人が行動を起こす「6つの要因」

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この記事について

この記事では「影響力の武器」という書籍を題材として、人が行動を起こす6つの要因について解説します。人がどういったとき影響を受けやすいのか、人にどうすれば影響を与えられるのか、などについて簡単にまとめました。



影響力の武器

人は日常生活において、多くの思考や行動を自動的に行っています。「固定的行動パターン」と呼ばれ、これによって日常における何千何万通りもある選択を無意識的に選別します。

固定的行動パターンは、考える必要のないことを省き、考える必要があることだけを考えさせてくれる、いわば人に備わった能力です。しかし、使い方を間違えると考える必要のあることを省いてしまいます。

影響力の武器
・返報性
・コミットメントと一貫性
・社会的証明
・好意性
・権威性
・希少性

影響力の武器では人が行動をする際の影響は、6つの原因によってもたらされていると述べられています。では実際に次の章から6つの要素を解説していきたいと思います。



要素1「返報性」

1つ目の要素は返報性です。返報性とは簡単に説明するとGive and Take です。相手に対し何か提案や承諾を得たい場合、先にGiveを行うことでTakeとして承諾を受け取りやすくなります。

Giveには種類が2つあり、1つ目はそのままの意味を持つ、贈り物やお土産などのモノとしてのGive。

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2つ目は譲歩です。譲歩とは相手の意見を受け入れることを言います。

具体的に説明すると、何かお願いをしたいとき、まずレベルの高いお願いを先にし、あえて断らせることで、譲歩の形として本当にしたいお願いを提案するといったテクニックです。


これは「譲歩的要請法」呼ばれ、簡単にできる説得術の一つです。

返報性には適正義理や人情に熱い、誠実性や外向性の高い人がかかってしまう心理バイアスなのでそういった方は気をつける必要があります。逆にお願い事をしたいとあなたが考えているのならば、相手に何かプレゼントを持っていくといいかもしれません。

返報性まとめ
返報性:先にGiveしてTakeに繋げよう

Giveの方法
・贈り物 / プレゼント
・譲歩



要素2「一貫性」

2つ目の要素は一貫性です。

影響力の武器内では「コミットメントと一貫性」と称されています。この要素は意思決定の前に了承を促す行動を行わせることで、その後の了承に納得しやすくなるというものです。


意思決定につながる行動には3つの条件があり、そのうちの1つでも満たすことで一貫性という心理に人は縛られます。

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意思決定に繋げる3つの条件
・公表
自分の行動を、不特定多数に対して公表すること。
ダイエットを継続したいのならば、その行動をTweetしてみましょう。

・努力や苦労
意思決定に関係する物事に対して、時間や労力を多く注がせること。
イベントにさせたいのならば、初回無料で体験してもらいましょう。

・自己決定
その人の自由意思を利用。
自分で決めたことをやり続ける人は素晴らしいとされるが故、逆をいえば自己決定を曲げる行為はとても難しいとされます。
オススメの鞄を売りたいのならば、その人に希望を聞き、意思の再確認をしましょう。

一貫性にもかかりやすい適正タイプなるものが、いくつか存在します。

利己主義者は自分中心で物事を考えているため、自分の行動を重要視しがちです。結果的に一貫性バイアスに引っかかりやすくなってしまいます。

その他にも、無駄が嫌いな合理的な性格や言ったことを曲げない誠実な人なども一貫性に影響されやすいとされています。逆に自己肯定感や自己意識が低い人に対しては効きにくいバイアスです。


一貫性まとめ
一貫性:行動をさせて、思考を誘導しよう

意思決定に繋げる3条件
・公表
・努力 / 苦労
・自己決定



要素3「社会性」

3つ目の要素は社会性です。影響力の武器内では「社会的証明」と呼ばれ、この要素がもたらす影響によって自分の行動や思考を他者を基準に決めてしまいます。

人はコミュニティに馴染むために人と同じことを好みますが、そういった感覚は時に判断を盲目的にさせます。

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社会的証明にも効きやすい条件が2つ存在します。

社会的証明に効果的な2つの条件
・類似性
人は自分と似たような人と同じ行動を無意識的にしてしまいます。

・不確かさ
状況や状態がわからないとき、周りにいる人と同じような行動をとってしまいます。


社会的証明は優柔不断さや協調性が高い人などが影響を受けやすく、コミュニティに溶け込む人が適正タイプです。

社会性まとめ
社会性:データや他者の力を利用しよう

社会的証明を効果的にする2条件
・類似性
・不確かさ



要素4「好意性」

4つ目の要素は好意性です。この要素は最も分かりやすく、最も影響を受けやすいですが、最も奥深い要素です。

簡単に説明すると友人からのお願いは、他人からお願いに比べて承認されやすいといったものです。

当たり前といえば当たり前で、見ず知らずの他人より信頼しあった人や好きな人からのお願いを優先するという心理は当然だと思います。だからこそ影響力が最も強いのです。


ハイジャックや篭城犯に対してまず初めに行うことは、説得ではなく相手の感情を理解することです。お互いを知り好意性を形成させたのちに説得を行うのです。

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では好意性の形成を促す6つの要素をサクッと紹介したいと思います。

