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「1兆ドルコーチ」

 2019年12月15日(日) 第56回全国大学ラグビーフットボール選手権 三回戦
私たちは対戦チームに惜敗を喫した。
年越しはおろか、ベスト16で10年間にわたるラグビーの生活に幕を閉じた。
(中学・高校・大学と10年間、僕はラグビーに時間を注いだ)

当時の心境といえば、まさにポケモンで主人公が負けると出てくる常套句
「めのまえがまっくらになった」と表現できる。まさにそうであった。

負けた次の日、なぜか僕は本屋に寄り、この本に出会った。

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「スティーブ・ジョブズとエリック・シュミット、ラリー・ペイジの共通の師?
ビル・キャンベルは元アメリカンフットボールのコーチ?何が関係して、
このGAFAをはじめとするシリコンバレーが今日に至るまで活躍するのか?」

それもそう。なにせ、いままでラグビーしかやってきていない人間が思うのだから無理もない。スポーツ上のコーチングが、仕事の場で活躍できるのか想像など
することはできなかったから。

 前置きが長くなったところで本題へ。
僕はこの本を通して、主に3つのことを学んだ。それは、
①「個人としての資質」
②「リーダー・マネージャーの資質と在り方」
③「良い組織とは」


 ①「個人の資質」
 まずは、個人の資質から伝えていく。なぜなら、個人の資質持たずして
次に話すリーダー・マネージャーや、組織のことに繋がらない。
では、個人の資質はなにか。大きく分けて、5つ。

 1つ目は、「正直さ」
 つまりは、自分は何者であるかを他人に伝えられるかと言うこと。
スポーツでもビジネスでも、一人で成り立つものではない。
いくら個人スポーツでも、戦うにはもちろん対戦相手は必要だし、ビジネスでは、他者がいることで成り立つ。相手によく思われることも大事ではあるが、
まずは相手にありのままを見せることが大事。

 2つ目は、「謙虚さ」
 自分が完璧ではないことを自覚することが大事。
僕の一つ上先輩である外国人の選手は卒業のスピーチの時にこう言っていた。
「僕は、このチームで様々実績や信頼を積み上げてきた。しかし、社会人で
いったんこの実績や信頼は崩れる。だからこそ、謙虚にまたひとつずつそれらを
積み上げていくことが大事である」なるほど。

 3つ目は、「努力し続ける人」
 「現状維持は衰退と同じ」こちらの言葉も、このNoteを書いている際に3つ上の先輩が言っていた言葉と精通するものがある。例えるとして、何か大きな目標を立て、何回も試行錯誤の末に、ついには成功した。さて、そこで終わりだろうか。終わりじゃやない。達成したら、また次の目標を立て、挑戦し続ける。

 4つ目は、「学び続ける姿勢」
 「学びに終わりはない」まさにこの言葉では。
学校の教育で学びは終わりではないまた、学校では教わることができない様々な
学びがあるということ。「僕の学びはこれだけだ!」とは定義はできない。
また、本書でも書いてある通り、IT業界は日々情報がアップデートされている。
日々進化する情報に、僕は学び続ける必要があると考えた。また身内ネタだが、
チームでお世話になったコーチの方も同じことを言ってくれた。

 5つ目は、「グリット」
 
グリットは、困難があっても挫けない強さやタフさ。
Youtuberがいう「好きなことで生きていく」に少し似ている。
若干言葉の綾もあるとは思うがここはお付き合いいただきたい。
自分にとって好きな仕事をする上でもちろん成功ばかりではない。
行動すれば、失敗や困難が必ずやついて回る。しかし、そこで負けてばかりか。
いや、ない。成功するまで挑み続けることが大事であると考えた。

以上が個人の資質。


 ②「リーダー・マネージャーの資質と在り方」
 
次に、リーダー・マネージャーの資質について。実際に不特定多数の人と
行動を共にしていく上でリーダーやマネージャーは必要不可欠。
ここでは、「資質」と「リーダーは部下が作る」についてそれぞれ説明したい。
(マネージャーの話があまりないけど、ここではリーダーと同じ類ってことで)

「資質」
 資質は…はて?なんだろう。話はそれるけど、ボスとリーダーの
違いならわかる。ボスは、命令だけ。リーダーは、指示と先陣で皆を引っ張る。

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まさに、図のような関係かなと。そう、求められる資質は目標に向かい皆を
引っ張ること。部下やチームメイトが仕事で実力を発揮し、発展できるような
環境を作り上げる。その環境を作り出すためには、次の3つが必要になる。

 1つ目は、「優れたコミュ二ケーション」
 なんでも、リーダーは人と話す際はじめに「挨拶+その人のプライベート」
をセットで聞く。ビル・キャンベルは、ミーティングで必ず雑談から始める。
朝の通勤はどうだ、息子さんは元気?同僚とはうまくやれているのかetc
一見、何気ない話だがこれが重要な雑談であると後で気づいた。
それは、リーダーやマネージャーは普段チームメイトがどのような心理状況や
モチベーションなのか、何が得意で何が不得意なのかを知ることができる他、
アドバイスなどを出すことができる。
また、この雑談は人の幸福度を増す効果が実証済み(諸説あり)

