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スタートアップ営業組織作りの教科書

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企業向け研修サービスを提供する「アルー株式会社」の創業から東証マザーズ上場までの15年間の法人営業組織づくりについてご紹介していきます。
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2021年10月の記事一覧

(10)サービスクオリティの改善を優先しないと新規営業活動がストップする(アーリー期)

スタートアップ「アーリー期」の6つ目の記事です。 ※アーリー期:一般的には「事業立ち上げから、プロダクトマーケットフィットまでの軌道に載るまでの段階」を意味します。 今回の記事は、課題(10)「サービスクオリティの改善を優先しないと新規営業活動がストップする」です。 ①受注が増え、納品トラブルも増える2005年4月、株式会社エデュ・ファクトリー(アルーの創業時の社名)は、西新橋に移転をしました。 初のビル1フロアを丸ごと借りる契約でした。広さは約40坪。エレベーターで7

(11)パートナーセールスか?直販か?戦略の大きな分かれ道(アーリー期)

スタートアップ「アーリー期」の7つ目の記事です。 ※アーリー期:一般的には「事業立ち上げから、プロダクトマーケットフィットまでの軌道に載るまでの段階」を意味します。 今回の記事は、課題(11)「パートナーセールスか?直販か?戦略の大きな分かれ道」です。 ①「アルー株式会社」への社名変更2006年4月、当社は「株式会社エデュ・ファクトリー」から「アルー株式会社」への社名変更をいたしました。 エデュケーション(教育)のファクトリー(工房)という名前は、質の良い教育サービスを

(12)営業組織の組成には、資金調達が不可欠(アーリー期)

スタートアップ「アーリー期」の8つ目の記事です。 ※アーリー期:一般的には「事業立ち上げから、プロダクトマーケットフィットまでの軌道に載るまでの段階」を意味します。 今回の記事は、課題(12)「営業組織の組成には、資金調達が不可欠」です。これでアーリー期の記事は最後になります。 ①事業拡大の「アクセル」を踏む2006年10月に、アルー株式会社は創業前から数えて6つ目となる渋谷オフィスに移転しました。 ※神楽坂→本郷→湯島→銀座→西新橋→渋谷です。 渋谷駅から歩道橋で24

ミドル期全体像

アルー株式会社の起業・経営の経験に基づく「スタートアップ営業組織作りの教科書」の記事を連載しています。 本連載は、企業向け研修サービスを提供する当社の創業から東証マザーズ上場までの15年間を事業ステージ毎に「シード期」「アーリー期」「ミドル期」「レーター期」「プレIPO期」と5つに分け、それぞれの段階で起きた当社の出来事と、課題、それに対する対応策や私自身の学びを紹介していきます。 各事業ステージ毎の構成は、最初に「期」の全体像を解説し、次の記事から各期で起きた出来事や課

(13)KPIモニタリングの仕組みを早期に整える(ミドル期)

スタートアップ「ミドル期」の最初の記事です。 ※ミドル期:一般的には「事業拡大に向けた投資を加速し、成長に差し掛かった段階」を意味します。 今回の記事は、課題(13)「KPIモニタリングの仕組みを早期に整える」です。 ①営業状況の管理不足が招いた大幅未達成アルー株式会社は2007年に、ベンチャーキャピタルから資金調達をしたキャッシュを投下し、直販営業体制を大幅に強化しました。 しかし2007年度の年間営業目標の達成率は40%強であり、人件費の大幅増加もあり、創業初の赤字と

(14)営業部隊の成果が出るまでの期間を「なんとか乗り越える」(ミドル期)

スタートアップ「ミドル期」の2番目の記事です。 ※ミドル期:一般的には「事業拡大に向けた投資を加速し、成長に差し掛かった段階」を意味します。 今回は、課題(14)「営業部隊の成果が出るまでの期間を『なんとか乗り越える』」です。 ①営業部の急拡大により発生した問題幾つかの記事で書いてきましたが、アルー株式会社は2007年に一気に営業体制を拡充し、研修サービスの直販の立ち上げに取り組みましたが、その年は思うほど成果を出すことができませんでした。 創業メンバーで取締役の高橋浩

(15)ミッション・ビジョン・バリューを再定義し、道筋を明確にする(ミドル期)

スタートアップ「ミドル期」の3番目の記事です。 ※ミドル期:一般的には「事業拡大に向けた投資を加速し、成長に差し掛かった段階」を意味します。 今回は、課題(15)「ミッション・ビジョン・バリューの再定義をし、道筋を明確にする」です。 ①案件増加に伴う混乱の極み2009年初頃、アルー株式会社の中は混乱の極みにありました(少なくとも、私はそのように感じていました)。 2007年に営業組織拡大の投資をし、初年度は思うように業績が伸びず▲1億円という赤字を出したものの、翌200

(16)営業組織には「継続的な人材採用」と「退職の最小化の努力」が同時に必要(ミドル期)

スタートアップ「ミドル期」の4番目の記事です。 ※ミドル期:一般的には「事業拡大に向けた投資を加速し、成長に差し掛かった段階」を意味します。 今回は、課題(16)「営業組織には「継続的な人材採用」と「退職の最小化の努力」が同時に必要」です。 ①成長の曲がり角2010年4月、企業研修サービス業界は大きな向かい風の中にありました。 約1年半遅れで、2008年に発生したリーマンショックによる世界的不況の影響を受けることになったのです。 リーマンショックの翌年の2009年にはあ