物質化したトリオンの性能限界についての一考察

第一回ワートリ学会提出予定

うっひょーーー様式なんて何一つ気にしなくていい論文だぜ!くらいのテンションで書きます。

「トリオン(回復する生体エネルギー)が物質化します! 通常兵器で傷一つつかないです! 壊してもトリオンがあればすぐ直せます!」

ワールドトリガー初期からある設定ですが、作中の中でも現実にあれば1、2を争うレベルでヤバい技術です。

建築系の人には、通常の100倍の強度のコンクリートが、型なしで期待する形状をとり、しかもそれをほぼノーコストで半永久的に生産出来る。と言った時点で一発で伝わると思います。建築系じゃない人でも、トリオン能力の優秀な人間とトリガー1つで建物建て放題、といえばその凄さが伝わるでしょうか…。世界中の鉄鋼、セメント、木材といった主要構造材料のメーカーが一瞬で破滅する技術なんです。恐ろしや…。

しかし、もし「トリオンによる物質化が条件なしの半永久生産可能」が本当ならば、今よりはるかに優れた本部基地の建て方が存在します。名付けて「逆進撃の巨人」作戦です。方法は簡単。警戒区域を囲うようにトリオンで巨大な壁を作るだけ。それだけでバムスター、バンダー、モールモッドに対する防衛が格段に楽になります。物質化したトリオンがバンダーの砲撃程度で簡単には破られないことは、イルガー対本部基地や、砲撃型ラービット対エスクードで証明済み。しかも本部が建った時点ではイルガーの存在をボーダーは知らなかった様子、なぜこの作戦を取らなかったのでしょうか。

考えられることは「トリオンによる物質が永久的に残るものでない」可能性です。すなわち、物質化したトリオン(…ええいめんどくさい次からトリオン物質)と呼びますが時間経過で消えるのではないか、ということ。もちろん戦闘中に出しっぱなしのトリオン物質が消えていく描写はありませんので、一時間やそこらで消えるものではないことは確定です。しかし、24時間365日トリオン物質を維持続けるのであれば、トリガーを起動し続け、トリオンを注ぎ込み続けなければいけないとしたら…。はい、千佳ちゃんでも無理ですね。とても壁なんて作れませんし、そもそも建材としても実用性がなくなってしまいました。

エスクードの設定や鬼怒田さんの発言から、トリオン物質の強度が高ければ必要なトリオン量も多くなることは確定です。さらにそれに加えてトリオン物質の持続性にもトリオンが必要だという仮説、この傍証が実はあります。それは、「ボーダー本部基地が母トリガーを手に入れてから急速に出来た」「ボーダーは現在も母トリガーを何かに使用している」「アフトの母トリガーの出力が下がれば星が小さくなる、というエネドラの発言」です。ボーダーは母トリガーを、本部基地の維持のために使っているのではないでしょうか?そして母トリガー(神なし)の出力では警戒区域を全て囲うほどのものは維持できず、本部基地にとどめているのではないでしょうか?

これら推測から、トリオン物質が永久に存在可能なものではないことが考えられます。

参考文献

葦原大輔 2013-2021「ワールドトリガー1-23」集英社


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?