 2つ目は、「規格外の天才を受け入れる」
 集団で行動や作業をすれば考え方や価値観のズレはつきもの。
リーダーやマネージャーは、そこをコントロールする必要がある。
例えば、仕事は誰よりもずば抜けてできるが性格はよろしくない人が
いたとする。スキルは良いため、即戦力にはなる。
しかし、チームの一員としてやっていく上では彼らは最悪な環境を作りかねない。
(本書では、そんな彼らを規格外の天才と称していた)
そこで、待ってましたとリーダーやマネージャーの登場。
規格外の天才たちがやった功績を認めるが、放漫さを抑えることが大事。 
リーダーは寛容であり、彼らを守ること。しかし、倫理観の外れたことを彼らには
絶対にさせない。ここでいう倫理観は、誠実さや謙虚。

 3つ目は、「決断力」
 話し合いが泥沼化し、決着がつかないことはあるか。僕は何回もあった。
そもそも、話し合いの泥沼化がなぜ起こるのか。
一つの答えとしては、話し合いの中には完璧な答えがない。だから、皆は
話し合って一つの答えを出す際に不安になりなかなか決定できずにいる。
そうなると、プロジェクトやチーム目標の達成から遠ざかることになる。
そうならないため、リーダーやマネージャーはある程度の段階で決定を下す。
ビル・キャンベルは、「間違ってもいいから、行動をまずは起こすこと。
決定を下さないことは、誤った決定を下すよりたちが悪い」と言った。確かに。
そして、一度決まった決定は不満があれど必ず従ってまずはやることが条件。
その決定が後に間違ったとしても、すぐにケアすることが大事。

 「リーダー・マネージャーは部下が作る」 
 どうあるべきなのか。そんなことはあまり考えなくていいのかもしれない。
なんでも、「人がすべて」という原則に則り、考動することが大事。
実際に、管理職や上の人(部下の上と言えば、上司にあたる)になったから
全員が全員その人に従うわけではない。確かに。権威主義や独裁は、僕も嫌だ。
先ほど記載した、「優れたコミュニケーション」「規格外の天才を受け入れる」
など、部下や同僚、上司などと信頼関係を構築し合うことで在り方が形成される。
「肩書き」は作れるが、「リーダー・マネージャー」は人が作る。
そうなるためにも、リーダー・マネージャーは「支援」「敬意」「信頼」をする。
「支援」彼らが成功するための情報収集やトレーニング、コーチングをすること。
「敬意」彼らのキャリア目標を理解し、彼らの選択を尊重すること。
「信頼」彼らに自由に仕事を取り組ませて、決定を下させること。

以上が、リーダー・マネージャーの資質と在り方。

  ③「良い組織とは」
  
良い組織とは、どんな基準があるのか。多分、基準はないと思う。多分。
仕事の形態やチームによってやっていることが違うからあると思う。
だけど、活躍している組織を深堀りして見てみると、根底にはあるかもしれない。
本書で大事だと感じたことは大きく分けて2つ。
それは、「チームファーストであること」と「人を大切にすること」

 「チームファーストであること」
 
スポーツのコーチング同様、ビジネスでも「チームファースト」が大事。
チームにいる花形の選手や、圧倒的才能の持ち主、またはそうでない人も
個人の利益よりチームの利益を最優先せずには大きな野望は成し遂げることは否。
昨年度大変な盛り上がりを見せた、ラグビーW杯日本大会で「笑わない漢」こと
稲垣啓太は「4年間、多くの犠牲をはらってきた。すべては明日の為に」と
自身のTwitterでツイートしていた。正直なところ、仕事をやっている上では
犠牲はつきもの。しかし、それを省みずにチーム全員がチームの為にやることが
とっても大事。
※犠牲と書いてあるけど、家族の時間も大事。

 「人を大切にするために関心を持つ」
 
チームや会社の組織で動く以上、人との関わりは避けては通れないはず。
同じ組織、同じユニフォームを着て戦うチームメイトとは、綿密な関わり合いが
必要不可欠であると考える。同じ目標や野望を成し得るためには他者を知ること。
リーダーの資質でも記載した優れたコミュニケーションはここに通じると思う。
本書でビル・キャンベルは、同僚の家族のことを知ることだ大事と書いてある。
踏み込んでいるとは思うが、プライベートまで知ることができて、家族の理解や
困っているときは駆けつけて助ける。
組織として、愛情や思いやり、気遣い、優しさの文化を作りあげる。

 ここまで、様々なことを書いたが結局何が言いたいのか。
「序」の方で、僕のラグビー人生の最後を描いたと思うけど、チームとして
動くことはどういうことなのか、また、個人としてどうあるべきなのか。
この本を通して、もっと早い段階で知っておきたかった。ということ。
僕は主将でもリーダー的存在でもなかったけど、僕含め、皆がこの考えや資質を
持ち合わせていることできっと当時より良い組織になれると感じた。
過ぎたことを言うべきじゃないけど、今後の社業における教訓と併せることで
本Noteの締めにしよう。


最後まで読んでいただきありがとうございました。
これは、僕としての一意見や考え方なので合う・合わないはご承知おきください。
もし、もっと良い考え方があればご教授いただけると幸いです。





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