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バトンフラワー 様

金沢市、新竪町商店街の角っこにある花屋さん。一見、花屋には見えないお洒落でスタイリッシュな外観です。

ご依頼はシンプルに、webの新規制作でした。お花屋さんというのは花の仕入れのチョイス、そして何よりブーケやアレンジメントのセンスで顧客からの指名を掴んでいくものですから、バトンフラワーさんの持つ花選びのセンスを引き立てるサイトにしていくのは大前提。さらに、ブーケやアレンジメントをつくる際にとても大切にしておられる「間」のようなもの(漫才で言ったら間合い、文章で言ったら行間、絵で言ったら余白みたいな)をデザインと言葉でどう表現していくかが、本案件の一つのテーマだったように思います。「全部は言わない」みたいな。

店主のフローリスト・岡田様には、幼少期のお話から、独立の経緯、「バトンフラワー 」という店名に込めた想いなど、いろいろな方向からお話を伺いました。「あえて手をつけない事業」も明確にお話しされていたので、そうしたこともヒントに思考を進めました。

(ちなみに、ここで自宅用のお花を買うと、包み紙に岡田さんが花の種類をちっさい字で書いてくれます。そういう心遣いも嬉しい。)

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(エリンジュームが二回ある。笑)

さて、いくつかお出ししたキャッチコピーの中から、岡田様が選んでくれたのは「その想いが咲きますように。」の一行でした。キャッチが決まった後は、交差点にあるお花屋さんであることもイメージの中で重ね合わせながら、最終的には詩的なトーンでコンセプトを書き起こして納品いたしました。何気ない瞬間に不意に訪れる、生きていることや出会えたことを祝福したくなるような気持ちを瑞々しく表現できていたらいいなと思います。

花束ほど、つくる人のセンスが出るものってないよなぁ、と改めて思います。岡田様のつくる花は、花だけで完成!これは作品だからもう触らないでね!みたいな、かっちりとした造形ではなく、森の中からさっき摘んできて抱き寄せたようなゆるやかさがあります。そこに、贈る人、贈られる人の個人的な感情が乗る余地があったり、なんとなく昔の記憶を呼び覚ましてくるような要素があったり。

自然で伸びやかなブーケをつくる岡田様。サイトがこれから多くのお客様を惹きつけ、人から人へと想いがバトンされていくことを願っています。そして岡田様の夢も叶いますよう。またお花買いに行きますね。

2021. 5. 16 追記:本サイトで第42回日本BtoB広告賞コーポレートサイトの部銀賞をいただきました。関係者の皆様、ありがとうございました。


*まとめ*

私のしたこと:ヒアリング、コンセプト策定(デザインが先行していたので貢献要素は半分以下かも)及び書き下し、キャッチコピー

動画撮影:キザワヒロヤさん

上記以外の全て:谷川司さん


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