スーパー戦隊から学ぶ組織学

~ワクワクするモノ~

 私がこよなく愛し、私をいつもワクワクさせてくれるコンテンツがある。それは『スーパー戦隊シリーズ』である。普通の人ならば、小学生になると同時に、日曜朝8時~9時帯の番組視聴は卒業していくものだが、来年度から社会人の一員になる私は、未だに日曜朝はテレビにかじりついている。スーパー戦隊のどこに私をそこまで夢中にさせるものがあるか、今回は熱弁させていただきたい。


~戦士の色と性格(役割分担)~


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歴代スーパー戦隊のほとんどが、なぜ五人なのであろうか。


 根底にあるのは、チームを成り立たせるためには五つの役割というものが必要だ、という考えである。それが全部そろった時、チームは究極の完成形態を見せる。現実において、バランスの悪いチームというのは、空席になっている役目があったり、役なしの人間がいたりする。それに対してスーパー戦隊は五人全員が一つずつ役割を背負っている。そしてスーパー戦隊シリーズが大きな成功を収めてきたのは、この色になぞらえた「五つの役割」を熟知しているからである。
 では、その色になぞらえた「五つの役割」とは具体的に何なのか?

○色と性格、役割のイメージ
 赤:熱血漢・リーダー 青:クール又は三枚目  黄:大柄・大食い・力持ち・大らか  緑:穏やか 印象にない  桃:女性
 
 ここにあげたのが代表的な5色であり、歴代43戦隊は主にこの5色をベースにしている。では、各色の役割について掘り下げていく。

赤について
 赤=リーダーという認識が強い。
性格は熱血漢・真面目・強い精神力・みんなから厚い信頼を置かれているというのが通例。平成に入ってからレッドの性格に種類が現れ、近年は未熟なレッドが多く登場し、レッドの成長物語というものが物語の筋になる戦隊もある。また冷静な大人のレッドというものもある(侍戦隊シンケンジャーなど)。真面目・強い精神力をもったレッドというものは減ってきて人間味を重視している傾向がある。

青について
 クール・冷静・ちょっと影のある性格。役割は、サブリーダーであり、赤のライバルにもなりうる。

黄色について
 大柄・大食い・力持ちというイメージの強い黄色であるがそのイメージに合う黄色はわずか5人。
 残りの24人のイエローはクールで頭脳明晰・明るいムードメーカーである一方、未熟なルーキーという役割である。

ピンクについて
 ピンクは全て女性が担当している。6代「大戦隊ゴーグルファイブ」以降女性が必ず登場しているがピンクの登場しない戦隊は白・黄・青が女性の色となる。ピンクとしての性格というものはなく「女性としての性格」が多様に存在。役割は、みんなを温かく見守り、男たちに負けじと戦う紅一点。

緑について
 緑の印象は「ない」。強いて言えば、グリーンに多く見られる傾向としては「最年長」か「最年少」であるということ。心優しい落ち着いた年長者であったり、おっちょこちょいの三枚目というグリーンが多い。役割は、前に出ていく赤や青を影で支える縁の下の力持ち。


 以上を踏まえ、様々な性格の5人がそれぞれの短所を補完し、長所を寄せ集めて、まとまりを持って戦うという図式は、子どもに好印象であり、それぞれ自分に望む性格に感情移入して子どもは見ることが出来る。「誰でもヒーローになれる」ということ、「各々の個性を生かし、自分の役割を果たす」ということがスーパー戦隊が子どもたちに教えることの1つであり、会社などの組織においても活きる考え方である。


~スーパー戦隊シリーズの演出~
 

○チームプレイの強調
 戦士は1人では怪人に勝てないというのがスーパー戦隊シリーズの大前提である。前述の役割と同様に、5人がそれぞれの短所を補い、長所をよせあつめて戦っている。一人ひとりの重みは全員同じであるため、巨大ロボに合体する時や必殺技を放つ時には全員揃っていなければならない。そして名乗りのポーズは全員揃っていなければ行わない。しかも、スーツも同じである。この演出を通じて、子どもの視聴者は他人と協力することを学び、自分の個性を生かし役割を果たすことで集団の中で順応できるようになるだろう。


~まとめ~

 一見、ただの子供向け番組のスーパー戦隊シリーズであるが、深掘りをしていけば、社会に通用する組織学の集大成であると私は思う。スーパー戦隊の主人公をリーダー格のレッドだと勘違いする人が多いが、スーパー戦隊の主人公は、戦隊5人全員である。最前線で戦う戦士だけでなく、後方で支援する戦士も主人公で、前者と全くの同格。NCGにおいても、西澤代表だけがNCGの主人公ではなく、社員全員が主人公であり、チームの要である。NCGという巨大ロボットで戦うためには、代表や上層部の「胴体」だけでなく、HR Techの「右手」、ヘルスケアの「左手」、人材の「右足」、グローバルの「左足」、社員といった「乗組員」がなければ完成せず、全員の息が合わないとまともに動けもせず、敵にやらせてしまう。しっかりと共通認識をもって、息を合わせることが重要だ。NCGがここまで大きくなれたのは、「NEO CAREER STATEMENT」という社員全員の共通認識を徹底してきたからかもしれない。私はこれからそんな戦士たちと共に戦っていけることが楽しみで幸せでしかたない。


~最後に~

私はまだ戦士と呼ぶには、まだまだ未熟すぎる。様々な修羅場を経験し、乗り越え、必殺技を覚えて、活躍する立派な戦士、そして、NCGの胴体となれるよう努力していきたいと思います。