syuhari!!(週刊少年マガジン原作大賞)
<キャッチコピー>
全てはデザインが決める
<あらすじ>
将来はスポーツカーをデザインをしたいと漠然と夢を抱いていると主人公が、プロダクトデザインに力を入れている武蔵野美術大学に通い学び、挫折や喜びを味わう。
序盤では仲間が出来て、焦りと嫉妬を抱きつつ、わいわいがやがやした日常を送り、自分の目指している分野に知識を付けたり、ライバルの凄さを実感したり、それまでに経験したことのなかった挫折、そして、仲間と経験を積み上げていく喜びを描く。
中盤では将来の自分と向き合う為の授業が盛り込まれていて、学外の企画コンペにスポーツカーの絵を出しても落ちたり、課外授業を受けても学校外の人から見出されることなく終わるなど、行き詰まるような日々も続く。しかし、努力と仲間のおかげで、スポーツカーを自分の手で作りたいという夢を果たすべく、コンペに挑み入賞。
企業の目に留まることになる。
また学校では恋愛、友情などの側面も描きつつ、主人公は大手企業の車のデザイナーに入社が決まり、あゆみ始める。
最終的に、日本では下火だが、海外向けにスポーツカーの新車をデザインすることになり、チームに主人公が抜擢され、夢を掴む。
<キャラクター>
大蔵一輪 (おおくらいちりん) 19歳 一浪 イメージ(結木滉星さん)
細身の身体で、背丈も女子より少し高いくらい。オシャレは面倒で、いつもシャツにジーンズ。
口癖は「俺、ちょっと匂う…ような気がする」。
両親の影響でレースを良く見に行ったり、ネットで情報を集めたりして、周囲も同じ温度感かと思い車スポーツカーオタクを披露してしまうと、大体、周りがついてこれず、悲しい青春を送った。車はみんな興味ないんだと実感。車から遠ざかる青春を過ごす。
しかし、家に帰ると父親はレーサーでサーキットに出向き、母親も元アマチュアレーサー。
幼い頃にサーキット場に向かうが、父や母のように成績も振るわず、レーサーの道は諦める。同時に両親と比較されることの辛さも経験して、車は好きだけどレーサーにはならないと強く誓った。
趣味で通っていた絵画教室で気分を晴らす為に車の絵を描き続けると、美大に行けば車のデザインが出来ると先生から教わり、離れていた車の仕事に関わってみたくなる。
両親に漠然と車のデザインが学びたい告げるとプロダクトデザインを専攻すれば、自分の息子のデザインした車が乗れて、F1チームが作れるんじゃないか? と夢のような話をされて、F1チームは無理かもしれないが、プロダクトデザインを学んだら自分にもスポーツカーを作るチャンスがあるかも…という夢が浮かぶ。
その後、絵を描きすぎて、メガネをかけるようになった。
大学進学して、一輪はようやく車のことで普通に喋れる友達が出来て、悦に浸ることが多い。
スポーツカー以外に興味がないのが欠点。大学在学中では近未来の車についてデザインすることが多く、スポーツカーから遠ざかっていくことを実感。それでもスポーツカーをデザインしたい、その気持ちは変わらない。
山本 一浪 埼玉出身 平凡サラリーマン家庭 イメージ(伊藤あさひ) 19歳
絵の才能は認められていたが、親からは就職率のいい別の大学に行けと言われた。父親が名古屋人で、美大に行っても金の無駄で何も意味がないと猛反対されたが、母親が仲介してくれなんとか武蔵美に入学。しかし一浪、そして入学金を父親との約束で借りを作っている。
武蔵美と関係の強い大手企業で働いて、その借りを全額返済しないといけない約束。
山本は親に借金があるため、金の貸し借りはせず、下手な儲け話には食いつかず、絶対に儲かる儲け話にしか興味がない。
美大に在学している間に、親の借金を返そうとホストとして働いてしまう。
ホストで人気になってしまい、金の力に翻弄されっぱなしの生活。
学校のゼミも授業もいつもギリギリでやる気がないと思われている。
見た目がイケメンなのに言うことがきつい。女子から好かれていて、バレンタインは山盛りチョコを貰う。普段着がタイトスーツ(安物)の時があり、美大生っぽくない。
現実主義。ただし、外村のゼミだけは汚れるのと本気度のアピールのためにジャージ。
一輪とは競り合う仲。「金ねえし」が口癖。
花房(はなぶさ) 〇〇女子大 一年
一輪と山本が気になってしまう美人のギャル系女子。
化粧を取ると別人のように地味な顔でのっぺりしているのがコンプレックス。
高校デビューして以来、すっかりギャルとして花開いて、なんでもデコったり可愛くするのが好き。
自分の部屋は百均で作った棚や整理箱で綺麗に整えていて、D I Y好きで凝り性。
女子大の文学部に入ったものの、周りとは違和感を感じて過ごしているとき、友人から武蔵美に忍び込もうと誘われて、勝手に入ることを覚えてしまう。
喋ると止まらず物事をはっきり言う性格。普通の大学じゃつまらないと、武蔵美に侵入して、ひっそり授業を受けたりしている。学校では謎の美女とされている。
美大に入りたかったが金銭的に諦めるしかなく、女子大に入るものの彼氏の話題や買い物の話題など退屈な日々。
楽しいのでひっそりと編入したいと思っているが、根気や画力、お金がないこともあり、武蔵美の生徒のフリをし続けて、一輪たちを振り回す。
