「ハイレゾ」とは? その定義は科学的なのか?
「ハイレゾ」って一言で分かったつもりになっているけど、実体はなんなのだろう。
CDスペック以上のデジタル音源という事だけど、そもそもCDがデジタル音源世界の赤ちゃん的駆け出し存在です。これから数十年・数百年の技術進歩の中で、人間は様々な形のCD以上のデジタル音源に出会って行くことになるでしょう。
我々が今時点では想像もつかない将来のデジタル音源化方法も含めてしまう形で、「CDスペック以上」と言ってしまうのは、非常に乱暴な言い方ではないだろうか。
「ハイレゾ」の定義を、例えば「PCM 48kHz24bit ~ 192kHz32bit、DSD 2.8MHz ~ 11.2MHz」と限定すると、結果的に「ハイレゾ」という言い方は陳腐化しないで継承されていくと思う。
また「ハイレゾ」=良い音というポイントを訴求するのであれば、FLACのような圧縮音源は含むべきではないかもしれない。
再生機器のプロセッサー処理能力で可逆圧縮のFLACの再生音は大きく影響されるので、ハイレゾあくまで非圧縮のWAVやDSDのみと限定して、ユーザーの責任でFLAC変換を行うとするのはどうだろうか?
現状は、圧縮/非圧縮やフォーマットの種類に関わらず、ただCDスペックよりも情報量が多い物が十把一絡げで「ハイレゾ」と呼ばれており、足元しか見ておらず将来の展望も全く無い代物になっている。
「ハイレゾ」=すごい物という短絡的な捉え方はやめて、単にCDより少し情報量が多い音源のフォーマットを示すものとの立場に立ち返る。そして音質については再生環境に大きく依存するので、各種の解を価格帯の応じてユーザーに提供していくというスタンスでハードを売るようにしてほしい。