小説の書き方の話(自己流)

とうとう本格的に暑くなってきましたね、夏は好きですがこの暑さは堪えます。
僕は梅雨時が一番体調など崩しやすく、今年も案の定絶不調でしたね、健康の大切さを毎年噛み締めております。

しみったれた前書きになってしまいましたが、今回は文章を書くアウトプットのリハビリの一環として僕が小説を書く時のやり方を公開しようと思います。
特に小説・SSを書いてみたいものの迷っている方の参考になったら嬉しいです。
もちろん字書きの方にもこうやっているのかと思っていただけたら幸いです。
しかし、あくまで僕のやり方なのでもっと自分に合うやり方があると思ったら迷わずそちらを選んでください。
それでは本編をどうぞ。

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今回説明するやり方なのですが、おそらく書く方が多いであろう二次創作のやり方のみにしたいと思います。
一次創作を書いた経験はあるのでそちらも教えられることもあるかと思いますが、創作が未経験の方にはハードルが激高です。
そのため、二次創作の場合のみにします。
書きたくなったら一次創作編を書くかもしれませんが。
それでは工程を追っていく形で説明します。

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①アイデア出し

はい、当然ですがここから始まります。
何の作品で書くか、どんな話にするか、タイトルは何にするか…。

「それが簡単に出たら苦労しないだろ!」と言われそうですが、アイデアがないと何も始まりません。
一つアドバイス出来るのは慣れないうちはいつ、どこで、誰が、何をして、どうやって、なぜ、どうなったの5W1Hに自分の好きなキャラクター、シチュエーションを当てはめて執筆のためのアプリなどに書き出すことです。
それだけでだいぶ作品のイメージが見えてくるはずです。
慣れてくるとここまでガッチリ決めなくても頭の中で自然と固まっていきます。
御託を並べましたが結局二次創作において大事なのは自分の持っている好きをどれだけ叩きつけられるか、だと思います。

②プロット作成(プロット…作品の設計図的なやつ)

プロットという言葉を聞いたことがある方は多いと思うのでタイトルはざっくりとした説明にとどめました。
そして、ぶっちゃけここが一番難しいです。
逆にここを越えるとかなり難易度が下がります。

ネットで検索すると起承転結で話を組み立てましょうという文言をよく目にしますが、僕の場合は活動を続けるうちにあまり深く気にしなくなりました。
なのでもっとやりやすい自己流のプロットを組んで毎回執筆しています。
ネットで紹介されているやり方を再現したものと比べて紹介します。
知名度が高めな作品なので実際に投稿した『ぼっち・ざ・ろっく!』の二次創作を例にします。
話としてはざっくり言えば「ぼっちちゃんと喜多ちゃんが水族館に行く話」です。

ネットでよく見るプロットの例

喜多ちゃんからぼっちちゃんに水族館へ遊びに行くお誘いが来る
何を着ていこうかなとめちゃくちゃ悩む
八景島シーパラダイスに行く


当日ぼっちちゃんの無自覚なたらし発言で喜多ちゃん赤面すること×3くらい
水族館を見て回る


一度落ち着いて座って話す
どうしてわざわざ誘ってくれたのか聞いてみることに


本音を教えてくれた
後日、他のみんなにも写真を見せる
みんなからもぼっちちゃんと水族館に行きたいと言われてじゃあみんなで行こう、とか話す
喜多ちゃんはふたりきりで行ったのは自分だけになりそうね、といたずらっぽく言う


たぶんこんな感じです。
非常にシンプルですね、本当に書きたい要点をまとめておく感じです。
先述の通りものすごく意識しているわけではないので『転』の部分はあまり強くないですが日常劇なのでそこはご愛嬌ということで。
では次です。

僕流のやり方の例

虹夏とリョウからのメッセをにやにやしながら眺めるぼっち→すると突然の着信、体のパーツがおかしくなるほど驚く→相手は喜多ちゃんだった、しかもグイグイ遊びの予定を立てられている…………


死ぬほど長くなるのでここまでにしておきます。
先ほどとは真逆でかなり詳しく書いていますね。
僕のやり方はいわゆるフローチャートのようにかなり詳しめの筋道をあらかじめ立てておくものです。
文字数が多い作品だと本文よりこれを作るのが大変ではありますが作っておけば本文を書く時ものすごく楽ですし、間違いがありません。

どちらの方法を取るか、もしくは第三の方法を取るかは好み次第ですが、自分の中でしっくりくるやり方を見つけてみてください。

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③本文を書いていく

何をテーマに書くか、どんな話を書くかがおおよそ決まりました。
次はいよいよ本文です。

こここそまさにそれぞれの色が出るところなので本当にやり方はそれぞれだと思います。
なので普遍的に有用なもの、逆に注意すべきものを取り上げていこうと思います。

❌キャラクターの一人称、二人称、口調の揺れ、間違い

これは最も重要だと言っても過言ではありません。
二次創作においてこの部分を大切にしない作品は稚拙だと僕は断言します。
敢えてキャラ崩壊させる創作、とかそういった確たる理由のない場合は上記のことは絶対にやってはいけません。
呼称の間違い一つで読者が読むのをやめることはざらにあります。
読者が思い入れのある作品の二次創作でそんなことをされたら当然ですよね。
実際そういう作品を見て辟易したという方を何人も見てきました。

