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一回戦


一年で一番緊張する日
俺は緊張からすぐ解放されたくて
一回戦は初日を選ぶ。

二回戦は
頼むめっちゃウケてくれ
今年こそ三回戦行きたい！
そういうやる気による緊張

一回戦は
落ちたらどうしよう
何年も通ってるもんな
通過することが前提で
失敗できないプレッシャーの緊張がある


今年の香盤を見た


バチョフが前にいる...



バチョフはめっちゃいいやつで
明るくてまっすぐで大好きなやつだ。


でもあまりにもチョフチョフの数が多い。

もういいて！から
3ラリーはチョフがある。



緊張がほぐれていいか...と思いつつも
ほぐれすぎると絶対に良くないとも思った


あれ...バチョフの横に誰かいる...


小笠原ジャスティンさんだ...



シダックスカルチャーホールの入り口に
見事な紅白が並んでいた

パチ屋の新装開店？？？


受付で鉢合わせると
案の定チョフチョフチョフチョフ



バチョフも緊張と興奮なのか
いつもの倍は目がバキバキだった



出番の前

ジャスチョフが登場から終わりまで
大爆笑で拍手笑いを三回も取っていた


直前まで吉野と
「俺の白い衣装とジャスティンさんがかぶってることつかみでイジる」かどうかで会議をしていた


結局
「ウケても審査員点で良くなさそうだからやめておこう」という話になり出て行った


出てパッと客席を見ると
明らかにジャスチョフの残り香が蔓延していた

これは...ヤバいぞ...

吉野の方を見ると
さっきの倍バキバキバチョフの3倍目がバキバキだった


いつものようにやったつもりだが
テンポが少し狂っていたかもしれない
が、M-1というのはそういうものだ
敗退してからの一年間あなたたちはどれだけ漫才を頑張ってきたんですか？と問われる場所
どうしても力んでしまう

結局体感的にジャスチョフに飲まれたか...
という感じだった


終わってお互い
「やばい...やばい...」
「これまずいな...」
と言いながらシダックスカルチャーホールを後にした


帰り道でずっと下を向いて歩いた


去年まではあそこよかったとか
あそこは想定よりウケた...
などなるべくポジティブに加点を探すのが
今年は反省が多かった


俺は居ても立っても居られなくて
「買い物して帰るわ！」と言って
吉野と別れた


俺はさっきの倍バキバキバチョフの3倍バキバキ吉野の5倍目がバキバキの状態でパチンコ屋に直行した


鼻息が新仕置人のエアバイブぐらい荒くなっていた俺は
人生を賭けた大勝負をした以上のバキバキモードで台に座った


全然当たらない
すぐに飲み込まれる1万円札
ただどうでもいい
当たろうが外れようが
早く結果が知りたい


18:09

Instagramを開くといつもは遅れる
結果発表ライブが巻きで始まっていた

こら！！！
と思いつつ画面に釘付けだ


名前が呼ばれた


っし！！！！！

明らかに外で出していい声量を超えていただろう

周りの客は困惑したはずだ

全く当たっていないのに
大当たりを引いた声を出しているやつがいるのだから

Instagramを閉じ
吉野にLINEを送った


やつも道路で出してはいけない声量を出してしまったらしい



M-1は人に出してはいけない大声を出させる大会である



身体がフッと軽くなった俺は
パチンコを続行。
そこから当たる当たる
気持ちいいくらいに当たった




ああ、、、良かった、、、


何が一番ホッとしたって



一回戦落ちた状態で
ワードキャプターよしのをやらないですんだ

一回戦落ちた状態で
わらドラ修学旅行編を祇園花月でやらないですんだ

一回戦落ちた状態で
Hara's barをやらずにすんだ


これからもキモライブをやるために
一回戦は落とせない