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幸福に向かう意志、一歩目。(「アートとコピー」初回講義の感想)

久しぶりに広告関連の研修講座を受講しています。宣伝会議主催の「アートとコピー」、メイン講師は電通の阿部広太郎さん。

「アートとコピー」がどういう内容の講座か、詳しくはこちらをご参照ください。リンク先のアドタイ記事自体、宣伝会議さんからご依頼を受けて私が書かせてもらっていて、直接の受講動機は「記事を書いているうちに自分が受けたくなってきてしまった」に尽きる。「アート生(=デザイナーやアートディレクター)とコピー生(=コピーライターやライター)が同じ人数で集い、各課題で一対一のコンビを組んで企画や広告をつくる(コンビは7回組み替えられる)。それを受講生同士で評価し合うことで、選ぶ目も鍛えられる」という立て付けがまず面白そうだったし、子育てとコロナで鎖国状態だった私のこの数年間に「デザイナーの相方」という他者の存在を入れていくのは実に刺激的だろうなと思ったわけです。全然違う扉を開いてみたかった。

ところで「アートとコピー」っていう講座名、ちょっと可愛いよね。トムとジェリーみたいで。修二と彰でもいいけど(古い?)。おっす、おいらアート!よろしくな!みたいな。

……で、受講には審査があったので、ポートフォリオを作成して提出。なんとか選考通過して初回の講義に辿り着き、まさにその初回でポートフォリオそのものへのフィードバックをいただけたのですが、ここから先は私が感じたこと・学んだこと・反省したことをピックアップして記載します。

ポートフォリオ=自分の企画書になっていたか?

単に過去実績を並べたものを作るのではなく、誰に何を伝えたくてこのポートフォリオを作っているのかをよく考えて作りましょう。ここまでは、私も理解した上で作っていました。しかしさらにその先で、ポートフォリオそのものが「自分の企画書」と呼べるくらいに、全体的な世界観や相手を楽しませるための「企て」を持って生み出されていたか?という点では私には大いに反省があったわけです。私のポートフォリオ、「見え方」への配慮が全然無かったし、世界観という意味でもレベルが……。

いやもう、本当に企画が好きでうまい人は、日常のあらゆるところに改善の余地があるかどうか考えているし、意匠性を発揮しているんだなと。「目に見えるすべて、工夫可能。」それを他の受講生の素晴らしいポートフォリオで突きつけられて、序盤から勉強になりました。「企画に携われる仕事がなかなか巡ってこないから企画力を磨けない」なんて私の愚かな言い訳でした。42人のポートフォリオ、最高の教材です。

書きすぎない。引き算して濃く。

このnote記事もすでににして長くなってきているので、上の見出しで何か書くのも心情的に辛いんですけど(笑)、伝わるポートフォリオは提示している作品数自体はそこまで多くないものもあったのが印象的でした。過去実績に割くページはまぁ全体の半分程度で、あとは自分が何を考えてここまできたか、どういう人間か、なんでこの講座を受講したいかという内容に使われていた気が。過去実績に関しては自分の中で「これぞ!」という数作品だけピックアップすれば、あとは勝手に伝わっていくっていうのもあるのかもしれない。

ちなみに先週、お客様に渡す資料を作る機会があったのですが、早速他の受講生のポートフォリオですごく見せ方の綺麗なものを参考にして作ってみたんです。文字を極力減らし、写真を見やすくレイアウトし。「伝え切れた」という実感はまだないものの、意外とそれでも言いたいことはお客さんに汲んでもらえた手応えがあり、ちょっとした発見でしたね。バランスはこれから見つけていきます。

おそらくは功を奏していた「私の試み」も。

最後に、私のポートフォリオは文字ばっかりだったんですけど、阿部さんからの評価は実はそれほど悪くはなかったんです。なので、押し付けがましいかもしれないけれど、私が何を一番気にしながらポートフォリオを作ったかだけ記しておきます。

何を気にしていたか。それは、阿部さんが事前の告知で「(受講希望者にポートフォリオを提出してもらうのは、)どんな人が来るのか僕らも怖いから」ってポロっとおっしゃっていたこと。怖い。そりゃそうだよなー、怖いよなあ。だって、億万が一にも悪意を持って人を傷つける人や熱意のない人が入ってきたら、一番苦しむのはその人とコンビを組む受講生だもん。事務局とか講師じゃなくて。多分それが怖いんだろうな。

「熱意のない人」「人を傷つける人」と書いたけれど、まぁ別にそんな人はそう多くないと思う。だから正直、考えすぎかもしれない。それでも私なりにいろいろと「怖がらせない」方策を考えて(笑)、少なくとも「攻撃的なコミュニケーションをとる人間ではないこと」「レベルはともかく一生懸命やる人間であること」「どういう講座か理解していること」「自分の内側にあるものをシェアする意思があること」等々が伝わるように意識的に織り込みながら、各コンテンツ(?)を置いていったような覚えがあります。安心してもらおう。安心してもらうための配慮をし尽くそう。別にそれが選考基準ではないと思うし、加点をもらうためではなく最低限のことかもしれないけど、私はこれを気をつけとこう。と思いました。

「企画とは、幸福に向かう意志」と阿部さんはおっしゃっていました。幸福ってなんだろう。私の幸福とあなたの幸福が同じならいいけど、違う場合には何を伝えればいいのだろう。考え出すと色々難しい部分はあれど、日々悩みながら、書いたり生み出したりして生きる一生を一歩一歩進んでいきたいと思います。次回の講座も楽しみです。

ところでパワポの色ってどこで変えられるの?(そこから!!!!)

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