外村の授業にも興味があって参加していることがある。なんでも興味を持つタイプ。
キャバクラでバイトをして学費を稼いでいる。
外村から今は部外者でもやる気があれば編入しなさいと言われていて、こっそりその気で頑張って貯金をして勉強している。
蕪木(かぶらぎ) 新潟県出身 彫刻職人の息子
彫刻職人の息子。クラフトコースからゼミに参加。授業では一輪と顔を合わせていて、プロダクトデザインに興味を持ち始める。外村ゼミに入り、車のデザインをしたいと思い始める。後にカーデザイナーの道に進むことになる。立体造形における才能が抜群でクレイ製作で才能を発揮する。新しい物を作りたいと意欲を燃やしている。実家の仕事は嫌いで、自分なら特別に凄いものが出来ると思っていて、日々の努力が人一倍すごい。企業主催のコンペには必ず参加するなど、自主性はピカイチ。ただし、少し空回り気味。ときどきとんでもない成果を出す。
ワン・チュインシー 中国出身 女子 25歳
めちゃくちゃ前のめりな性格で、暇そうな顔をしていると中国語を教えてくる。車のデザインだけでなくプロダクトデザインを学び認められたい。日本人はどうして発言しないのかと思っているが、周りはワンの積極さについていけない。バイトを掛け持ちしているが、元気があり溢れている。年は25歳だが、無邪気な性格と前向きさで周りには常に人がいる。熱心な態度で授業を受けるが、ときどき、バイトと課題の両立で精根尽き果てるように寝ている。
調(しらべ) 東京都出身 男子
家族全員芸術一家。家にはアトリエがあり、父親が教授と知り合い、著者も出すほどのプロダクトデザイナーなど有利な点が多いことからゼミを一歩出ると嫉妬の対象。黙々と作品を作り続ける集中力や突き詰めていく姿勢、洞察力などは秀でている。高校生の頃から企業も調に目を付けていて、本人もそれを知っているが態度が変わることなく、努力をし続けている。工業工芸科からモビリティデザインに進むことを決めている。自己表現(自己肯定)のすべてが車のことに直結している。淡々としていて感情をあまり表に出さない。家族全員、好き勝手やっていて、実は仲良くなく、恩恵どころか、両親から助けられたこともないせいで良い事もない。一輪のライバル。
外村先生 外村ゼミというカーデザイナーを学ぶゼミの先生。間口も広く、誰でも入れるが、厳しく辞めるのも自由。去るもの追わず。自主性を重んじる。怒ることはないが、現実を突きつけ手厳しいことを言うため、鬼と呼ばれている。
10人くらいのゼミを開きカーデザイナーについて学生自身でデザインを考えてもらう場を提供。現実を突き付けられ、泣きながら課題に打ち込むことも。けれど誰も辞めない。
先生の口癖『部屋がくさいね』。真綿で首を締めるタイプ。
小島忠雄 大学の名誉顧問 カーデザイナーの先駆者
小島の授業は人気があるものの、昔話が多い。ただし、新しいものを切り開いた力がある為、授業はスパルタ&抽象的な指導。笑顔で怒り、授業を退出させる。小島に甘さを見ぬかれ、トドメを刺され、谷底に突き落とされる生徒が多い。外村教授の憧れでもある。
中村ひとし 日産デザイン部長
温厚で優しい。キレると怖いタイプだが滅多に怒らないのと、言いたいことは言う。
武蔵美に足をよく運び、生徒の様子を見ている。飲んだらダメな研究室で、生徒がいなくなると飲もうと言い出すので、自然と教師たちの大人の飲み会が始まってしまう。
生徒も関係なく誘って安い居酒屋で飲んでいる。生徒をよく見ている。
【プロット】
<第一話>
日本G Pが開かれているのでスタート前のピットを見させてもらっている。
「かっこいい」
「F1の為だけにデザインされたものだからなあ」
周囲の緊迫したムードに手を引っ込める。
「F1で勝つ為だけにデザインされたものだから、余計なものが一切ない。窓もないだろ? ノーズ部分は尖っているし、普通の車にはないものが色々とついてる」
「窓って、速く走る為には余計なものってこと? 先端を尖らせると速くなるの?」
「それはお父さんには分からないな。ただ、窓がないってことは外から何か飛んできても守るものがない。しかし窓をつけると風をまともに受けるから速度が落ちる。高速道路でF1の車を走る勇気はお父さんにはないな。フェラーリならいいけど」
「ノーズは?」
「アメリカのドラッグレースあるだろ?」
「うん、そういえば、極端に細い車だし、時々吹っ飛んでるシーンも見たことある」
「速さを極限まで追求すると、あんな形になるんじゃないかな。かっこいいかっていえば、お父さんはF1の車のほうがかっこいいと思うけど」
「レースの車はかっこいいけど、普通の道じゃ走れない車ってことか」
「そういうこと。極限を極めた車ってことだ」
一輪たちの横に父親の友人が現れる。
「やあ、息子もレーサー志望? 好きに見ていいから」
「いえ。俺はカーデザイナーになりたいんです」
「え?」
「息子はレーサーじゃなくて、カーデザインに夢中なんです」
「そうなんだ。てっきりお父さんと同じ道に行くのかと思ったけど」
一輪は写真を撮ったり、ウィング部分を撮ったり。下から煽りで撮ってみたり。
(このパーツ一つ一つが、空気抵抗を少しでも落とす為に計算されていると思うと感動しかない!)