書き手によって文章の巧拙はある程度あります。
ただ、どんなに優れた文章でもここを怠っては台無しです。
なので自信がなくてもここは守りましょう。
どうなのかあやふやな場合原作をしっかり確認すること(僕も執筆中によく見返します)、キャラクターの口調を捉えること、しつこいようですが大事にしてください。

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❌同じ表現・単語を何度も連続して使う

「ここのアイスはすごく美味しい。奇をてらっていないシンプルなアイスで、このアイスはクラスのみんなに人気のアイスだ」

これはかなり誇張した例文ですがくどいですよね。
続いて改善例です。

「ここのアイスはすごく美味しい。奇をてらっていないシンプルなもので、クラスのみんなにも人気がある」

なんとなくこんな感じでしょうか。
同じ単語を連呼するとどうしても字面が重たくなってしまいます。
指示語や代名詞、他の表現を混ぜてなるべくくどくない文にすると読みやすいでしょう。

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⭕️体言止め

体言というのは日本語では名詞のことです、一応確認のため。
その名の通り地の文の文末を体言で終わらせるものです。
これはなんとなく文章がオシャレになるくらいのものですが、「〜だ」「〜と思う」「〜だった」などのような文末が続くと単調になってしまいます。
いわゆるアクセントのようなものですね。
また僕が実際に投稿したものから例文を出します。

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「さっきからずっと目を合わせてくれないけど、機嫌悪くなっちゃった?」

『どうにも心の機微に疎い私には分からない。
歩くペースを速めてちらりと見た朝日に照らされた顔。
少なくとも言えるのは、あどけないその顔が微かに緩んでいるように見えたことだけだった。』


『…かわいい。
本当に数少ない人にだけ見せる彼女の屈託のない笑顔』

顔シリーズになってしまいましたが二つ例を出しました。
名詞で終わらせることによって少し文にアクセントを加える効果があります。
単調になりがちな場合は入れてみるといいかもしれません。

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⭕️情景描写

プロの方が書いた小説やラノベなんかを読んでいると舌を巻く表現が見られるものですが、そこまでではなくともこれを入れるだけで作品への解像度というか、その場への没入感が変わってきます。
ちょっとくどいくらい入れてもいいと思います。
周りの景色、天気、服装などなど。
実在の場所をモチーフにするのもいいでしょう。
僕は必要ならば現地に取材に行きますが、そこまではしなくてもGoogleストリートビューで見たりするだけでもイメージは出来ると思います。
それではまた例文を出します。

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『住宅街を縫うように走り、海へ向かっていく緑色を基調とした単線の電車。
現代人らしく電車の中では大抵スマホをいじる私ですら、ここの路線は景色が面白くて窓から目が離せない。
建物の多いエリアを抜けてぱぁっと視界が開けると、窓の外に広がる景色は一気に開放感に溢れたものとなっていく』

『気怠そうにギターを背負い、しっかりとセットした髪型にバシッとメイクをキメた、私よりずっとイケイケな感じのお姉さん。

様々な方向を向いたエネルギッシュな若者が闊歩する街、下北沢。
今日は土曜日とあって駅前の通りはいつも以上にそんな元気な人々で大きな賑わいを見せていた』

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こんな感じです。
僕の文の評価は皆さんに委ねるとして、これが上手くいくと今キャラクターがいる場所はこんな感じなのかというのが文字という情報量の少ない媒体でもより深く伝えることが出来るのです。
この技法もまた文章が単純になりすぎないようにしてくれます。

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推敲、誤字チェック

とにかく文を書き殴り、ゴールに辿り着きました。
そうしたら4つ目の工程に移ります。
まず、一度全文を読み直しながら誤字チェックも兼ねて表現やセリフなど直せるところを直していきます。
読み直すと修正が要りそうだ、という箇所は結構見つかるものです。
僕はこれをいつも2回行っています。
この回数はあくまで目安なので自分がこれでベストだ!と思うまでチェックは繰り返してください。
納得が行ったらついに完成です!

でもどんなに頑張って確認しても誤字って生まれてしまうんですよね(30敗くらい)
ほんと僕がアホなだけだと思いますのでちゃんと確認すれば大丈夫ですし、後で見つけたら何食わぬ顔で修正しましょう(暴論)。

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おわりに

お疲れ様でした。
どうしても雑多な文になってしまい申し訳ありませんでしたが、僕がやっているやり方はこんな感じになります。
くどいようですがこれが正解とか不正解とかではなくてやりやすいやり方で執筆していただけたらと思います。
この記事の一部だけでも参考になった、とかでもいいと思います。

とりあえず、何か書いてみたいなぁと思っている方にかけたい言葉は「まず何かを書いてみましょう」です。
形に出来た時の達成感、感想をもらえた時の嬉しさ、何より自分の思い通りの創作が生み出せたということの意義。
色んなことが得られます、ぜひ一歩を踏み出して最後までたどり着いていただきたいです。
僕は2019年の末から活動していますが、一歩を踏み出してみて本当に良かったと思っています。

読んでいただきありがとうございました。

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