自殺論(エミール・デュルケーム)

デュルケームは社会的要因による自殺を四象限に分類した。

1. 自己中心的自殺(Egoistic Suicide):

   自己中心的自殺は、個々の人々が社会の一部であると感じられない時、または社会とのつながりが弱い場合に起こります。社会との結合が弱く、社会の一部であるという意識が低いと、孤独感や絶望感を経験し、自殺を選ぶ可能性が高まります。これは、社会的な結束力が個人の行動を規律し、個人を保護するための網のようなものが存在しないときに発生します。


2. 利他的自殺(Altruistic Suicide):

   利他的自殺は、個々の人々が社会の規範や期待に過度に縛られている場合に起こります。この種の自殺は、個人が自己の利益よりも社会や集団の利益を優先させることが求められる文化や社会において一般的です。例えば、名誉のためや家族の名誉を保つために自殺を選ぶようなケースがこれに該当します。


3. 異質的自殺,アノミー的自殺(Anomic Suicide):

   異質的自殺は、社会の規範が不安定または不明確で、個々の人々が不安定さや混乱を経験する場合に起こります。経済危機や社会的な混乱など、急激な社会の変化がこの種の自殺を引き起こす可能性があります。この自殺は、社会的な規範やルールが個人の欲望を制御することができない時に発生します。


4. 悲劇的自殺(Fatalistic Suicide):

   デュルケームの4つの自殺の類型の中で最も少なく言及されるのが悲劇的自殺です。これは、過度に抑制的で希望のない状況に陥った人々が自殺を選ぶ場合に起こるとされています。個人の未来が厳しく規制され、逃避路がないような場合に発生すると考えられています。

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