土曜の夜と日曜の朝

先生とは子供の頃からずっと今までのこと
色々なことを話す。
言ってみれば、時間旅行みたいなものかな。
とうの昔に記憶の奥で葬り去ったものまで全部。
時後列に関係なく話す。

この前はバックミラーの中の彼女の話をした。
彼女は僕を街のゴミ、ガラクタだねと言い
あたしもクズだけどと。

そして
ただのガラクタがダイヤモンドに変わる場所があるって
話をしてくれて、行けるなら一緒に行きたいなって

それは彼女の夢物語だったのだろうけど
きっとそれが呪文だったんだな。
僕は今でも解けることのない魔法にかかったままだ。

車を運転するバックミラーの中に
いつも彼女を探してしまう。

免許取り立ての18の夏、イケブクロ
先輩の仕事を手伝って、女の子を運んでいた。
小悪党の手伝い。街のゴミ。必要のないガラクタだな。
まだ16の彼女と18になったばかりの僕には
とっても残酷な出会いだった。

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