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麻生龍太郎について〈聖黒〉

「聖なる黒夜」及川、山内を纏めてみて改めて麻生龍太郎という人物の難解さに頭を抱えた。
もっと早く纏められるかと思いきや、聖なる黒夜は勿論のこと所轄刑事、私立探偵などを読めば読むほど彼の真意がどこにあるのかが不透明で、わからない故の奥深さに惹かれた。惹かれまくった。
私は麻生龍太郎の人間臭さが大好きで、少し自分と重なる所があるからか、とにかくそれ故にわからないキャラクターだと思う。
例に漏れず「麻生龍太郎」もとても妄想全開の纏めとなっています。愛ゆえに好き放題書いている所が多々ありますが、どうかご理解いただけたら幸いです。


さてさて。麻生龍太郎の奥深さは、やはり彼の視点で物語が描かれている場合が多い事にある。
聖なる黒夜、所轄刑事、私立探偵はまさに彼が主人公であり彼の視点、考えがダイレクトに読者に投げかけられてくるので、初見で私が抱いた彼に対しての印象はこうだ。
『上司や同僚だったらとてもいいな、と思える男性』

それは裏返せば『表面上、当たり障りのない付き合いをするならば、こんな心地いい人はいないだろう』という事。
プライベートの領域に踏み込んだ途端、意外性を感じてしまうという事は、多かれ少なかれ誰しもある筈。
職場でさらっと仕事の事だけを追いかけている場合ならばよかったのに…と思われやすいタイプなのかなと感じた。
だからといって、仕事に対して不真面目かというとそうではなく、むしろ一目置かれる存在であったりする。麻生はわかりやすく静香に好意を持たれていたが、確かに自分が静香の立場だったら惚れてしまうのもわかる気がする(突然の夢女視点)そして、麻生の人柄に惹きつけられているのは静香だけでなく、同性である山瀬や同期の板野。二課の梶原なんかも言動に親しさが感じられる。
麻生を頭とする麻生班は彼の人柄に惹かれ、麻生になんとか手柄を立てさせてあげたい!と思う部下達の熱意がひしひしと伝わってくるのだ(別作品とはいえ、同じ捜一で合田の周りは常にヒリヒリしてる……)

ここで、今更だけれども彼のデータをざっくりとまとめてみた。

■麻生龍太郎(本庁捜査一課 / 警部 係長)
聖なる黒夜の時点で恐らく43歳。
1952年生まれ。12月頃
186センチ(ぐらい)
国士舘大学附属高校▶︎国士舘大学(たぶん)
家族は父母弟の四人で、東京都深川で生まれ育つ。
大学でも勿論剣道部に入部。1年の時に3年だった及川純の付き人になり、彼が引退する日に関係を持つ。以降10年恋人関係となる。
そして麻生31歳の時に24歳の玲子(喫茶店で一目惚れ)と結婚(ちょっと時期があやふやです)
及川とは別れるも、玲子との結婚生活も長くは続かない。
その後、麻生43歳の時に(1995年)韮崎事件勃発。10年ぶりに世田谷でパクった男、山内練と会合。

ざっくりと、と言いながらも麻生は情報が多いので全然纏めきれませんでした…

そして性格は、基本的に穏やかで優しい。しかし人の心の機微を読み解く事が苦手で、喜怒哀楽が希薄。自己完結できる性質であるがゆえに、人に何かを期待したり頼ったりしない。
深く何かひとつの事に執着する事がなく、人を愛する事が恐らくできない(しかし性欲はある)
かといって、冷たい人間かというとそうでもなくて、彼に惹かれる人間は男女問わず多い。
限りなくヘテロに近いバイセクシャル。

麻生については、正直丸腰さんの見解がめちゃくちゃ分かりやすいし、何度も目から鱗が落ちたので(読解力は勿論のこと、考察力が素晴らしい)彼のセクシャルの事などはあえてぶっ飛ばして、麻生ってこういう所ありそうだなーっていうふざけた妄想をします。すいません…


〈麻生龍太郎の嗜好妄想〉
食べ物▶︎たぶん米と肉。丼ものなど、一気に食べられるものが好き。ラーメンやそば、うどんも好きだし基本何でも食べる。ただ、薄味はちょっと苦手。甘いものも好きだけど、洋菓子よりは和菓子。酒饅頭とか。

タイプ▶︎玲子に一目惚れっていう事から、丸顔で目の大きな美人よりも可愛い系が好きだと推測。相手に多くは望まず、側にいてくれさえすればいいという男。でもその気持ちはよくわかる……
麻生みたいなタイプは、何も言わないでニコニコしてる女が似合いそうだけど、玲子状態になる恐れがあるので、ある程度及川や練みたいにバシっと背中を叩いてくれる所がある人(舵取りしてくれる)の方が上手くいきそうな気がする。

趣味▶︎ドライブ?車の運転が好きらしいけど趣味なのかな。定年したらやる事なくて奥さんに邪魔にされる予備軍。なんでもいいから何かした方がいい。(合田と畑したらどうかな)

及川のこと▶︎なんだかんだと別れても尚甘えてしまう相手。仕事の事でも(警察辞めてるのに)会えば話したくなってしまう。及川ももう前ほどの熱は無いにしろ、やはり生涯ずっと好きな事には変わらないから世話を焼いてしまう。
及川に彼氏がいるのでもう泊まりには行けないなぁ。と残念に思ってるけど、お前のせいやからな麻生。

練のこと▶︎かわいいと思ってる(庇護対象)同時になんとか更生させないと、と思い込んでいる。練の今の姿を受け入れるというよりは、カタギに戻す事が彼の幸せだと頑なに信じている所は、山瀬と同じ(龍さんはホモじゃない)
結局別れてしまうけど、お互いそこそこ未練がある。


麻生龍太郎は、練が言う通りヒーローでもなんでもない一介の男で、そこには欲もあるし打算的な考えもする。けれども、やはり彼は目が離せない魅力があって、読めば読むほど彼の魅力に気づく事ができるのが、たまらなく楽しい。