(今期の無茶振りレギュレーションに合わせてつけたパーツ。でもこれが結構いい)
写真小僧になる一輪。
「真剣だね」
「息子はカーデザインをやりたくて。それでここに来たんだ。邪魔なら帰るよ」
「邪魔じゃない! ゆっくり見学して行ってほしいな」
一輪、自撮りでF1の車とツーショット。
「どうだ? 最近美大受験行き詰まってて、落ち込んでたろ」
「うん、まあね」
「なんならレーサーの道に戻るか!」
「戻らないよ。そっちの道は絶望的だって小学生の頃に分かったんだし。それより、先に家に帰っていい? なんか分かった気がする!」
◆半年後
◆合格発表
一輪、合格。
(受かった!)
色々な思惑の仲間達の面々も周囲にはいて。
<第二話以降>
武蔵美に入学した一輪。
一浪仲間の山本もモビリティデザインを学ぶ仲間で一浪して同じく受かっていて、一緒に行動する。
ガラス、工芸、彫刻など、あらゆる授業を受けつつ、外村のモビリティの授業が楽しい。
一年時から好きなゼミに入れると、授業の面白かった外村のゼミに入ることにする。
外村のゼミで、車について好きなように話して欲しいと言われて、一輪は好きな車の話に熱の入る言葉を言うものの、山本は「トヨタとか日産とかの大手のデザイナーになれればいいんじゃないですか? 安泰だと思うので」と一輪に比べて現実的なことを言う。
山本の他にも、淡々とした意見が飛び、一輪は将来はスポーツカーをデザインしたいというと、やる気が見え過ぎると山本に言われてしまう。
外村の授業は特別で段ボールを使って、りんご一個の重さで15メートル自走するにはどうしたらいいのか、というデザインとは程遠いことが課題にあげられて、お手上げ状態に。
そして、ひっそりと一年生を見つめる四年生の集団『モビケン』。「今年もやってるな、あの課題」と楽し気。ヤル気のある一年生が来ないかと、誘いに来たが、その一年生はすっかり課題にうちのめされていて、天井を仰いだり、机に突っ伏している。
『モビケン』のことは目に入りそうもない。
授業では素材を勉強したり、デッサンをしたり基礎を徹底的に学び直す日々が始まる。
机に向かう授業に飽きてしまいそうになりつつ、一輪は外村のゼミだけは楽しみで。
外村のゼミが始まると、りんごで走る車が全く思い浮かばずに焦るのだが、ゼミではチラホラ車輪を作ったり、スケッチをしたりして、とっかかりを見つけだそうとし始める。
けれどほとんどが途方に暮れて、何も手につかない。
そもそも、自分たちは絵を学びに来たのに、どうして物理みたいなことをしないといけないのか、と不満の声もちらほら。それは一輪も一緒で。
車のことは好きだが、車の構造のことはどうでもいいと思っていた。もっと具体的な車の絵の練習をしたいのだが。
ワンはあまりに何も手掛かりが得られず、外村に断り退出。悔しくて泣いて帰ってくる。蕪木はスケッチを何枚も描いていく。調はもくもくとインターネットを検索している。
一輪は何も思いつかず、『俺の天才どこいった』と悩んでいたとき、ふと自分だけで悩んでもダメだと思いたち、山本と相談することを思い付き、二人で相談し始める。
それをきっかけに、静まり返ったゼミが賑やかになり始めて、アイデアが浮かびだす。
外村は黙って見ていたが、これも毎年恒例だと見つめている。
山本、一輪とりんごの重りで走る構想はつかめてきたのだが、調がひとり黙々と自転車の原理をネットで調べている。そしてワンたち女子は泣きながらスケッチで構想を練る。ワンは女性らしいデザインの構想は思いついているようだが、自走する原理が掴めていない様子。外村先生はそれでもワンに何も言わない。すると、ワンの方から質問が。
「答えを教えてください」「意味がないだろう」「さっぱりわかりません。デザインは出来ました」「りんご一個で走る構造も考えて」ワン、悔しさにまた涙をにじませる。
蕪木は外村に「どんな形でもいいのか」と質問。外村は自由な発想でと助言する。
一輪たちも段ボールを組み立てながら、歩行式の提案をする。