身体的魅力
相手によって何が魅力的で何が魅力的でないかは異なりますが、言ってしまえば外見の魅力です。イケメンや美女のお願いは断りづらいのです。
類似性
自分と似たような人は信頼できると言ったようなものです。本が好きな人は、本が好きな他者に対して好意的になります。読むジャンルも似ていたら、なおさらその人に対しての好意性は高くなります。
連合
言葉では難しいように思えますが、一言で言うと相手と自分の共通点を繋げるということです。
具体的には、「出身地が同じだね」や「同じペン使ってるね」などのように、なんでもいいので相手と自分の共通点を繋げます。共通点のある相手に対して謎の一体感を感じるのも、このような心理によって引き起こされています。
賞賛
人はお世辞だとわかっていても褒められることが心地よいと感じてしまいます。優しい人が好かれるのにはこの心理が原因なのかもしれません。
単純接触
単純接触とは相手と同じ時間を過ごすということです。学校の帰り道、一緒に帰っていた友達が他の友達よりも特別に感じませんでしたか?
多くの時間を共にした相手に対しては好意性が生まれます。ただしこの要素には、条件があります。それは相手と仲良くなろうと意識した環境下であることです。
ただ単に同じ空間にいたり、同じ行き先だからついていくのではなく、「一緒に帰ろうよ」と相手に対して言い、もっと仲良くなりたいと思うことで好意性が高まる、すこし心温まる心理です。
協力
何かを共に成し遂げるために行動し、目的達成に向けて進み続ける。そうすることでその人に対して好意性が高まります。
漫画の主人公たちはこれによってお互いの信頼を形成させたのだと思います。

沢山の要素を紹介しましたが、考え方によっては簡単に覚えることができます。ではシンプルに1文でまとめてます。

清潔感を出し、友好的に話し、共通点があれば繋ぎ、帰り際には「また今度話そう」と約束をすればいいのです。


好意性まとめ
好意性:信頼関係を築こう

好意性の形成のための6ポイント
・身体的魅力
・類似性
・連合
・賞賛
・単純接触
・協力



要素5「権威性」

5つ目の要素は権威性です。「先生が言うことなんだから正しい」「社長が言うとおりにしよう」そんなこと思ったりしていませんか?

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権威性とは権威を持った相手の影響によって、自分の考えや行動を変えてしまう要素です。

権威を認識するシンボルは「肩書き」「服装」「装飾品」の3つです。国語の先生に数学の答えを聞いても、その答えが合っているかどうかはわからないのです。

権威性まとめ
権威性:権威のシンボルを利用しよう

シンボルの3種類
・肩書き
・服装
・装飾品



要素6「希少性」

最後の要素は希少性です。希少性は買い物やネットショッピングなどでよく使われています。

「期間限定セール」「数量限定セール」などその商品に対して制限をかけることで商品の価値を高め、結果的に購買意欲を掻き立てます。


希少性の訴求ポイントは主に4種類です。

希少性の訴求4ポイント
・「数量制限」
・「時間制限」
・「情報制限」
・「行動制限」

数量制限と時間制限はよく目にするので分かりやすいと思います。

では情報制限とは何か。「本当に稼ぎたい人以外この本は読まないようにして下さい」このような表紙の本をつい手に取ってしまったことはありませんか?

その本の情報、手に取ると言う行動を制限されると、制限をされたモノの価値は高まり自然とその本を手にとってしまうのです。


また希少性には、より効果的な制限方法が2つ存在します。

その2つの制限方法を知りたい方は、下のリンクから有料メルマガ登録をよろしくお願いします。







とまあ、冗談ですが、読めていたものが急に読めなくなる(情報制限)といったように制限をかけることが1つ目の効果的な制限方法です。

今まで制限されていなかったものが新たに制限されたとき、この「新たに」と言うことが重要です。ダイエットといって今まで食べれたものを急に制限したとき、テスト週間はゲーム禁止と言われ急にゲームを取り上げられたとき、きっとあなたは今まで以上にその制限されたものを求めてしまいます。

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もう1つの希少性を効果的に高める制限方法は、他者との競い合いです。

商品を買うかどうか迷っていたら、後からきた新たなお客がスッとその商品の前に立ち、なにやら考えています。そうなったらもう自分には考えている時間はなく、迷っていた商品を迷わず手に取りレジへと向かうのです。

今まで手に入ると思っていたものが他者の存在によって脅かされたことがトリガーとなり、自分の判断を狂わしてしまう経験、あなたにはありませんか?

希少性まとめ
希少性:制限を利用しよう

4つの訴求ポイント
・数量制限
・時間制限
・情報制限
・行動制限

2つの効果的な制限方法
・無制限だったものに対して、新たな制限
・他者と競い合わせた環境下での制限


まとめ

「返報性」「一貫性」「社会性」「好意性」「権威性」「希少性」以上6つの要素によって人の行動や思考は思わぬ方向へと進んでいってしまいます。

心理バイアスはかからないと思っていても自然とかかってしまいます。そんな心理バイアスを逃れるための対策は、人の陥る心理バイアスを知ることが一番です。

今回紹介した6つの要素を頭の片隅に入れて、ふと「あ、これバイアスにかかってるんじゃないか」と考えるきっかけなれば嬉しいです。

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