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刺青と、引っ越し。

平素よりお世話になっております。高島です。

斯々然々あり、引っ越し先が決まりました。
内見など、大家さんに会うときはもちろん長袖、出来ることなら萌え袖仕様にして手続きを進めています。

万一、アレが露呈された時に備えて、会う時は毎度「お世話になります~」とにこやかに。
玄関入る時は「失礼します~」、そして靴は正面で脱いで玄関に上がってから振り返って揃える。

コツは不必要に大きな声を出さないこと。
「挨拶は大きく、はっきりと!」と学校では習うが、実践では「小さく丁寧に」が効果的だ。
普段大きな声を出し慣れていない人間が、意図的に大きな声を出すとどうしても不自然になり、なんとなく粗野な印象を与えてしまう。
だから「小さく、丁寧に」あいさつをする
語尾を短くするとより丁寧な印象を与えられる。試してみてください。

もう、あんなに大騒ぎするならいっそ「反社じゃない証明書」を発行してはどうだろう。
その場合はなんていう名前になるんだろう、「反・反社証明書」?
どうやってそれを証明していくのかは検討つかないが、ぜひマイナンバーカードにも搭載して欲しい。
とにかく、こんなににこやかで可愛らしい、ファッショナブルな反社はいないだろう。そう、自分を鼓舞して暮らしています。


大家さん
「ご職業は…、あ、音楽やってらしゃるんですか~。
ちなみに楽器はなにを?」

高島
「あ、自分はメインがドラマーで、あとは楽曲作ったりとか、そういう事やってます。」

大家さん
「へ~、すごいですね~!やっぱアレですか、練習はもう毎日欠かさず、って感じなの?」

まずい、騒音問題を疑われている。
電子ドラムの普及により、「サイレントドラム」的なものが一般化されいるが、依然として振動の問題はクリアになっていない。

防音処理をされている部屋も昨今よく見かけるが、アレは飛散する「音」を遮断・遮音するように設計されていて、打楽器を演奏する際に発生する「振動」は処理されていない場合が主だ。

ちなみに、振動は上から下に流れるので「楽器演奏・可能(打楽器は1Fのみ)」といった物件が多い。
同様の理由でアップライトベース(ウッドベース)も1Fのみ、といったケースもある(低音も上から下に流れる)。

生ドラムを自室で叩く阿呆はいないだろうが、「電子ドラムやけん大丈夫っしょ~♪」とバカスカやって、階下・近隣住民とのトラブルになるケースは多い。
ちなみに僕は電子ドラムを持っていない。が、今ココでは「絶対に電子ドラムを使用しない」証明が必要になる。

高島
「いや~最近ありがたい事に忙しくて、家で練習する時間もないんですよ~。
感覚が狂っちゃうんで電子ドラムも処分しちゃったし、もう家では身体を休める一方です~。」

どうだ、うまくいったか?
電子ドラムは所持していない旨、さらに今後一切使用するつもりはないと、やんわり伝えたつもりだ。

大家さん
「あら~、そうなのね。てっきりミューシャンの方だからお部屋も広く必要だろうし、それでお引っ越しされるのかと思ったわ~。
あ、そうだ、ここエレベーターが狭いけど荷物とか大丈夫?マンションの前の道も狭いし、うまく運べるかしら?」

ん、これはどっちだ?
「まさかコイツ、家で生ドラムを叩くつもりじゃ…」と思われているのか?
大丈夫、日常的にドラムセットは自宅とは別の場所に保管してあるし、メンテナンスで持ち帰ることがあってもあくまで一時的だ。誰かの目に留まることもあるまい。

高島
「あ~、もう全然!自分いま流行のミニマリストってやつで、大きな荷物とかぜんぜんないんですよ~。
近所にコインランドリーも見つけたんで、もういっそ洗濯機も処分しちゃおうかな~ぐらい思ってるんですよ~、ははは笑」


大家さん
「いや。洗濯機はあった方がいいと思いますよ。」


しまった、つい調子に乗っていらんこと言ってしまった。
大した楽器も持たずに、ミュージシャンを名乗り、さらに生活必需品である洗濯機を放棄してしまおう、だなんてもう一体何者かわからないじゃないか。
つい先日も「でもお宅のユタカもさ~」と友人の親を下の名前で呼ぶ、わかり辛いジョークをかまして場が凍りついた事があったばかりじゃないか。
軽口を叩く、悪いクセが出てしまった。まずい、どうにか軌道修正せねば。

高島
「いや、ホントそうなんですよ!一回そうは思ったんですけど、家で落ち着ける生活って大事だな、と思ったんでせっかくだからドラム式洗濯機に買い替えよう、ぐらいに思ったんですよ!音もすごい静からしくてめっちゃ良い、って姉も言ってたんですよね~!」

音が静かなのは大ウソで、むしろ逆にうるさいと聞く。姉がいるのは唯一本当だが、彼女と洗濯機の話をしたことは過去一度もない。
勢いまかせ、根拠付けのための大きな賭けだ。

大家さん
「ちなみにお引っ越しはいつごろを考えてらっしゃるの?
このお部屋は前の方が出ていったばかりで、来週から大手に頼んで募集かけるつもりなのよ~」

お、イケた、のか…?
話題を変えてきた、という事は特に気にも留めない内容だったのか?

今回、知り合いのづてに物件を紹介してもらったので、どうやら大手不動産サイトなどに掲載する前らしい。
未来の話に進んでいるという事は、この楽器も持たない自称ミュージシャンと賃貸契約をしてもよい、という意思の現れなのか?
ええい、ままよ。ここはこのおばちゃんに花を持たせておこう。

高島
「あ、そうだったんですか!僕は特に急ぎではないんですけど、ここみたいに、良いお部屋が見つかればすぐにでも、って感じですね~!」

大家さん
「あら、そうなの!そしたらまたお知り合いの○○くんにちょっと話してみるわ~!」

昔、刺青と不定職を理由に賃貸契約を途中で蹴られたことがある。
部屋探しは思いのほか体力・精神力を消費する上に、この物件も悪くはない。
またイチから探すのは正直面倒だし、ここで決まるなら決まるで天命と思っても不足なし。

~数日後~

不動産の友達
「お疲れ~。いっこー、今月末動ける?来月、引っ越しね。」

高島
「え、業者とかなんも手配しとらんよ?いつ?てか決まったん?」

不動産の友達
「うん、決めてきたわ。三月頭、3/1ね。頼むわ。」


という事で、いきなり引っ越します。


先日、名古屋で開催された「でらロックフェスティバル2021」、出演してまいりました。
ご来場いただいた皆さま、ありがとうございました。

久方振りの有観客ライブにエキサイティングしたのか、スティックを折るどころか、
ついついシンバルも割ってしまいました。

今月末はワンマンもあります。

春は始まりの季節。
新しい気持ちでスタートできるよう、部屋もシンバルも新しく、って感じです。

はたして俺は引っ越せるのだろうか。

以上になります。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

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