不可逆

ひとつ拾い上げては、またひとつ零して。
人生ってきっとその繰り返し。

目も腕もふたつだけしかなくて、
頭もひとつだけだって分かっているのに、
零したり失ってきたことを考える。
ふとした時に思い出す。

全部を抱え切れる事は永遠に無くても、
もう取り戻せないことがあったとしても、
何度でも拾い上げられるように。

もう無くさないように。

せめてこの身体で受け止められる分は
なにひとつ零さないように。

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