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松任鉄工所様

っっっしゃ!!!二度目の鉄工所案件!クライアントの業種でテンションを上げ下げするなって?わかってます、わかってますけど、やはりモノづくりの現場は、好きだ・・・!燻銀みたいな人々に会えそうなのも、ワクワクするじゃんね・・・(そしてそれは期待通りだったのである)

「松任」は、まっとう、と読みます。アクセントは「と」。
石川県には松任という地名もあるため、県内人なら誰でも読めるのですが、県外の方は少し読み方に迷うかもしれません。
松任鉄工所の場合、松任は地名ではなく苗字。松任一家が1965年ごろに始めた、社員8人(2022年現在)の鉄工所です。

さて、今回のサイトは、とにかく人の顔を見てほしい。写真からも、動画からも。
最初に現地にお伺いした時に感じたのは「ここのみなさん、なんていい顔してるんだ」でした。
会長さんは大きなことは一つも語らず、とにかく目の前の仕事に対して誠実に向き合って戦後を生き抜いてこられた方で、無欲な生き方がそのまま顔に出ている。その会長の息子である社長さんも、とにかく笑顔の絶えない人。
「僕は人が好きで、この地域が好きで」と嬉しそうに語り、「だからこそ、この地域で閉じていく鉄工所があるのが切なくて見ていられない。今回のサイト制作は、自分の会社が生き残るためだけじゃなくて、地域全体で前に進んでいくための起点となるサイトにしたい」と制作前からお話しされていました。

実は松任鉄工があるのは、「鉄工所ロード」とでも呼びたくなるような、左右にさまざまな鉄工所が立ち並ぶ一本の通りの最奥。
私たちも現地に取材に通う際にはすべての鉄工所の脇を通っていくわけで、「周りの会社は元気かな」みたいなことを意識せざるを得ない訳です。なるほどなるほど・・・松任鉄工のサイトが、この地域の雰囲気を伝え、さまざまなご依頼に対して、松任鉄工だけではできないことでも、周りの鉄工所に繋いで紹介したり、協力したりしてお応えしていくことができるよというメッセージが伝わり、ちゃんとその機能も果たせるサイトにしたいよねという話になっていきました。

私の仕事としては、サイト全体のテーマを「時間」に設定。
一日一日をとことん誠実に積み重ねてきたこと。
一坪の小屋をスタートに、子が親を支え(現会長は、その両親よりも旋盤がうまかったので、両親に教えながら鉄工所を引っ張ってきたそうです)、家族が増え、仲間が増え、今の景色があること。
「エプロンの汚れを撮ってくれ!」
と、私はそればかり写真家のキザワ氏にリクエストしていました(笑)。
汚れだったり、顔に刻まれた皺だったり。そういうものの中に、重ねてきた時間の豊かさ、美しさがある。
ぜひ、多くの人に見てもらいたいと思いました。
もちろんテキスト類もそのテーマの中で書いていきました。
そして最後に、社長さんが、「僕はね、”ひとつ、ひとつ”という言葉が本当に好きなんだよ」とおっしゃったので、それを冒頭の冒頭に据えました。

「まっとうに。ほがらかに。」は、半分ダジャレでありつつも(※県外の方に「松任」が読めるようにという意図もありました)、真実なんですよ。
本当に、生き方が真っ当で朗らかな人たちなんです。小さな鉄工所にとってはこんなにも厳しい時代にあって、そうあり続けられるって、普通のことじゃないですよ。リスペクトを込めて書かせていただきました。

松任鉄工所さま、ありがとうございました。
社長が「みんなコーヒーが好きだって聞いたから!」とマウントレーニアを制作陣の人数分買って笑顔で走ってきた光景を思い出します。あれでなんと心があたたまり、元気をもらったことか。
松任鉄工所さまの周りにこれからどんどん笑顔が増えていくこと、そして地域の鉄工所として新しい生き方が切り拓かれていくことを、願っています。

*まとめ*

私のしたこと:ヒアリング、企画、コピーや下層ページのコンテンツなどほぼすべてのライティング

スチール撮影、動画撮影・制作:キザワヒロヤさん

ディレクション、デザイン、コーディングなど、上記以外の何もかも:谷川司さん



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