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スタートアップ営業組織作りの教科書

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企業向け研修サービスを提供する「アルー株式会社」の創業から東証マザーズ上場までの15年間の法人営業組織づくりについてご紹介していきます。
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#ミドル期

【保存版】スタートアップ営業組織作りの教科書(Executive summary)

アルー株式会社の池田と申します。 当社の起業・経営の経験に基づき「スタートアップ営業組織作りの教科書」と題した企業の成長ステージ毎の営業組織開発ノウハウについて連載記事を書かせていただきました。 本記事は、連載の最後のまとめとして、全体を俯瞰してスタートアップ(特にBtoB向け)の営業組織作りにおける各期のポイントを総括していきます。 より詳細に各期課題について知りたい方は個別記事をご覧いただけますと幸いです。 ①アルーの成長ステージの全体像当社は2003年10月に創業後

ミドル期全体像

アルー株式会社の起業・経営の経験に基づく「スタートアップ営業組織作りの教科書」の記事を連載しています。 本連載は、企業向け研修サービスを提供する当社の創業から東証マザーズ上場までの15年間を事業ステージ毎に「シード期」「アーリー期」「ミドル期」「レーター期」「プレIPO期」と5つに分け、それぞれの段階で起きた当社の出来事と、課題、それに対する対応策や私自身の学びを紹介していきます。 各事業ステージ毎の構成は、最初に「期」の全体像を解説し、次の記事から各期で起きた出来事や課

(14)営業部隊の成果が出るまでの期間を「なんとか乗り越える」(ミドル期)

スタートアップ「ミドル期」の2番目の記事です。 ※ミドル期:一般的には「事業拡大に向けた投資を加速し、成長に差し掛かった段階」を意味します。 今回は、課題(14)「営業部隊の成果が出るまでの期間を『なんとか乗り越える』」です。 ①営業部の急拡大により発生した問題幾つかの記事で書いてきましたが、アルー株式会社は2007年に一気に営業体制を拡充し、研修サービスの直販の立ち上げに取り組みましたが、その年は思うほど成果を出すことができませんでした。 創業メンバーで取締役の高橋浩

(15)ミッション・ビジョン・バリューを再定義し、道筋を明確にする(ミドル期)

スタートアップ「ミドル期」の3番目の記事です。 ※ミドル期:一般的には「事業拡大に向けた投資を加速し、成長に差し掛かった段階」を意味します。 今回は、課題(15)「ミッション・ビジョン・バリューの再定義をし、道筋を明確にする」です。 ①案件増加に伴う混乱の極み2009年初頃、アルー株式会社の中は混乱の極みにありました(少なくとも、私はそのように感じていました)。 2007年に営業組織拡大の投資をし、初年度は思うように業績が伸びず▲1億円という赤字を出したものの、翌200

(16)営業組織には「継続的な人材採用」と「退職の最小化の努力」が同時に必要(ミドル期)

スタートアップ「ミドル期」の4番目の記事です。 ※ミドル期:一般的には「事業拡大に向けた投資を加速し、成長に差し掛かった段階」を意味します。 今回は、課題(16)「営業組織には「継続的な人材採用」と「退職の最小化の努力」が同時に必要」です。 ①成長の曲がり角2010年4月、企業研修サービス業界は大きな向かい風の中にありました。 約1年半遅れで、2008年に発生したリーマンショックによる世界的不況の影響を受けることになったのです。 リーマンショックの翌年の2009年にはあ

(17)新商品の販売はフレッシュな人材が向いている(ミドル期)

スタートアップ「ミドル期」の5番目の記事です。 ※ミドル期:一般的には「事業拡大に向けた投資を加速し、成長に差し掛かった段階」を意味します。 今回は課題(17)「新商品の販売はフレッシュな人材が向いている」です。 ①新規分野検討の試行錯誤アルー株式会社は、リーマンショックによって大きな影響を受けた2010年春の新入社員研修シーズンを乗り越えました。 当社顧客の中には、業績悪化に伴う新卒採用数を減らす会社が多くありました。新卒採用を控えると、単純にその年の新入社員研修の受

(18)専門特化営業チームを成立させるには相当の企画が必要(ミドル期)

スタートアップ「ミドル期」の6番目の記事です。 ※ミドル期:一般的には「事業拡大に向けた投資を加速し、成長に差し掛かった段階」を意味します。 今回は課題(18)「専門特化営業チームを成立させるには相当の企画が必要」です。 ①市ヶ谷オフィスへの移転アルー株式会社は、2009年末に市ヶ谷に本社を移転をしました。 前々回の記事「(16)営業組織には「継続的な人材採用」と「退職の最小化の努力」が同時に必要」の時点で、市ヶ谷への移転をしておりました。 創業前より数えて7番目のオフ

(19)営業マネジャーのフォローに集中する(ミドル期)

スタートアップ「ミドル期」の7番目の記事です。 ミドル期の記事はこれで最後となります。 ※ミドル期:一般的には「事業拡大に向けた投資を加速し、成長に差し掛かった段階」を意味します。 今回は課題(19)「営業マネジャーのフォローに集中する」です。 ①営業マネジャーへの負荷の集中2011年頃のアルー株式会社には停滞感がありました。 前年より取り組み始めた新規事業「グローバル人材育成」の出足は好調でしたが、立ち上がったばかりの事業であり営業部全体の売上から見ればまだまだ小さい

営業ステージの転換に伴い、営業責任者は変遷していく(appendix)

アルー株式会社の起業・経営の経験に基づき「スタートアップ営業組織作りの教科書」と題した営業組織開発ノウハウとして、企業の成長ステージ毎に発生する課題に関する記事を書かせていただきました。スタートアップ起業家の方(特にBtoB)のお役に立つ内容であれば幸いです。 さて創業からプレIPOまでの各ステージの記事は前回で完結しました。 今回は付録として「営業責任者の変遷」という観点から、各ステージに必要となる人材像について解説をさせていただきます。 ①ステージ毎に営業責任者は変わ