愛しかなかった。~母の一冊の歌集を読んで~

私の母は、5人の子どもを育て、5人目の私が小学生に上がったあたりから、母はパートに出て働きだした。


その間の時間を縫って母は短歌を学びに行っていた。


子どもながらに、趣味みたいなものを持てるっていいねとまでは思っていたけれど、、、当時実際に読まされてみても、良く分からなかった。


その母が、先日、短歌をまとめた歌集を製本した。それはそれはキチンとしていた。でも、派手でもなく、出過ぎた感じでもなく、とっても質素だけど、何とも言えない、母らしい一冊に仕上がっていた。


母が詠む短歌が良いのか悪いのかは私には分からないけど、母の一冊を書いてくれた書評?を昨日読んだ。そして、改めて、母が詠んだ短歌を目にした。


子ども時代の歌、母の母親の歌、子育ての歌、風景を描いた歌、夫の歌、震災の歌、、、


読んでいて胸が熱くなった。子どもの頃の情景を思い浮かべたり、母が幼かった頃の姿を思い浮かべられたり、、、母を感じるしかなかった。


親を疎ましく、煩わしく思うことはいくらでもある。


でも、その裏にはやっぱり「愛」しかないこと。それをやっとやっと、大人になってから分かることが出来た。そして今回母が短歌集として一冊を世に残してくれたことで、まだ生きるだろうけど、、、母が居なくなったとしても母を感じられるものを残してくれた事に、本当にありがたく思った。。


愛しかなかった。

なかなか変われない…それって自分自身のせいじゃなくて、捉え方を変えたら今から変われるもの。そんな言葉を文章で伝えたい。最後はやっぱり自分と向き合い切るかにたどり着くから、その強さを持つ人になりたい。