本方針は次の3つです。
 1.原則、新たな公共施設は建設しない
 2.優先度の低い施設は、すべて統廃合を検討
 3.市民と共に公共施設再配置を推進
 つまり、「市民と一緒になって公共施設を減らしていくこと」です。

 まだ使える施設を市が費用をかけて壊し、住民ニーズが低いスポーツ施設の建設費は市が支払い、民間業者の収益事業は3年経てば撤退できます。

 以上のことから、西尾市方式PFIを止めようと住民訴訟が起きています。

 また、6月25日に市長選挙と市議会議員選挙があります。平成28年の6月議会では、議論が割れました。
西尾市方式PFIの是非は、次回の選挙の争点になります。

 市民のための市政を行う候補を選択し、選挙に行きましょう。
(特定の候補者への投票を呼びかけるものではありません)

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