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「小型建機特別教育、受けるズラ!」

2022年7月1日に公開された「映画ゆるキャン△」
TVアニメ1期にはまってキャンプ用品一式揃えたものの結局1度しか使ってない系オタクの私も期待に胸を膨らませて公開2週目に鑑賞し、犬山先生を見て股間を膨らませて劇場から出てきました。

原作が続いている中で劇場版では大人になった野クルメンバーたちを描くと聞き正直不安もあったものの、実際には時間を進めたからこそ描ける新たなゆるキャン△がそこにはあり、アニメ1期から4年以上を経て年を重ねた今のオタクに寄り添った作品で大満足でした。

夏の終わりにもう一度見に行きたいところだけど映画館が地味に遠いんだよなぁ…

そんな映画ゆるキャン△では、「キャンプ場、つくるズラ!」ということで色々ありつつ開拓作業を行うわけですが、手作業に限界を感じたなでしこが小型油圧ショベルを召喚し「ちゃんと講習を受けたから!」などと語りつつ某農業系アイドルグループのリーダーのように巧みなアーム捌きでガシガシ作業を進めて無事完成に漕ぎ着けるシーンがあります。

天性のキャラクターから趣味と直結した接客業に就き、持ち前の体力で登山にも手を広げている大人なでしこですが、更にかわいい女子なのに建機を乗り回すなんてすごい行動力だなぁと思って軽く調べると…

…小型建機特別教育、受けるズラ!


受講まで

「小型車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)の運転の業務に係る特別教育」は労働安全衛生法令で規定された特別教育で、3トン未満の小型車両系建設機械の運転業務を行わせるために受講が義務付けられています。

映画ゆるキャン△のキービジュアルにも登場している小型油圧ショベル(ミニショベル)がその典型例で、ジムニーを乗り回すなでしこが保有しているはずの普通自動車運転免許と合わせて取得することで私有地以外での走行・作業が可能となります(走行には小型特殊自動車運転免許以上が必要)。

教育は建機メーカー系の教習所などで受講することができ、受講要件は特に無く7時間の学科教育と6時間の実技教育を2日間で実施するのが標準となっています。

県内に大手の教習所があったので土日の日程を予約しようと調べたところ、なんと11月まで既に埋まっています!建設業だけでなく農業や造園業などでも需要がありますが、絶対何人か同じきっかけの奴いるだろ()

しかし他の教習所で土日の予約が取れたため、受講申込書と受講費17kを準備して郵送。メール受付不可なのは教習所によるのかどこでもそうなのか…?
実技に必要な安全靴等をやる気わくわくワークマンで買い揃えて当日を迎えました。



1日目:学科教育

1日目はみっちり7時間の学科ということで受付時間は0830。週末なのに早起きして向かいますが平日もこんな前向きな気持ちで出勤できたらいいのになぁ…

教習所に到着し受付と昼食の注文を済ませたら自分の教室へ移動します。
今回一緒に受講するのは約20名、大半が作業服姿の本職さんっぽいですが実業系らしい女子高生も1人います…とはいえここに擬人化カービーいたら目立ちそう

小型車両系建設機械運転者教本 特別教育テキスト

講師は優しいベテランじいさんって感じの方で、120ページほどのテキストに沿ってスライドやビデオを交えた講義を進めていきます。
内容的には車両系建設機械の構造や取扱、安全運転に関する知識、力学・電気・土工事の基礎知識、関係法令などで、多少難解な部分もあるものの学科試験に出るであろう部分は「ここ線引いてください~」と明示してくれるので、そこは確実に覚えるようにします。
「そもそもこの特別教育ができたのは昭和40年代に労働災害が多かったから」といった歴史的な話もしてくれたのが印象的でした。

カツカレー580円 カレー麺ではない

昼食は持参でも近くのコンビニでもいいですが教習所内に弁当屋さんが来ているので朝注文したカツカレーを受領してmgmg
最近は普通の1人前で割と満足できるようになったのに体重が減らないのはなぜでしょうか

午後は満腹でぼーっとして遠野ひかるさんのことを考えたり(ゆるキャン△関係ない)しつつ夕方までみっちり受講。
安全教育ビデオの災害事例再現が普通に明日やらかしそうで怖くて泣いちゃったヨシッ!そういえば現場猫ポスター貼ってあったな。
周りの皆さんはザ・現場の人って見た目だったけど、少なくともガチ寝する人はいなかったし礼儀正しいし「爆睡しそう」とか思ってごめんなさいってなりました(謝罪)

1日目の最後は学科試験。完全に講義で線を引いたところから出題されましたが、調子に乗って問題文をよく読まないと普通に間違えそうなものも多くじっくり回答。
その場でマークシートを読み取って合格!と言われるまで帰れない居残り方式だったのでプレッシャーを感じつつなんとか一発クリアで帰宅しました。


2日目:実技教育

2日目はいよいよ実際の建設機械を使っての実技教育です。
作業服姿で実習場に集合し、2台の機械に約10名づつ分かれて運転していきます。

IHI建機ミニ油圧ショベル35NX


私たちの班が運転するのは、Hは播磨じゃなくてHeavyでおなじみIHIの「35NX」という小型油圧ショベルです。機械重量3.3トンのため特別教育修了者が操縦できる限界に近いサイズの車両です(「3トン未満」は作業装置や燃料等を除いた車体のみの重量(機体重量)が基準)。

昨日とは別の実技講師さんによる車両説明と実技のお手本に続いて、早速一人づつ実技開始!
実技内容は安全確認、走行、掘削、整地、旋回などを一通り組み合わせたもので、クローラーを操作する操行レバー、旋回・アームの上げ下げを操作する左操作レバー、ブームとバケットの上げ下げを操作する右操作レバー、排土板レバー、エンジン出力を操作するスロットルレバーの全てを扱います。

特にブーム・アーム・バケットで構成された作業装置をスムーズに操作するには左右のレバーを前後左右斜めに同時操作する必要がありますが、いきなりそんなことはできないので一個一個ゆっくり動かしていきます。
不器用を自負する私ですが感覚的に操作できることもあり、何とか一通りの流れを完遂。他の受講生が操縦しているのを見ながらイメトレしつつ演練に努めます。
なでしこはこういうの意外とすぐできそうなイメージだなぁ

昼休憩を挟みつつ講師のアドバイスを聞いてひたすら回していきます。
運転経験のある方数名が自分の倍くらいのスピードで流していくものの、現場仕事の方でも未経験者は私と似たような感じで少々ほっとしました。
埋め戻し後に手前にできた山をならす整地作業がなかなか上手くできず、元はたらくくるま少年としてはもっと堪能したかったものの楽しむほどの余裕はありません…
でも旋回時はコックピットで操縦してる感があって興奮した(こなみ)

各人4回くらい回したところでいよいよ実技試験です。
基本姿勢はバケットを地面に平行にして40cm程度浮かせる、掘削して旋回した際に砂利がこぼれないようにする、180°旋回後に前進するにはレバーを逆向きに操作する等の減点ポイントを説明された上でいざ実践!

・・・

相変わらず整地作業の出来は微妙ですが大きな減点もなく一通りの流れを終えることができました!ホントやでー

労働安全衛生法による安全衛生特別教育修了証と山梨土産しまりん

という訳でキャンプは趣味にならなかったオタクが映画ゆるキャン△を見て実質なでしこになったのでした。
教習所の皆さんありがとうございました!

あとは草刈りシーンもあったから6時間で終わる刈払機取扱作業者安全衛生教育も受けないとかなぁ…


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