一輪はスラスラと立体のスケッチを描いていき、山本たちは一輪の立体を考える力を改めて凄いと感じさせられる。けれど段ボールを組んでみると、強度がない。
スケッチをして構想を練る一輪。それにダメ出しをする山本。黙々とひとりで考えているときより発想が広がる感じが楽しくなって、イメージがどんどん膨らんでいく。
ただ、一輪は調を意識してしまいなんとかして上手くやりたいと思ってしまう。
調は芸術一家で、父親も有名プロダクトデザイナー。なんとか競り勝ちたいと思っていた。もくもくとひとりでスケッチをしながら考える調にライバル意識を燃やす一輪だが、構想はまだつかめない。
ライバルもいて、一輪は自分の発想が形になる作業が楽しくなっていた。
一方の調は、キャアキャア騒ぎながら実験を進める周囲にうんざり気味で。
わざと部屋の隅に移動して、騒音から逃げるように作業を開始。
自分の目標は高いため、雑音にかき乱されたくないと思ってしまう。
すると外村に、時には他の人の状況を見て回るのも勉強だと言われて。
あまり意味はないだろうと思いつつ、一輪やワンなどの構想を偵察する。
まだ自分には劣ると思いつつ、自由な発想をしていることに気が付く調。
外村は調は優秀だが、すでに完成を目指しているので、伸びしろが他の生徒に比べてあまりないことが気がかりで、自由な一輪たちに触れさせたいと考えていた。
体で作る作業に着手するものも増える。一輪はしゃくとりむしのような形で前に進ませる作戦に変更し決まる。山本は大きな車輪を回す作戦だった。
しかし調のことを観察していたが、何を考えているのか予想も出来なかったのだ。
一輪はさっそく、動くか実験してみるが思ったような動きをしない。
山本は動くのだが、車輪が大きいせいでりんご一個の重みだけでは前に進まないことに気が付く。
しかし調は走行テスト前だというのに、りんごの重み一個で10メートル以上走っていた。
自然と一輪には負けたという気持ちも湧くが、俺だって出来るはずだと思えてくる。この課題においては誰もが初めてだから、ビギナーズラックだと一輪は考えた。
外村はこれはあくまでテストであることを強調。
さらに二日間の間に改良して、可能性を広げることが出来ることを伝える。
同時にワンから「寝るなってことですか!」と言われて「そうしてもいいよ」と答える外村。
一輪は寝ないで考えることにすると、他のメンバーも釣られてそうすると言い出して。
調べもまだ改良出来るかもと、更なる改良を考えることに決める。
いよいよ自走の日。一輪、山本はそれぞれ二メートル程度しか走らず、段ボールの耐久性からチャレンジをすればするほどぼろぼろになっていく。
その横で、調が一度のチャレンジで15メートル以上走らせて外村すらも驚く。
その場にいた誰もが驚く中、ワンが泣きながら何度もチャレンジ。
「絶対走らせてみせる」という強い意志をワンが言うと、そこにいた全員が奮起して走らせてみせる。距離は伸びていくが、調に勝つことはなかった。
誰もが思ったように伸びない結果に愕然とするが、外村から諦めない気持ち、発想の先を持つことの重要性を教えられる。
調は初めて、ライバルを持つことの大切を知った。そしてその相手は一輪かもと思ってしまう。
一方の一輪は、走っただけでも凄いと喜んでいて。
他の生徒の作品を見せて欲しいと探究心が強い。調も負けていられないと見せてもらうことに。
一輪は何も知らず、調のライバルになってしまう。
そして、2年次はモビケン、ゼミの様子、そのほかの生徒など(一輪が思い悩む時期)、3年次は内定に向けてなど、四年間の集大成の自主的な展覧会へ向けて話を盛り上げていきます。
一輪は国内のメーカーに就職、初めてチームでデザインを任されることになります。
学生といえば、恋愛やバイト、友達関係だと思うのですが、その辺も含めて織り交ぜながら書いて行けたらと思っております。
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