ハイレゾ は 高音質 なのか?



すごく基本的なポイント。 でも、とっても誤解が多いポイントでもある。

“ハイレゾは高音質なのか?”




ソニーのハイレゾ・オーディオサイトでは、以下のように最初に「高音質」という宣言がされている。

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「つまりハイレゾはCDを越える高音質のこと」という部分です。

ハイレゾは高音質だと言い切ってますね。




余談ですが、CDの開発会社であり、しかも連結子会社のソニーミュージックでCDを今もバリバリ売っているにもかかわらず、「実はCDは音を全部収録しきれなかった...」って言っちゃう辺り、どうなのかなと思うね。

今までは人の聴こえない領域の音を削ってデジタル化する技術を、CDのテクノロジーとして売りにしてきたのに、まさに手のひら返し。

CDを買っているお客様に対しての気遣いとか無いんでしょうかねぇ~!







一方、日本オーディオ協会のハイレゾガイドブックを見てみましょう。

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項目5の(3)で、 “「ハイレゾ」=「音質」が良いという短絡的な考え方はしません。” と書かれています!

ここ重要です!!



更に興味深いことに、5の(1)では “一般論としてハイレゾはMP3等より音が良いと言える” と非常に控えめ。

先のソニーの “CDより高音質” という主張とは、かなりな温度差です。



そして更に決定的なのは、“「ハイレゾ」と「音質」の関係は別次元のもの” という部分です。








そうです。

 日本オーディオ協会のハイレゾ対応機器定義で求められている「聴感評価」。


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この聴感評価とは音質の評価ではない、と言うことを示しているのです!






では何を聴いているのか?

これは各社任せですね。実際に「各社の評価基準に基づき」とあります。

誰かが「OKでしょう...」と言えば良いだけ。






だから「ハイレゾ」とは、音質ではなくCDより解像度が高いフォーマットというだけの事。

しかもスペックの下限が決められていても、上限が青天井という将来への展望も無いいい加減なもの。

いつの時代までアピールしたいのでしょうかね、「ハイレゾ」を。







音楽ソフトでも録音・制作過程でソフト自体の音質が決まる。

それは良きも悪しきもアーティストや関係者の意思や意識レベルが表れた「作品」としての表現物だと思う。





ハードメーカーは、「これが良い音だ!」とか気負わずに、ただただその作品を100パーセント再現しきれる機器を造れば良い。



この時、どこが100パーセントなのかを客観的に見極める事がとても重要。

時には「私の会社の技術力と経済状況では60パーセントまでしか実現出来ない」という事もあり得るだろう。


その時に切り捨てる物が何かで、その会社の資質があらわになってくると思う。







「ハイレゾ」を販売拡大のツールにしたかった日本オーディオ協会と協会員会社。

しかし世界的なデジタル産業革命の荒波にもまれるうちに、自らの技術力の馬脚をあらわす状況になりつつあると思っています。